
吾輩も猫である。名前はタマオと呼ばれている。♂で年齢は12歳ぐらいと言われている。人間様で言えば50代半ばというところだろうか。♂盛りである。純和製で体色はクロトラである。自分でいうのもなんだが、近所の♀にはこれでけっこうモテるのである。
今のご主人の家に拾われてきてから早いもので9年経った。この家の三番目の御嬢さんが、まだ幼かった時に近所の公園で昼寝をしていた吾輩を強引に拾ってきてくれたのである。この時、家族の評価はまずまずで審査にパスし、そのまんま居ついているのである。得意なことは、どこでも寝られることと、野鳥を捕ることである。今までにスズメ、メジロ、珍しいところでは冬鳥のジョウビタキといろいろ捕った。野鳥以外にもカナヘビ、カヤネズミとなんでもござれである。別に食べるわけではないので、捕って来ては自慢するためにリビングに置いておく。ただし、野鳥だけは特別不評である。なぜかというと、ここのご主人夫妻は『日本野鳥の会会員』とやらで、置いておいた戦利品を涙して見ているのである。世話になっているご主人夫妻を悲しませたくないのと、餌の量に影響するので今後、これだけは控えなければならない。
ご主人はエカキという職業らしく、家にいて仕事をしていることが多い。ただしカルチャーいうところに教えに行く日は外出する。ある年の夏のことだが、肩を落として帰ってきたことがあった。なんでもカルチャーというところのセイトさんという人たちに吾輩がモデルとなった絵をもっていって見せたところ、その中の一人から「なんか、ノラネコみたいな猫ですなぁ」と言われたらしい。さらに話に耳を傾けていると、その人は「アメショ」という綺麗な模様の猫を飼っているのだそうだ。聴いたことがない種類である。吾輩に言わせれば、クロトラはチャトラやミケよりも原種に近くヤマネコっぽいかっこ良さがあると思うのだが…。
まあ、いろいろ日常のできごとを話せばきりがないのだが、取りあえず朝起きて真っ赤な口をあけ「ニャー、ニャー」と猫をかぶって繰り返し鳴けば、几帳面なご主人がドライフーズと水を欠かさず与えてくれるので、不自由はなく暮らしている毎日だ。おっと、奥様が買い物から帰ってきた。このブログの続きはまた夫妻が留守の時にでも更新するとしよう。