千葉県に記録的な大雨をもたらしたのは、関東の東の海上を進んだ台風21号や千島列島付近にあった高気圧からの空気が、関東南岸を進んだ低気圧と房総半島付近でぶつかりあい、雨雲が次々と発生したことが原因とみられる。

 気象庁によると、低気圧が25日、紀伊半島沖から関東南岸に進み、房総半島付近に南から暖かく湿った空気が持ち込まれた。台風21号からも、暖かく湿った空気が強い東風として流入。また、高気圧から吹き出した冷たい空気も北側から入ってきた。これらが複雑にぶつかりあって上昇気流が生じ、大気が不安定になる状態が続いた。

 21号が北上し、低気圧も雨雲を伴って福島沖へと進んだため、福島県でも大雨となった。

 台風と高気圧が南北に並び、湿った空気が東から強く流入して大雨になることは、日本のどこでも起きうる。ただ、今回は近くに低気圧が進んでいた。さらに、21号の進路の海水温が平年より1〜2度高く勢力が衰えにくかったため、湿った空気がより多く運ばれたという。

 気象庁は大雨前日の24日、台風19号の上陸以降では最多の雨量になるとして、関東や東北で厳重な警戒が必要になると呼びかけた。ただ、予測した26日までの総雨量は200〜300ミリの栃木県が最多。千葉と茨城、福島の3県は100〜200ミリと想定していたが、実際は各地でこれを短時間で上回った。

 今回のような雨雲の急増は予測が難しい面もあり、気象庁の担当者は「低気圧の北上が遅く、複数の気象要件が房総半島の上空でそろってしまった」と話した。(桑原紀彦、金山隆之介)

 



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