(※前記事からの続き)
第2幕第2場。タプチムとルンタのデュエットシーンです。
宮殿の中庭(背景には「We Kiss in a Shadow」が流れている)。タプチムがたたずんでいるところにチャン王妃が現れる。
チャン王妃「早くお芝居の仕度をしなさい」
タプチム「ここでセリフをさらっておりました」
チャン王妃「あなたとルンタのこと、陛下には申し上げません。
陛下のお心を傷つけたくありませんからね。あなたの恋人は今夜、シャムを発ちますよ」
タプチム「今夜?」
チャン王妃「さあ、劇場へ行きなさい」
(チャン王妃退場。チャンは「木陰のくちずけ」でタプチムとルンタの逢引を見ている。ここでタプチムがルンタと会うことがわかっててやってきている)
ルンタ「タプチム」
タプチム「シッ!」
抱き合う二人。
タプチム「今夜、シャムをお発ちになるというのは本当なの?」
ルンタ「It is true Tuptim. They have ordered me on the first ship that leaves for Burma, and it is tonight.」
タプチム「私どうしたらいいの」
ルンタ「いっしょに行こう」
タプチム「ルンタ」
ルンタ「Secret Police will all be at theatre. Meet me Here, after your play. everything is arranged.」
タプチム「そんなこと」
ルンタ「できるさ。今日こそかなうんだ。何万回も心に思い浮かべていた夢が!」
ミュージカルナンバー「I Have Dreamed (アイ・ハブ・ドリームド)」
配布されたプログラムには「アイ・ハブ・ドリーム」になってますが、間違いです。そんな英語はありませんから誤植と思われます。昨年のプログラムもこうなってたんでんですよね。それなら昨年の時点で気が付いてるはずで、今年のプログラムは修正するべきなのに。どっちでもいいとでも思ってるの。観客が全員、英語がわからんとでも思ってんのかね。「I Have a Dream または I Have Dreams、私は夢がある」のつもりなら、歌詞の内容と違うだろう。歌詞は「私は夢に見た」という内容ですよ。マニアは細かいことにつべこべ言うものである。さ、R&Hミュージカルのなかでも第一級のラブ・デュエットですよ。
ルンタ ♪いつも夢に見てた 優しいその腕を
あなたが寄り添うときは 二人はひとつに
いつも夢に見てた 夕日浴びた姿
夢の中では 愛してきたから
愛というものは 知っているのだよ
タプチム ♪ただひとり目を覚まし星屑見て
いくたびか同じこと 考えたわ
タプチム ♪いつも夢に見てた 優しいその腕を
あなたが寄り添うときは 二人はひとつに
いつも夢に見てた 夕日浴びた姿
夢の中では 愛してきたから
二人 ♪愛されることも どんなものか 知っている
そこにタプチムを探していたアンナが登場
アンナ「タプチム」
タプチム「先生」
アンナ「Tuptim, They are looling for you at the theatre. I guessed you were both here.
I ran out to warn you. I think you're being reckless.」
タプチム「すぐにまいります」
タプチムはアンナのそばに寄り
タプチム「アンナ先生。これでお別れでございます」
タプチムはアンナの手を取り別れのくちずけをして退場。
アンナ「(ルンタに)何があったの?」
ルンタはアンナに今夜二人で逃げ出すことを話して退場。
アンナ「God bless you both」
ミュージカルナンバー「Hello Young Lovers (reprise)」が入る。
紫吹アンナ、上出来とは言えないが、なんとかがんばってる。ああ、いいシーンだ。
(ルンタの死の報せが届く)
タプチム「死んだ?私もすぐにおそばにまいります。すぐに」
「My Lord and Master」が静かに奏でられるなか、タプチムは泣きながら、引きずられるように連れて行かれる。
そして、鞭の音、「きゃああー」、もう1回、「きゃああー!」
タプチムの悲鳴が宮殿内に響き渡る。アンナはシャムを離れることを決意する。
クララホム「あなたなんか、シャムに来なければよかったんだ!」
第5場
短縮されている。通訳とオルトン船長の会話。王様が病床にあるということを説明するシーン。
背景には「♪The March of the Samese Children」が流れている。
(もうタプチムは出てこないから、省略)
第6場
アンナが王様からの「手紙」を読むシーンです。手紙を読むところで「Something Woderful」が流れる。
(省略)
アンナ「陛下の御前にまいります」
参考動画、youtubeにはあまりいいのがないね。はいだタプチムくらい歌えてるのがないんだわ。実際。
第7場
本当はこの前に、ルイスとチュラロンコン王子が二人で歌うパズルメント(第6場)があるんですけどね。「王様と私」はなにぶん長いのでカットすることが多いです。
アンナの寝室。王様と喧嘩をしたアンナは『Shall I Tell You What I Think of You(私の気持ちは)』を歌います。歌い上げるという歌ではないですけどね。とても凝ってるところでアンナのパフォーマンスの見どころ、聴きどころになってます。ここは紫吹アンナもうまく歌えていました。
そして、チャン王妃がアンナの寝室に訪れるところで、本作で最大の聴きどころ「サムシング・ワンダフル」が始まります。R&Hミュージカルの中でも、最高のナンバーと言っていいでしょう。「シャル・ウィ・ダンス?」があるから「王様と私」が有名なのではありません。このナンバーがあるからです。チャン王妃は無難に歌えてたと思います。この日、最大の拍手がおくられたのもここです。でも、訳詞がしょぼいから、感動的とは言えませんな。今後、「王様と私」を再演するには訳詞をなんとか洗練された新しいのに変えていかないといけないね。それか、原語の英語でやるかだね。
聴いてみましょう。ショーストップナンバー『Something Wonderful』
大半の観客はフライングで拍手してしまいますが、拍手のタイミングは王妃とクララホムとの会話(第8場)のあとのリプリーズ(繰り返し)が終わったところです。これをきちっとやるとマニアっぽいです。
第9場
シャムに来訪する英国の特使ラムゼイ卿を晩餐会でもてなすことをアンナが王様に提案するところです。
今回の「王様と私」がしっくりこないのは、王様に威厳が感じられないからですよ。威厳がある王様ということであれば、前回の高島政宏のほうがよかった。マツケン王の演技はあちこちで笑いが起こるなど面白いことは面白いけれども、少なくとも「王様」ではないな。得意の「上様」でもない。どちらかと言えば、バカ殿に近いですかな。私は男だからわからんけれど、この王様にアンナが女性が心惹かれるところが少しでもあったのだろうかね。それが観客に感じられなければ、この物語は進んでいかない。ここだけではないけれども、二人は気付いてないが、観ている観客は二人の感情の変化に気付き始めるという演出が必要だと思うね。「Tuptim has written a version of Uncle Tom's cabin(タプチムがアンクルトムの小屋の脚本を書いています)」のセリフがカットされました。次の2幕の劇中劇はタプチムの思いが込められているのを印象付けるためにもこのセリフは必要ですよ。
ミュージカルナンバー「Prayer to Budda(ブッダへの祈り)」
王様、王妃、王子たちがブッダへ祈りを捧げます。タプチムはいちばん最初に出てきて上手側に座りました。お決まりのシーンがあります。これで第1幕が終了。休憩は20分あります。トイレに行ったり、飲み物を飲んだり、一服したり、御自由に。パンやお菓子を持っていくのもおすすめ。上演中におなかが鳴るとちょっと恥ずかしいですよ。
第2幕第1場
第1幕と同じように、間奏曲の演奏が流れて、第2幕が始まります。
「♪Western People Funny」。王妃たちがヨーロッパ風のドレスの着付けをしてるシーン。チャン王妃と王妃たちが歌うこともありますが、通常は短縮のために音楽の演奏だけにされることが多いです。そして、お待ちかねのドレス姿のアンナが登場します。胸元ががばっと開いたドレスを着ることになってますからね。エトセトラ、エトセトラ、エトセトラが丸出しのドレスとなってますので男性は必見となってます。紫吹アンナ、そりゃ、もうきれいですよ。色が白い、それに顔が小っちゃい。背が低いしょうこちゃんよりも小さいんじゃなかろうか。ああ、いいですねえ。谷間もくっきり。
「♪Dance of Anna and Sir Edward」。アンナが旧友であるエドワード卿と昔を懐かしみダンスをします。このあともちょっとコミカル過ぎるな。次はタプチムとルンタのデュエットシーン(第2場)、「I Have Dreamed」へと続きます。
(※「兵庫公演その3」に続く)
「王子と王女たち、集れい!」。ミュージカルナンバー「March of the Siamese Children」(シャムの子供達の行進)。ルイスと王子、子役は順番で変わってるみたいでした。このシーンのアンナがボンネットをはずすところが私が好きなところ。これは映画版にもありますな。去年好評だったパッチワークの象のぬいぐるみは今年も健在。このミニチュアをグッズ販売すれば売れたと思うんだけどね。手軽に買えるような値段にするのは難しいか。
第3場
カーテン前でのシーン。子供達が歌ってたのは「Home Sweet Home」。
王様のソロナンバー「Puzzlement」(パズルメント)。
第4場
校歌「The Royal Bangkok Academy」(ロイヤルバンコク学院)を歌いながら、生徒、お妃たち登場。タプチムも。
王宮の学校のシーン。地図が広げられていて、チャン王妃がシャムは偉大な国で隣のビルマは貧しいと説明しています。それを聞いたビルマから来たタプチムは立ち上がって悲しそうな表情を見せます。なくてもいいところですが、しょうこちゃんは出番は多ければ多いほどいいですから。タプチムはオレンジ色のドレスでした。双眼鏡で見ると、手には次に使う鳴り物を付けています。
ミュージカルナンバー「Getting to Know You」(仲よくしましょう)。アンナが歌のお姉さんをするところです。タプチムはセンターに移動して、さっきの鳴り物(何ていうのか知らない、チンチンと鳴らすやつ)を鳴らす役をします。笑顔でやってて楽しそうですよ。