愛しのエトワール

うたのおねえさん、はいだしょうこさんを全力でとことん気の済むまで応援する日々を綴るブログです。

東京遠征記

2016-07-22 | ミュージカル
早くアップせねば。とりあえず、今のところこのくらいで勘弁して。

7月17日(日)。今年の東京遠征は2泊3日にしました。

初日は羽田から上野へ直行、東京文化会館でオペラ鑑賞。宮本亜門のフィガロは前々から見たいと思っていたのよ。ちょうどこの日はお気に入りのソプラノがスザンナをやるし、値段も1万円と格安料金だから、この機会に行っておくしかないということで。

終了。キャストも一流。大満足のモーツァルトでありました。「ひめゆり」の夜公演には間に合わないので、この日はこのまま上野で宿泊。

7月18日(祝)。暑いけど、昨年よりはぜんぜんまし。

北千住駅前の丸井の上。シアター1010にやってまいりました。

はいだしょうこ主演、ミュージカル「ひめゆり」。今日の上演2回と明日の千秋楽を見ます。全部で8回上演のうち3回だけですが、ファンとしての役目は果たしているでしょう。

今年はいつものメンバー共同でお花を出しました。こういうお花も舞台公演には欠かせないものでしょ。ファンとして何か形あるもので公演に参加したかったというのがありまして。私の提案で今回初めて「しょうゆび」でお花を出させていただきました。手配をしてくださったNさん、ありがとうございました。しょうこちゃんカラーのピンクですね。初日から5日目なので、やや萎れてきてるそうですが、まだまだとてもきれいです。このお花はメンバーの皆さんにもたいへん好評でした。今後も大きなイベントでは続けて出して行きたいと思っております。

1回目は17列目のS席。もともと夜公演から観る予定で、昼公演は遅くなって取った席。やや後ろ過ぎかなと思ったんですが、大きな劇場ではないので舞台はよく見えました。しょうこちゃんの表情を見るなら前のほうがいいんですけどね。でも、双眼鏡を持って行けばどこでも同じですよ。舞台全体を見るなら、今回座った席のような中段から後ろがよろしいように感じました。

ミュージカル「ひめゆり」については、
以下、私の昨年の投稿記事をコピーします。http://blog.goo.ne.jp/mistersnow/e/8d908c5fd1af1bd285988916de8b2058
オペラのようにセリフも含め全編歌で進められる形式のミュージカル。レミゼみたいなのがそうだね。私はフルオーケストラで演奏するようなクラシックなミュージカルが好みなんで、どちらかといえば自分の肌にあわないような感じのミュージカルだったけど、ミュージカルとしては非常にクオリティの高い作品であると感じました。何と言いますか、舞台に引き込まれた。主要キャストの熱演ってのもあるが、ストーリー展開のテンポが非常によくメリハリがきいていてだらけるところがない。セリフ(歌ってるけど)や歌詞が音楽にぴったり合っていて聞きづらいってとこがなくて耳にすんなり入ってくる。ミュージカルは音楽付きの演劇だから、伝えたいことは観客にすべて伝えないといけない。ここは重要だよ。翻訳ミュージカルだと音楽と歌詞が合ってなくて何を歌ってるのかわからんということがよくあるんだけど、それがまったくなかった。
(舞台を見た人しかわかりませんが)
最後のほうで、先に死んでいった同級生、兵士、婦長とモンタージュ的に登場させ、それぞれのモチーフを使って歌うシーンが非常に効果的であった。観客を泣かしにかかっているのが見え見えなんだけどね。私としてはこういうのは大好きだよ。ここでほとんどの観客は涙腺崩壊寸前になっているに、このあと、すっぱだか三人組を登場させなければならなかったのが惜しかったなあ。一気にフィナーレのアンサンブルコーラスに畳み掛けて欲しいところでありましたが、ストーリーの展開上、仕方ないでしょうな。
戦時下をテーマとした作品は極端に偏向した見方で描かれる傾向があるから私はちょっと苦手って書きましたよね。実際、最近ではいわゆる従軍慰安婦の強制連行が捏造であったということが明らかになったでしょ。このように特定の考え方に基づいて物語が作られることがあったりする。フィクションであっても、そんなのにしょうこちゃんが加担させられるのはどうかなと思ったりしてたわけですよ。2回観劇したんでほとんどすべて記憶してしまいしたが、ほぼ史実に基づいたストーリーであっただろうと思います。壕内の換気のシーンや飯上げの恐怖なんかは生存者の証言によるものでしょう。私も読んだような記憶があるよ。いちばんショッキングだった鬼軍曹が泣き止まぬ赤子の首をへし折るシーンも沖縄戦の悲劇としてよく知られているエピソードなので、実際にあったことなんでしょう。(ただし、敵から逃れるために赤子を殺めるという話は古くは元寇のときからある都市伝説的なプロットでもあるためエピソード自体が創作なのかもしれない。)この作品は軍国主義がもたらした悲劇を伝えることがテーマとなっている。しかし、ただ単に、軍国主義=悪というような考え方の一方的押し付けではなく観客には考えるためのさまざまな材料を提示しているところで、よくあるつまらない反戦作品とは一線を隔していると思う。軍国主義日本の権化のように描かれていた鬼軍曹にも、その考えに至る背景というべきものが歌で説明されていたところもまたその一例だろう。

とまあ昨年はこんな感じでしたが。昨年と今年で全部で5回観ました。ひめゆりの悲劇をドキュメントとして描くだけでなく、個々の人物にはそれぞれのストーリーがあり、それがフィナーレにかけて集結していくという構成で、ちゃんとドラマとして成立しています。主要キャストのリリックはややボリューム不足かなという印象をは受けますが、作品全体としてのクオリティは非常に高いものであったとあらためて実感しました。実はね、この作品にけっこう愛着がわいてきているんですよ。しょうこちゃんが出てるからだけではないよ。このミュージカルはやっぱりコーラスが素晴らしい。歌の力ってのは大きいよね。私のお気に入りのナンバーは鬼軍曹の歌ですかな。ここ数日、口ずさんでいるのはもっぱらこれだなあ。「♪恐ろしい軍曹。仕事は戦争」。おっ、韻を踏んでる。

1回目終了。オリジナルグッズは昨年と同じTシャツ。しょうこちゃんのイラストが入っています。私はTシャツは着ないので買いませんが、売れ行きは好調のようです。今年は新しいデザインのがあるね。あとで見せますよ。あっ、肝心のしょうこちゃんですけどね。舞台では昨年同様に歌唱、演技ともに完璧ですよ。少女役もまったく違和感なし。2年目でもあり、だいぶ余裕があるのかなという感じでした。とにかく、歌がすげえ。しょうこちゃんの歌は聴き慣れている私なんですが、フィナーレあたりにかけては涙が止まりませんでしたわ。周りもみんなズルズルやってるから、そんなに恥ずかしくはないよ。

2回目の時間まで、今夜宿泊のホテルで待機。劇場の近くの昨年と同じホテルにしました。北千住にはホテルがここしかないってのもありますが、あるわけがありましてね。。。もしかしたら、ラッキーなことがあるかもしれないから。女性なら、大浴場でバッタリってこともあるかもよ。

丸井のデパ地下で飯上げ完了。調達した弁当。あとでメーメーブログを見て知ったのですが、しょうこちゃんは牛丼でしたか。そういえば、うまそうなのが売ってたなあ。ついつい「100円びき」のシールにつられてしまったんだ。同じものが食べたかったなあ。なんでも同じにしたいってのがファン心理なんだよ。

開演5分前に会場入り。ホテルが近くだととても便利です。2回目はSS席3列目センター。ドリームの関係で観劇される方が多くいらっしゃるようで、ご両親様は今日は昼夜ともいらっしゃいました。明日の千秋楽もそうでしょうね。

オリジナルグッズのTシャツ。前は学徒隊が持つポシェットのデザイン。画像はぐんま提供。

背中にしょうこちゃんデザインのシーサーをプリント。しょうこちゃんには珍しくちゃんとシーサーに見えるところがポイントです。

新イラストです。門柱の上に乗るシーサーですね。持っているのはたぶんユリだと思うのですが。

夜公演終了。しょうこちゃんへのお花はたくさん出ていました。一部をお見せします。共演したのは昨年のミュージカルとライブ。昨年もありましたし、けっこう律儀な人なんだね。好感度アップだわ。

出待ちの光景。出待ちというか、ホテルにお戻りになるのを待っています。これからお休みになるところで失礼ですので、声は掛けないということしました。大きなホテルではないので、しょうこちゃんはお顔がわからないようにけっこう厳重なお姿でした。うちらはもう遠目でもすぐにわかりますが。

7月19日(火)

スノウの朝めし。13時から開演ですが、昼食は食べないので朝食はてんこ盛りで。

本日、千秋楽です。しょうゆび見参。(ここには私は写っておりませんが)ファンの方ならコンサート会場などで見たことある面々だと思います。噛みつきませんから、お気軽に声を掛けてください。今日は中段のS席のドリーム席に座りました。

拝田先生にいただきました。しょうこちゃんが出演記念に配ってるものですかな。

中身はミニライト付きキーホルダー。これはバッグに缶バッジと一緒に付けることにしよう。

これは散華した少女たちがたくさんのホタルとなって天に昇るシーンだったかな。最初のほうで少女が死んでしまったときにホタルが出てきたけど、ここに繋がっていくんだね。いいシーンだった。

終了。コールでのタイミングが合わず今回はスタオベはなしでした。コール1回目では「小鳥の歌」リプリーズのパフォーマンスがあるから、2回目のコールでスタオベという手順なんですが、ここで客席へプレゼントの投げ入れがあるのがわかってるので最前列が遠慮して立てないんです。劇団は観客がスタオベしやすいようなボウを考えたほうがいいですな。

ゆき役が歌う「小鳥の歌」というナンバーがある。ゆきは主要キャストではない。どちらかと言えば、このナンバーを歌うのがメインの役である。ほかの主要キャストが歌うナンバーは短めなのに、この曲だけ1曲まるまる歌うので、全体的にみるとバランスがよくないのかな、このようなブックナンバーならば主役に歌わせるべきだろうなどと、昨年観たときに疑問に思っていた。今回のを観てようやく気付いたよ。「鳥になって家に帰りたい」と歌うこのナンバーは、ゆきだけではなく洞窟に身を潜めた少女たち全員が思い願っていることを表現しているんだ。すべての思いを、一人の少女に歌わせている。絶望感に満ちたこの場面ではコーラスよりもソロのほうが観客の心に響かせるには効果的であったのかもしれない。このミュージカルでは主役はキミであるが、ストーリーにおいては学徒隊の全員が主役である。実際に歌うのはゆき一人だけれども、すべての学徒隊の思いが込められたナンバーを用意することによって、学徒隊全員が主役であると分らせようとしているとみた。何回も観てからじゃないと分らんとは、私もまだまだだな。

フィナーレの「生きている」のコーラスは何度も見ても感動ものだ。奇跡的に生還したキミをはじめとする学徒と犠牲となってしまった級友たちによる圧巻のコーラス。ボロボロの姿の生き残った学徒とまっさらの純白の制服姿の級友たちとの対比が胸を打つ。
 ♪すべてをなくした
  声のかぎり泣いた
  生きて行くこわさに
  死にたくなった
 ♪生きてこそめぐり合い
  新しい何かが生まれる
  生きていること
  この広い世界に
  命を与えられて
  私は生きている
生還した学徒は死んでしまった少女たちから命を与えられ生かされた。キミらは生きることによってこの悲劇を伝えていく使命を託されたと読み解くことができるようなフィナーレとなっている。後ろで並んで歌っている制服の少女たちが一斉に手を広げた。ああ、鳥だ。鳥になったんだ。これでやっと家に帰れる。これがわかったとき、私はまた涙がこぼれた。

出待ちの光景。最終日は楽屋の片付けもあるから時間はかかりそうですね。私は羽田の時間があるので先に帰りました。ところで、来年の出演はどうなるのでしょうか。主役ということで、舞台に出っ放し、歌い放しで大変な役だったと思います。出演コメントでも、体力的にきついというのもありましたし、今回で「ひめゆり」はおしまいかもしれないですね。しょうこちゃんの活躍を何よりも願うファンとしては、ミュージカル女優であるからには主役というポジションにはこだわって欲しいというのはありますね。

皆さま、ありがとうございました。またお付き合いいただけましたらありがたいです。
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開幕

2016-07-14 | ミュージカル
はいだしょうこ主演のミュージカル「ひめゆり」が開幕する。

「昨年、多くの人々の心の中に存在を残した、
  たくましくも健気に生きるキミが、今年も光を放つ」(シアタークリップ)

元宝塚のエトワールはいだしょうこが圧倒的な歌唱と迫真の演技によって、生きることの意味を再び観客に訴えかける。昨年高評を得たはいだしょうこの再演により、この夏の演劇界最大の注目作ともなっており、はいだファンだけでなくすべてのミュージカルファンも決して見逃すことができない作品である。はいだしょうこの舞台を見ずしてミュージカルを語ることなんかできはしないぞ。
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「リボンの騎士」観劇

2015-12-07 | ミュージカル
これでいい? ミュージカルの内容はほかで検索してよ。

12月6日(日)

ミュージカル「リボンの騎士」千秋楽の観劇に行きました。
このクラスのミュージカルは普段なら見ることはまずないのですが、
はいだしょうこさんが出演されるので私にとっては必見の舞台なのであります。

会場は大阪城の近くのシアターブラバ!。ミュージカルや演劇専用の劇場です。
はいだしょうこさんはミュージカル「王様と私」1年目の大阪公演でここに来ています。

子どもの頃にテレビの再放送で見てたような気がします。ストーリーなんかもちろん忘却の彼方よ。
千秋楽はチケットは完売したようです。私の座席は先行予約で取った2階前列センターのなかなかの良席。
ここの2階席は舞台が見やすくていいのですが、私の目的はしょうこちゃんだけだから1階のほうが良かったかな。
だいたいミュージカルって女性客が大半なんだけど、今日は男性も多くて男女半々くらいですね。
観客のほとんどが主役のファンと思いますがどうでしょう。しょうこちゃんのファンも少しはいるのでしょうか。
開演前の客席がえらい静かです。今日の観客はマナーがいいね。ミュージカルは初めてという観客が多いのかしら。



終了。休憩10分含め2時間40分。2階席までオールスタンディングのカーテンコールとなりました。
ほぼすべての観客が出演者のファンですから、当然そうなりますわな。
主役の4人の千秋楽あいさつがありましたが、しょうこちゃんはなかったですね。


こりゃ駄目ですね。ストーリー展開が速いといえばそうなんだけどね。
この内容を2時間半にまとめるってのはもともと無理があったのではないかな。
私としては1幕フィナーレの「リボンの騎士」誕生で1本見終わったような感じがしたよ。
どこを見どころにしたいのか、さっぱりわからない。歌なの?殺陣なの?
何にしても中途半端に見えます。ボールシーンなどはもっと派手に見せるべきでしょう。
舞踏会の主役のドレスも何か地味。あれではプリンスの目は引けないよ。
歌にしても全体を通して音楽がまったく駄目だ。ミュージカルが分ってるとは思えないほどの駄目っぷり。
とくに主役とその相手役のデュエットにはそれなりの曲を用意してあげないといけないな。
このクラスのミュージカルに期待するほうが無理なんだけどね。
不満ばかりだけど、もともとタレントミュージカルのプロダクションなんだから、それはそれでいいわけよ。。
ファンが見て、「○○ちゃん、頑張ったね」「○○ちゃん、よかったよ」と思わせれば、これで成功なわけです。

私が見ても、主役は頑張ってるように見えました。舞台に出ずっぱりで難役だったでしょう。
男のサファイアと女のサファイアの演技分けは必要と感じましたが、それは演出の責任でしょうな。

魔女ヘル役しょうこちゃん。この舞台での評判が高いのはすでに知っていたので特に感想なし。
1幕の後半に3回、2幕はけっこう登場シーンがありました。歌ったのは3回でしたかな。
初めての悪役ということでしたが、いい演技だったのではないでしょうか。
私ですら声だけではしょうこちゃんとわからないくらいでしたね。
2幕冒頭の「♪命をくれてやる。娘のためなら」と歌うのがヘルのメインの曲。
しょうこちゃんには余裕で歌える簡単な曲なのでまったく問題なし。
今回はミュージカル歌手がしょうこちゃんしかいないので、圧巻の歌唱に観客は鳥肌ものだったでしょうな。

観客に全員配布の非売品ポストカード。何種類かあるそうで外ではファン同士で交換会をやってました。
グッズはプログラムのほかクリアファイルや生写真など。しょうこちゃんのはなんにもないので素通り。
プロダクションからDVDは出ますよ。ただ値段が6800円と高めです。私なら買わないですな。

出待ちは様子がわからないのと今日は群馬がいないのでしておりません。
私は群馬がいないと出待ちひとつ出来ないんだわ。

おまけ。冬用のバッグに付け替えてみたよ。普段はこんなの持ち歩けないです。
取ったり付けたり面倒だから、しょうこイベント専用バッグにする。


今日の一曲。今回のにも舞踏会シーンがあったからね。
私がいちばん好きな舞踏会シーンはロジャース&ハマースタイン「シンデレラ」のですね。
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ハイジ

2014-09-15 | ミュージカル
9月15日(月祝)
今日は予定があんねん。

すばるホール。富田林市にあります。
はいだしょうこさんは2009年4月29日にここでファミリーコンサートをやっています。

今日はこれだ。
昨年からやってるんだけど、もうみんな見に行ってくれたかな。

ラブリーで取った席。お客さんはあまり入ってなかったね。推定300。
「ハイジ」のお話はみんな知ってるね。
私の世代はフランダース、マルコ、ラスカルは必死なって見たもんだ。

終了。休憩込みで2時間ちょっと。
最後は出演者のお見送りのサービス。ゆうぞう君はしゃがんでるから写ってないね。
握手してお話しもできるんで、好きな方は並ぶといいでしょう。
次は9/21に東京西新井であります。

ほれ。
コメント (1)
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サムシング・ワンダフル

2014-08-02 | ミュージカル
ロジャース&ハマースタインの名作「王様と私」。はいだしょうこさんが熱演中です。
「王様と私」のミュージカルナンバーを紹介していきます。

「Something Wonderful」。本作で最高のナンバーですね。
チャン王妃がアンナに王様を助けてあげてと懇願するときに歌われます。

これね、何度も紹介してるけど、ベストバージョンだと思う。
原語歌詞はこうなります(ところどころに訳を書いときました)
This is a man who thinks with his heart
His heart is not always wise
This is a man who stumbles and falls
But this is a man who tries
This is a man you'll forgive and forgive どこまでも陛下を許して受け入れてあげるの
And help and protect, as long as you live 生きているかぎり、助けてお守りするわ
He will not always say
What you would have him say        
But now and then he'll say something wonderful
The thoughtless things he'll do will hurt and worry you
Then all at once he'll do somethig wonderful
He has a thousand dreams that won't come true 陛下は幾千もの見果てぬ夢をお持ちです
You know that he believes in them, 陛下はそれを信じている
and that's enough for you それだけでいいでしょ
You'll always go along いつもおそばにいてさしあげるわ
Defend him when he's wrong お立場が悪くなったときにはお守りするの
And tell him when he's strong そして前向きなお気持ちになってるときには
He is wonderful         素晴らしいと言ってあげるの
He'll always need your love  陛下にはいつも愛がいるのよ
And so he'll get your love    だから愛してさしあげるの
A man who needs your love can be wonderful 愛が必要なお方、きっと素晴らしいお方になるのよ

サムシングワンダフル、王妃とクララホムの会話、サムシングワンダフルリプリーズという流れ。
アンナに対して歌ってるけど、ここの「you」はアンナのことじゃないよ(「あなた」ではない)。
歌はチャン王妃の王様に対する気持ちを歌ってるので、「you」は総称的に使っているんだ。
まったく欠点がない王様ではないけれども、それでも王様を助け支え続ける。
王妃が献身的な姿を見せる印象に残る名シーンになっている。
「このことだけはおわかりになってない」のあとにリプリーズで歌うところで、
まったく同じではなく"She'll always go along"と変わってるのがわかるかな。
アンナに王様の支えになってもらいたい、アンナにも王様への愛を求めている。
「このこと」。チャン王妃は王様のアンナへの思いがわかってるんだね。
上の動画ではクララホムとの会話で"That also will be true"と言って
アンナの王様に対する気持ちの変化にも気づいているという内容になっている。

岩谷時子訳詞を見てみよう。

王様はいい人よ
たとえはじめにつまずいても
たゆまず努力する人
王様をあなたは許して
助けてあげてほしい
王様はいつも
気ままを言うけど
でも素敵なことも言います
王様はいつも
わがままばかり
でも素晴らしいこともあるの
いつでも夢みる人よ
あなたは信じてあげてほしい
明日をめざして進むときには
言ってほしいの 素晴らしいと
あなたの愛が 王様はほしいの
どうぞそばにいてあげて

CD化されてる東宝版と比べてみると、下線部が変更されている。
変更前はstrongをそのまま「雄雄しく」と訳していたが、あまりよろしくない。
このstrongは前の行のalong、wrongと語感を合わせるために使っている。
前後の内容から適当な意味をあてる必要があったために変えたと思われる。
少しは進化したが、一行変えたくらいでは大きく変わりはしない。
最近では「レリゴー」のようにぴったりとはまってしまう訳詞もある。
そろそろ岩谷訳詞から卒業してもいいんじゃないかね。

Something Wonderful、直訳すると「何か素晴らしいこと」になるね。
でも、wonderful=素晴らしいだし、something=素晴らしいという意味でも使うよね。
その違いはsomethingの素晴らしいは、「なんかいい」というようなニュアンスになる。
Is she somethin'?(彼女イケてない?)というようなときの使い方でよく使われる。
同じような意味合いの言葉を重ねて強調してるんだ。
だから、わざわざ訳さず「サムシング・ワンダフル」のままにしてあるんだ。


今日の1枚。"The King and I" 2000 London Cast Recording
アンナはエレイン・ページが歌っている。
「アンクルトムの小屋」のロング・バージョンが入ってる。
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