10月8日の開催以来、何度か横目でスルーしていた博物館。
時代祭りが順延になった22日やっと行くことができました。
およそ美術展というものは、撮影禁止。
よって「百聞にしかず」と画像に語らせる手法が使えないのが辛いところ。
実際に見て、この記事の正誤をあれこれ詮索してもらうのが良いかもしれません。
この展覧会は「美の世界では、天下人」と副題が付けられているように
細川家という一つの家が収集し伝えられて来た品々が、超一流の文化財であり
しかもその数たるやただ事ではなく、一点出品されるだけでも嘗ての「ミロのビーナス展」の如き
長蛇の列となり得るような作品が、何点も含まれているのです。
このような機会はそう無いと思われるので、前期、後期、共に鑑賞することに決め
前期は、前もって何の情報(みどころや解説など)も入れずに
ただ対象の前で、心に響き迫り来る感覚を味わうことにしました。
まず驚愕するのは、家宝を約600年間に渡り代々受け継いで守ってこられたこと。
初代:細川藤孝(幽斎)二代:細川忠興(三斎)と文武両道に優れた人物の、血が受け継がれてきた由縁か!
と単純に思いましたが、帰宅後資料を調べてみると案外当たっていて
欲を掻かず人との距離感に絶妙なバランス感覚を持ち
戦乱の世を巧く切り抜けてこられた両者の精神は、代々受け継がれて来た様子。
生き方の本質を見失わないことこそ、大切なのだと感じました。
さて作品ですが、もう美的水準はどれをとっても申し分ない中
僭越ながら、特にビン!と響いてくる作品の前に張り付き堪能させていただきました。
こんな贅沢ってあるでしょうか? 誰にも迷惑はかからないからヨシとしてもらいましょう~
まず目を奪われたのは
「黒糸威二枚胴具足」:頂辺に山鳥尾の頭立てを挿す。その姿の美しいこと!
頭頂部に立つ、シナルでもなくナビクでもない山鳥尾の凛としたフォルムは
武将の精神を象徴するが如くに見えました。
とても桃山時代のものとは思われないほど保存も良い。
なぜか惹きつけられたのは
「粉引茶碗 大高麗」: 元々片口として注ぎ口が付けられていた器の、口を落とし
土で埋め、茶碗に仕立てられたもの。
たっぷりとした丸みを持ち、象牙色にも似た粗目の肌に
包み込まれるような、えもいわれぬ温かさを感じました。
もう一つ挙げるなら
「南蛮芋頭水指」: 戦場にも持ち込まれたと銘の横に説明があったと記憶していますが
芋頭とはよく付けた銘だと変に納得。
何処から見ても愛着を感じるフォルム。
ふくよかな張りのある丸みが蓋をしたときに完成する。
肌の景色も味わいがあり、ふっと抱えてみたい衝動に駆られました。
作品目録に印を入れながら途中まで来ると、ビデオが流れている一角があり覗いてみました。
今回の代表作品として先程の「黒糸威二枚胴具足」と「粉引茶碗 大高麗」が映し出されているではありませんか!
心の中で、小さく“ガッツポーズ”をしてしまいました~!
「ガラシャ消息」のガラシャ直筆の筆跡には緊迫感が漂い
ガラシャ最後の様子を書き記した「霜女覚書」(そんなものが残っているなんて!)
の侍女・志も(霜)の達筆なこと。(残念ながら読み下せませんでしたが・・・)
また能面も、じっと惹き付けられ目が離せなくなる程の優れた作品が並び
実に素晴らしい保存状態。美の極みでした!
近代のものでは菱田春草の「落葉」が群を抜いて迫って来ました。
後期で「黒猫」に会うのが楽しみです。。。
といった所で、感受性が飽和状態になって会場をあとにしました。
見応えのある展覧会です。
後期は、あらゆる下調べをしてから出掛けることにしましょう。
皆様も、どうぞお見逃しなきよう~~
時代祭りが順延になった22日やっと行くことができました。
およそ美術展というものは、撮影禁止。
よって「百聞にしかず」と画像に語らせる手法が使えないのが辛いところ。
実際に見て、この記事の正誤をあれこれ詮索してもらうのが良いかもしれません。
この展覧会は「美の世界では、天下人」と副題が付けられているように
細川家という一つの家が収集し伝えられて来た品々が、超一流の文化財であり
しかもその数たるやただ事ではなく、一点出品されるだけでも嘗ての「ミロのビーナス展」の如き
長蛇の列となり得るような作品が、何点も含まれているのです。
このような機会はそう無いと思われるので、前期、後期、共に鑑賞することに決め
前期は、前もって何の情報(みどころや解説など)も入れずに
ただ対象の前で、心に響き迫り来る感覚を味わうことにしました。
まず驚愕するのは、家宝を約600年間に渡り代々受け継いで守ってこられたこと。
初代:細川藤孝(幽斎)二代:細川忠興(三斎)と文武両道に優れた人物の、血が受け継がれてきた由縁か!
と単純に思いましたが、帰宅後資料を調べてみると案外当たっていて
欲を掻かず人との距離感に絶妙なバランス感覚を持ち
戦乱の世を巧く切り抜けてこられた両者の精神は、代々受け継がれて来た様子。
生き方の本質を見失わないことこそ、大切なのだと感じました。
さて作品ですが、もう美的水準はどれをとっても申し分ない中
僭越ながら、特にビン!と響いてくる作品の前に張り付き堪能させていただきました。
こんな贅沢ってあるでしょうか? 誰にも迷惑はかからないからヨシとしてもらいましょう~
まず目を奪われたのは
「黒糸威二枚胴具足」:頂辺に山鳥尾の頭立てを挿す。その姿の美しいこと!
頭頂部に立つ、シナルでもなくナビクでもない山鳥尾の凛としたフォルムは
武将の精神を象徴するが如くに見えました。
とても桃山時代のものとは思われないほど保存も良い。
なぜか惹きつけられたのは
「粉引茶碗 大高麗」: 元々片口として注ぎ口が付けられていた器の、口を落とし
土で埋め、茶碗に仕立てられたもの。
たっぷりとした丸みを持ち、象牙色にも似た粗目の肌に
包み込まれるような、えもいわれぬ温かさを感じました。
もう一つ挙げるなら
「南蛮芋頭水指」: 戦場にも持ち込まれたと銘の横に説明があったと記憶していますが
芋頭とはよく付けた銘だと変に納得。
何処から見ても愛着を感じるフォルム。
ふくよかな張りのある丸みが蓋をしたときに完成する。
肌の景色も味わいがあり、ふっと抱えてみたい衝動に駆られました。
作品目録に印を入れながら途中まで来ると、ビデオが流れている一角があり覗いてみました。
今回の代表作品として先程の「黒糸威二枚胴具足」と「粉引茶碗 大高麗」が映し出されているではありませんか!
心の中で、小さく“ガッツポーズ”をしてしまいました~!
「ガラシャ消息」のガラシャ直筆の筆跡には緊迫感が漂い
ガラシャ最後の様子を書き記した「霜女覚書」(そんなものが残っているなんて!)
の侍女・志も(霜)の達筆なこと。(残念ながら読み下せませんでしたが・・・)
また能面も、じっと惹き付けられ目が離せなくなる程の優れた作品が並び
実に素晴らしい保存状態。美の極みでした!
近代のものでは菱田春草の「落葉」が群を抜いて迫って来ました。
後期で「黒猫」に会うのが楽しみです。。。
といった所で、感受性が飽和状態になって会場をあとにしました。
見応えのある展覧会です。
後期は、あらゆる下調べをしてから出掛けることにしましょう。
皆様も、どうぞお見逃しなきよう~~
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