これらは、お祝いを持って行くときに使うお道具です。
こんなのを見ると
「なんて仰々しい!」とか「自慢げに見せびらかして!」
と思う人が多いのではないでしょうか?
でももし、これが自宅にあって代々使っていたとしたら。。。
若い頃、母にこのお道具を使うように勧められると
ひどく反発して、その都度却下していました。
ところが年を重ねるごとに
このお道具が大変美しく、思いが籠もった物に見えてきたのです。
そして数年前、姪の結婚祝の折、初めて使ってみました。
すると、こちらも改めて姪の幸せを心から祈りたい気持ちになり
先方も「こんなにも大事に考えてもらって・・・」と感動された様子。
それ以来、夫婦で招かれた時はこのお道具を使うようになりました。
もし昔から家に無かったら、買ってまで使おうとは思いませんが
代々大切に保管して、代々人の幸せを祈るために使われて来たお道具です。
仰々しいと感じていたのは、その伝統の成り立った過程を
理解していなかったからだと、今は思っています。
使ってこそ活きるお道具、大切に、でも気軽に使わせてもらいます!
来春、甥が結婚するようです。
またこのお道具に「ひとはたらき」してもらうことにいたしましょう。
<写真説明>
「広蓋(ひろぶた)」蒔絵漆器のお盆。
「富久紗(ふくさ)」表が家紋、裏が慶長文様の綴織りの覆布。お祝の上に掛ける。
「八端(はったん)の風呂敷」中包み用の絹織物。
「家紋入り風呂敷」上包み用の白山紬製。
片木、祝儀袋、末広、熨斗は新しい物です。