「新シルクロード展―幻の都楼蘭から永遠の都西安へ」が江戸東京博物館で開催されている(2005年4月16日-7月3日の期間)。同行の息子と一緒に常設の江戸・東京に関する展示品を観ようと、両国にある同博物館にやってきて、この「新シルクロード展」のことを始めて知った。何という幸運なのだろう。当然観ることにした。同じような偶然は昨年の夏、ロンドンへ行ったときにもあった。大英図書館に、これまた同じ息子と一緒にいった折り、偶然行われていた「シルクロード展」を観る幸運に出くわしたのである。ハンガリー人で英国の探検家であったスタインが20世紀初頭に持ち帰った、数多くの貴重な文物の一部が見事に展示されていて圧倒された。そして、今回は、何とNHKの最新番組「新シルクロード」の放送と平行して開催されているこの展覧会に遭遇したのである。この展覧会のハイライトは、何といっても、新疆文物考古研究所や日本のメディアが協力して2002年に新しく発掘した、小河墓遺跡(もしくはノルディクの墓として知られている場所)の貴重な発見品だ。展示場で目撃したものは、木製人物像、木製ミイラ、木棺、それに鮮やかな朱色を使ったシルクのドレスなどなど。もしかしたら、小河墓遺跡で2002年に見つかった美人ミイラが観られるかと思ったが、さすがにそれは日本には来なかったようだ。それにしても、木棺や木製ミイラに付着したタクラマカン砂漠の砂やシルクの織物の縫い目の見事さまで、この東京の地で、しかも目の前で、見られるとは予想だにしなかったので、本当に感動した。私のシルクロードに対する思いはつのるばかりである。タクラマカン砂漠、楼蘭、そして、ロプ湖には一度行かねばならない。
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