四国遍路テクテク日記

「四国を歩いて遍路する。」にこだわって平成14年のGWから2年間、5回に分けて歩いた記録を中心に遍路に関するあれこれ。

平成16年1月4日(伊豫から讃岐・第35日目)

2005-08-24 08:58:08 | 第4回(伊予から讃岐)
1月4日(日曜日)
 (第9日目・通算第35日目・歩行距離 24.6km・歩行歩数48,694歩)

 6:00起床、目覚めは悪くない。
今日半日で今回のお遍路は終わる。
忘れ物をしないように注意して荷造りをしていると、朝食を届けてくれる。
 朝食を食べると終えると何もすることがないので、出発することにする。
 
 6:50分、民宿あずさを出発する。
外は薄明るくなってきており、今日も天気がいいようだ。

 国分寺の方へ少し戻って、ラブホテルのある交差点を右に曲がり、
五色台を目指す。

 住宅地を抜けると、遍路道は登山道になる。
九十九折りの登山道を一気に駈け登る。

 途中で後ろを振り返ると、朝靄の中に国分寺の街が眠っている。
上に行くにしたがって、だんだん陽が当たって暖かくなる。

 少し汗を掻いてきたので、雨具を脱ぐ。

 7:50分、五色台の上に出る。
ここからは左に曲がり車道を進むことにする。
20分ほど進むと、自衛隊の敷地があり、ここから右手の山道に入る。

 山道は薄暗く、下っているが、所々にある岩が濡れていて滑るので
足を取られないように注意して歩く。
ほどなく、舗装された道に出る。白峰寺が見えてきた。


第81番札所 白峰寺

 9:55分、白峰寺に着く。
境内にはいるが参拝客は数人しかいない。
お寺の人が境内を掃除している。
挨拶しながら本堂への階段を上がっていく。
汗をかいた体にお寺の冷気が気持ちよくしみ込んでくる。

大師堂のお参りも済ませてから納経所へ行く。

 納経所で、宿坊をやっているか聞くと、「最近は近くにある簡易保健センターを
紹介して泊まってもらう」という。
Mさんも簡易保健センターに泊まったのか?

 8:50分、白峰寺を出て根来寺へ向かう。
ここから根来寺までは細い山道を歩く。
ちょうど五色台の端から端まで歩くことになる。
山道には町石仏が残っており、その番号を数えながら歩いていく。

 途中で、3人連れのハイカーらしい人達を追い抜いて、快調に歩いていく。
谷に降りたり、また登ったりしているとちょっと広くなった場所があり
大きなお地蔵さんが祀られている。
これが十九丁地蔵だ。

 ここは、国分寺へ行く分岐点にもなっている。

 十九丁からは30分ほどで根来寺に着く。


第82番札所 根来寺

 9:55分、根来寺の山門に着く。
左手の林の中には牛鬼の像がある。
山門から階段を下り、再度階段を上がり本堂へ続く回廊へ入る。
この回廊の中には小さな仏像がたくさん納められている。
20センチほどの小さな仏像が回廊を埋め尽くしている。
ものすごい数だ。
その仏像が九州とか四国とか地方別に納められている。
全て寄進されたものだ。
この回廊を左手から回ると、本尊が納められているところがあり、
参道から歩いてくるとちょうど正面になる場所だ。

 大師堂は、本堂から一段下がったところにあり、参道を挟んだ反対側に
納経所がある。

 根来寺は紅葉の名所で、秋には紅葉狩りに来る人で溢れている。
山門から下ったところに植えられている紅葉が一番美しい。
大師堂や本堂から見ると紅葉の枝を上の方から見下ろすことになり、
色鮮やかさが一段ときれいに見える。

納経を終えると、横にあるベンチで休むことにした。
今日は風もなく天気もいいのでお日様に当たるとポカポカして気持ちがいい。
ベンチはちょうどお日様が当たるので、汗をかいた体が暖まりシャツが
乾いてくる。

 10:25分、のんびり休んだところで一宮寺を目指して五色台を下る。

 五色台の九十九折りの広い車道を下っていると、目の下、左の方から瀬戸内海
に高松市内から屋久島方面が見渡せる。
眼下には鬼無町の街が広がる。

 この道をドンドン下っていくと南側の斜面一面にミカンが植えられ、
その実が黄色く光っている。
降り注ぐ太陽を受け実だけではなく緑色の葉っぱ実までキラキラと
光り輝いている。きれいだ!!

 ドンドン下っていると、膝が痛くなってくる。
広い車道から別れ、鬼無へ続く細い農道を下っていくと見覚えのあるミカン畑に
出る。
この畑で農作業をしていたお婆さんからミカンを頂いたことがある。
でも、この畑にあるミカンの木には実が一個もない。
すでに収穫されている。

 11:30分、下り坂の道を歩いていたので膝が痛くなってきた。
一休みする。

 高松西高校の下にある溜池のところだが、溜池はすっかり枯れて
茶色の地肌を無惨にさらしている。
正面から浴びる日差しが強い。
暑いのでフリースも脱いでしまった。
おまけにシャツの腕をまくってしまう。
肌に当たる風が暖かく、いい気持ちで太陽を浴びる。
日光浴には最高の天気だ!

 ここからは盆栽通りと書かれた道を下る。
道の両側には盆栽の鉢植えやいろいろな木を養生している畑がある。
○○植木店などと書かれた看板があちらこちらにある。

 坂道を一番下ったところに国道との交差点がある。
この交差点を渡ろうとしていると、横に停車している原チャリのお婆さんが
声を掛けてくる。
「コーヒーでも飲んで!」といって3百円をお接待してくれる。
お礼を言うと、「気持ちだけね!」といって原チャリで走り去る。

 ここからは鬼無の住宅地の中に続く細い道を歩く。

 香東川の堤防に上がると川の中に道が続いている。
川幅は広いのだが、水が流れている幅は、ほんの10メートルもないくらいだ。
その川にコンクリート製の小さな橋が架かっているが、潜水橋になっている。
橋には手すりもなく、車が1台通るのがやっとといった幅しかない。
この橋を歩いていると、向こうから車がやってくる。
橋の一番ヘリに立ち車をやり過ごす。
でも、生活道路としてこの橋を渡る人も多いのだろう。
そうでないとこの橋が残っているわけがない。

 堤防を越えて市街地に入ったところで喫茶店を見つける。
TOCHIという喫茶店に入り、先ほど頂いたお金でコーヒーを飲むことにした。
昨日に引き続き喫茶店に入ってしまう。
時間的には昼食の時間だが、先ほどの休憩でクッキーとか食べているので
お腹は空いていない。
なにより昼食はうどんを食べることにしてる。
この喫茶店で30分くらい休んだ。

 13:00分、そろそろ先を急がねばといった感じで喫茶店を後にした。
ここからは、以前、道に迷ってしまったように、複雑に曲がりくねった
遍路道となる。

 一宮町と書かれた住居表示板を見つける。
そろそろ一宮寺が近いようだが、細い路地や水路の脇道をウネウネと曲がり、
ようやく一宮寺に着く。


第83番札所 一宮寺

 13:40分、一宮寺の裏手にある駐車場に来ているので、正面に回り山門から
境内に入る。
 正面にある小さな本堂でお参りをしてから右手にある大師堂へ行く。

 大師堂の中には売店もあり、売店のお婆さん達が世間話に夢中になっている。
その横で、お経を唱える。
これが、今回、最後のお経となるので心を込めて唱える。

これで、今回のお遍路は無事に終えたこととになる。

 納経所で高松市内に行く方法を聞くと、納経所のお婆さんが琴電で行くのが
一番便利だと教えてくれる。
バスだと1時間に1本程度しかないが電車だと数本はあるという。
琴電の乗り場は歩いて10分ほどだという。

 お礼を言ってから、いわれた方へ歩いていくと、10分ほどで一宮という
小さな駅にぶつかった。
この駅から琴電の電車に揺られながら高松市内へ向かう。

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  この日の夜は高松市内に泊まった。
 栗林公園のすぐ近くにある旅館だったので、栗林公園を見てみた。
 よく手入れされた公園だった。
 あちらこちらにある松が綺麗な公園だった。

  

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