090909

daily mikissimo

銭売り賽蔵

2024-06-17 21:36:48 | 
『銭売り賽蔵』 山本一力 読了

~金貨や銀貨を、町民の間で使われる文銭に両替する銭売り。
深川でまっとうに商売をする賽蔵たちに対抗して、
亀戸にあらたに銭座が開かれることになった。
権力を盾にあらゆる手を使い、深川に食い込もうとする亀戸…。
真摯に得意先に向き合う賽蔵、そしてその気概に応える
大店の主人や仲間たち。商売とは、人と人のつながりとは、
思いやりの心とは…、しみじみと現代人に問いかける時代長編。~

久々の一力さん作品
時代ものは基本読まないのに一力さん作品だけはすーっと入ってくる

時代が進んで色んなことが自動化やAI化されたとしても
最後はやっぱり人と人のかかわりだと思わせてくれる
目に見えない心意気とか思いやりといったものさえ
見える気がするほど
今の時代に絶対的に足りていない要素が確かにそこに

「身寄りやらカネやらを失う怖さを持たない者が、
高いこころざしを支えに生きることの強さを、
この歳になって見た思いです」ってセリフに
どれだけ勇気づけられたことか
そしたら、その一文が解説にも載っていて
私だけじゃないんだって

また一つ、心の栄養補給が出来ました
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機長からアナウンス

2024-05-19 19:20:25 | 
『機長からアナウンス』 内田幹樹 読了

~旅客機機長と言えば、誰もが憧れる職業だが、
華やかなスチュワーデスとは違い、彼らの素顔は
ほとんど明かされない。ならばと元機長の作家が、
とっておきの話を披露してくれました。
スチュワーデスとの気になる関係、離着陸が難しい空港、
UFOに遭遇した体験、ジェットコースターに乗っても
全く怖くないこと、さらに健康診断や給料の話まで――
本音で語った、楽しいエピソード集。~

スチュワーデスと言っている時点で結構な年代物
それでも航空業界の裏話的な部分は変わらないだろうから
乗り物好きとしてはそれなりに楽しかったわ

どこの業界もAIだの自動化だの言ってるけど
その深層部分に精通する人が減っていくことに
大いに危機感を感じてしまう
今の自分が働く職場もそうだけど
新入社員は意義や過程もろくに教えてもらえず
「この時にこのボタンを押す」みたいな理解の仕方で
じゃあそのボタンが壊れたらどうするんだ?って
万が一のために時間を費やせないってことだろうか

それにしても大変な仕事ね、機長って

2024.4.25
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BUTTER

2024-05-19 18:27:16 | 
『BUTTER』 柚木麻子 読了

~男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された
梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。
週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに
梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを
嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。
その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、
里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも
変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。~

読み始めはただバターを食べたくなったけど
だんだん重くしんどくなってきて
読み終えるのに体力・気力が必要だった
わかるようなわからないような

ぬるっとしたものにからめとられるような
なんとも不気味な感覚

2024.4.2
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いのちの停車場

2024-01-14 17:18:01 | 
20240110
『いのちの停車場』 南杏子 読了

~東京の救命救急センターで働いていた、六十二歳の
医師・咲和子は、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で
訪問診療医になる。命を送る現場は戸惑う事ばかりだが、
老老介護、四肢麻痺のIT社長、小児癌の少女……
様々な涙や喜びを通して在宅医療を学んでいく。
一方、家庭では、脳卒中後疼痛に苦しむ父親から
積極的安楽死を強く望まれ……。~

生き方は選べるけど死に方は選べない
生きることと死ぬことはつながっているのに
尊厳死は悪なのか

いのちという難しいテーマではあるけれど
物語の核となっているのは
人の優しさとか暖かさ それに弱さと強さ

映画化されているのね
身近な大切な人と観てみたいと思えた作品
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シューメーカーの足音

2024-01-14 16:00:41 | 
20231124
『シューメーカーの足音』 本城雅人 読了

~独特の色気を湛えた商品で人気を博し、ロンドンに
店を構える靴職人・斎藤良一。強引に事業拡大を進める
彼の元に、不気味な修理依頼が舞い込む。それは
幽霊の靴なのか?十三年前の父の死に不審を抱く若き
靴職人の知略が、斎藤のどす黒い野心の前に立ちはだかる。
人間の深淵を描く異色ダークミステリー!~

靴の世界の知らない部分はなるほどとおもしろく読めたけど
ミステリーとしてはどうにもこうにも
なさそうでない展開
前回読んだ彼の作品が面白かっただけに残念
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