直江実樹 naoe-miki / Radio Perfomer 's Blog

短波ラジオ奏者直江実樹のライブスケジュール活動報告等のブログ

tour de drag-city → 2005/09/24 「前衛行為音楽祭」

2005-09-26 17:21:23 | Weblog
9/24
→5:30→起床:前日が会社の飲み会だったので、準備は朝から。新たな音の仕込みは結局、連日の残業でアウト。途中から出席のこの前まで同じプロダクト居たOくんと話す。倍音好きの彼は、ドラムンベースDJだったらしい。フォテックとかμ-ziqとかの話から、ヤングディサイプルズなど懐かしい話。

→7:40→なんだかんだこんな時間、家を出る。

→9:05発の上越新幹線に乗り込む。高速バスより快適。

→CDは結局ずっと、アリアップのソロを聴き続ける

→10:55燕三条着→刈さんと合流、車で高速を一路富山へ、、、。間違えて関越に入り、長岡で降りて柏崎から再び。BGはジョンフォックスやらボウイやらスティーヴミラーバンドやら。

→富山のseedmouth氏宅着は15:00だったか、16:00だったか。

→短波オーケストラリハは音チェックのみで、食事。白えびラーメンの店が休みで、20年近くぶりに8番ラーメンへ。鶏からセットで味噌ラーメン。ポテトが付く。へえ。

→酒を買い込み呑み。ちょいと前にseedmouth氏と話しを聞いていたガリノイズレアトラックスを聴く、確かに知らない音源。特にアピアで収録されたバンドピノキオ加入以前の弾き語り7インチシングルは貴重。更にアピアメイト浦邉さんプロデュース作、これまた2曲は知らない曲。他も別ヴァージョン。seedmouthさんが「水門」を気に入ってた、ダブの匂いも少し感じるニューウェイヴロックなレゲエトラック、一時はこれとトリップホップxドラムンベースの「山月記」、これまたニューウェイヴ的な「秘密のエレベーター」と三曲生ミックスライヴもやったなあ。今ならカオスで更にダブとして演奏できるなあ。未発表のダブリミックストラックもあるし、これは刈さんも未聴、DATに眠っている。

→更に前衛行為音楽祭に大友さんが出演した時のseedmouth氏自宅スタジオでの二人によるセッション。うわ、夢のテープ。

→meltbananaの年賀状で盛り上がる。もう彼女らが前衛行為音楽祭に出演して10年近くになるそうだ。meltbananaは2枚目ぐらいの「CHARLIE」を聴きまくってて、今年、レッドクレイオラのライヴで初めて見た。ゴッドコにも近いが、バナナ節みたいのがあって、かなり好き。高速ジャンクビート。

→2度酒を買い込むが翌日、ラジオの為、夜12時には就寝

9/25
→8:30ぐらいに起床:何よりの富山での楽しみはseedmouth氏母上様のご飯。これが美味い、ご飯がたまらない。

→昼、富山のコミュニティFMにガリノイズ出演の為、10時過ぎには出発。髪がボサボサ、そういえば帽子も財布と一緒に失くした。涼しいので、赤Tにジャケを衣装として。刈さんはゼイマイビージャイアンツのTシャツ。11時打ち合わせ、富山駅前のマリエという駅ビル、6Fに行くと吹き抜けのところがサテライトスタジオで公開生。てっきり、普通のスタジオだと思っていたので驚く。宣材写真がZEPPにリターントゥザソースに行った時の写真、出来上がった私と、クラフトワークTシャツで叫ぶ刈さん。まあ、ライヴ感はあります。

→昼間の吹き抜け空間では以前から短波を鳴らしてみたかったけども、まあ、営業妨害は怖いんで、マイクにカオスからヘッドフォン出しのスピーカー近づけてと思ったら、スピーカーの音が小さすぎて、結局ラインで。

→2時間ほど時間が空いたので、seedmouth氏御用達の台湾たこ焼きへ。つまり呑む。

→14:05分から富山シティエフエム「BON BON CAFE in マリエとやま」(http://www.city-fm.co.jp/bonboncafemarier.html )出演、インタヴューを合間に2曲演奏。普段私はMCやらないし、場所も新鮮でかなり楽しかった。seedmouth氏も登場し、夜のライヴの宣伝。バックではseedmouthの「タイタニック」がかかっていた。

→北日本新聞の告知記事をチーフディレクターの小原さんが持ってきてくれて読む。普通の地方版に「シュトックハウゼン」と書かれているのが楽しい。小原さんとseedmouthさんは知り合いというか、seedmouthさんはある意味富山の顔なのだなあ。このFMには「SpaceArtFestival」という番組もある、SAKKAKUやARVE関連とも繋がる、いやあ、世間は狭い、それが面白い。

→たえさん、小原さん、MC島田さんはまだまだ長丁場の生が続く。どうも有難うございました。

→seedmouth氏は前衛行為音楽祭会場のライヴハウスArtist'sへ。

→15:10:私と刈さんは今夜のメインアクト、Astroさんの出迎えで富山駅へ。

→Astroはこれまた伝説のノイズバンドC.C.C.C.のメンバー長谷川さんのソロユニット、前日岐阜、明日は名古屋と三連休ツアー。昨年ソロで出演のインキャパシタンツのコサカイさんもC.C.C.C.のメンバー。

→スタッフの人が高速バスで向っていて遅れてるとのこと。Artist'sへ。長谷川さんは1回目の出演で約10年ぶりの富山。

→Artist's到着。マスターは相変わらずのブルージーな出で立ちにして、気さくな富山弁。のんびりしてたら、すぐリハでセッティングにもたつくがわりと念入りに出来た。

→今回は
モザイクフリー(http://www.yamato-nadeshiko.com/MOSAIC/)
渋谷政実(http://cat.zero.ad.jp/%7Ezam46169/)
seedmouth(http://h-tane.hp.infoseek.co.jp/)
チクロンBゾンビーズ(seed氏のバンド)
ガリノイズ
大谷コンクリート(http://www.ne.jp/asahi/chika/on/otani.htm)
Astro(http://www2.odn.ne.jp/astro/)
という順番の布陣。

19:30→前衛行為音楽祭スタート

1.モザイクフリー
メンバー不在者1名、体調不良2名で、何とリーダーでベース+ヴォーカルのカキチさんとサンプラーのマッチさんの2人編成。ブリーフにプチプチを纏ってのステージ。カキチさんはこういうの好きなんだなあ。全員がヴォーカルを取るパノラミックワールドを二人で対応、ステージ狭しと動きまわり、ピアノも入れたりして、スカムパンク感いつもの2倍増し。地下的です。こういう時の疾走はわりとモザイクのカラーなのだなあ、と感嘆。

2.渋谷政実
長野の教師にして漫画書きにしてテクノ道一筋の彼のライヴは、なんと山梨以来、まる8年ぶり。VAIOの小さいPCに、ローランドのニューサンプラーはわりとDJ的なスタイルに見えたのは、横ノリ感強めだからか?前を向いているのは確か。最後はカヴァーでヴォーカルも披露。演奏チックな彼も観たいと思う。
あと、新妻に会えなかったのが残念。

3.seedmouth~チクロンBゾンビーズ~短波オーケストラ
seedmouthのその場で音源を浮遊していくスタイルはいつも圧巻。だんだん、緊張と酔いが増す。今回、チクロンBゾンビーズも二人編成。現メンバーのみ。テルミン待ちで、短波スタンバイ。
短波オーケストラ開始と思ったら音出ない。あれ、と思ったら、マスター、私のチャンネル忘れてる。
で、つかの間、短波オーケストラ3分もやったろうか?

4.ガリノイズ
「地球空洞説」「淡水魚」「車輪の音」「砂の刃」、4曲。しかも「砂の刃」以外、3曲は弾き語り。「地球空洞説」はやる予定では無かったが、8月のリハで急遽差し替え、今回、私のリクエストたる「車輪の音」も8月のリハで打ち込みではなく、ギター1本に変更。今回はその間合いがいいと、以前からこの形でライヴをやりたかったので嬉しいセット。
私は2曲目から参加。「淡水魚」は以前からこの形でやって来たサンプラーをエフェクトにして、2回ミキサーを通すハウリング音によるダウナー「水中陽だまり」音。ゆったりした間合いで唄うスロースタイル、それでも最後のタイトルを叫ぶキメはロックのリズムのうねりを差し出す。屈光する音と言葉を滲ませていく。とはいえ、ここで登場という時にも今回は、音が出ない。またPAミキサーが上がっていない。まあ、1回引っ込んだからな。
「車輪の音」は悩んだが結局、打ち込みの時と同じ、短波ノイズをフランジャーで。サビで少しづつ駆け上がっていくような感覚にはまるで車輪のようなフランジャーがストレートでわかりやすい。
ラストの「砂の刃」はトランス的ハードテクノなので、中間のインスト部分をガッツリリバーヴ。短波は大暴れというのを後半に、サンプリングノイズを重ねて。丁度、昼に演奏した「左翼バー」の後半部が予告編という感じ。「左翼バー」はノスタルジックな楽曲のイメージを壊さないようにいつもは控えめに短波を入れるのですが、昼のラジオ1曲で短波を判ってもらうのは難しいので、少しハード目な終わり方にした。今年3月の中野Plan-Bでの溶鉱炉では一昨年に作ったダブポエトリートラックで固めて演奏したが、今の刈さんと私のメンタリティはこの選曲に現れている気もした。

5.大谷コンクリート
もう、とにかく圧巻。富山の重鎮である大谷さんのハードなバンドスタイル。もう、CBGBとニッティングファクトリーが同居したような、パンクにしてジャズにしてハードロックといえるバンドサウンドの音のしっかりガッチリとした骨太い演奏に不思議な言葉の世界のインパクトを、とにかくノンストップに疾走、轟音。やられました。リハほとんど無しでこれ。思わずバンドで東京ライヴは可能でしょうか?と即聞き。

6.Astro
リハの時から、アナログシンセ大解放な音圧に嬉しく思っていましたが、とにかくグルーヴ感がある。
マゾンナの宇宙音CDがリズム無しにスペイスメン3のサイケなビートを提供しているような。いや、この例えは陳腐だなあ。seedmouth氏がミニマルなノイズを耳心地好く壁を塗りこめるように解放して音世界を形成していくのに対して、ミニマルに成り得ない波そのもの様なものがつんのめる様にして、不連続な音を染み込ませるのではなく体をストレートに反応させる、ダンスそのものみたいな音。CD即買いでした。

→割と撤収が早く、いつも通り自分が最後。大谷さん、モザイクの面々はもう帰途に。
seedmouth邸で打ち上げ。私はすぐ記憶無く、気づいたら、朝。渋谷くんは2時には撤収。私は1時過ぎに自分で床を敷き寝たそうです。
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ガリノイズクロニクル-断片1.砂の刃

2005-09-22 01:09:07 | Weblog
垣間見える逆説的なポジティヴィティ。
いつもどこか地面を捉えているような刈氏の言葉の浮遊するビートの有り様の変節。
5年前、「地球空洞説」という、抜けから、活動をリスタートした言葉をポエトリーで乖離しつつ、ビートのうねりを垂直に降下させて、時を隔てて産まれた縦糸と横糸の双子。
もちろん、もう一人のガリノイズである私もそれを享受する、「砂の刃」と「左翼バー」。
面白いのは前者は今年になってアコースティックヴァージョンが出来たテクノチューンで、後者が昨年ファンク的な打ち込みサウンドの別ヴァージョンが生まれた弾き語りフォークナンバーだということ。

「砂の刃」には、もう一つのヴァージョンが存在する。

それは「in the storm」というヴァージョン。(刈氏の日記には「サンドストーム」とありましたが正しくはこう、確かに砂嵐はイメージにありました。)
これは、電脳とのガリノイズ作品のレコーディングの際、私が、「砂の刃」の展開部と呼べるハードなリズムトラックを本人に抜き出してもらい、声を入れてもらい、MTRに収録。ポップグループマナーとして、逆回転、カオスパッドのかなりハードなエフェクト処理を、短波ラジオを演奏しながら、同時に一発録りしたもの。

それが、2年の時を経て、電脳ショックボーイズのCD作品で、terra D/A mixで更に深化したのが、「砂の刃 in the storm TRIBAL mix」。もう、竜巻の砂塵の中で、踊り狂っているとしかいえないほどに、肉体的かつ、エクスペリメンタル。

そこに幻影のように響き渡る刈氏の声。

連環する刃。



24日は富山でガリノイズライヴ二本立。

昼は富山のコミュニティFMで、

そして、夜は本番たる、「前衛行為音楽祭」!

昨年は電脳で、今年はガリノイズで。

出演は、主催のseedmouth、astro、大谷コンクリート、モザイクフリー、渋谷政実、チクロンBゾンビーズ、そして、ガリノイズ。

今回、私はseedmouth氏と短波オーケストラもやる予定。富山を拠点にノイズを世界へと放烈する氏と真っ向勝負です。
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パッチギ

2005-09-12 22:26:06 | Weblog
一昨日やっと観ました。
私は「GO」も「月はどっちに出ている」も好きですが、全然レヴェルが違った。
この作品にはちゃんと生活観がある。ドキュメントの有り方が違う。関西というのが大きい。
ディテールのこだわりが呼吸になっている。
「GO」は自分が大昔考えてたプロットに近かったのもあって、思い入れが少しあった。
ただ、バランスが良すぎた。

井筒監督は群像劇に長けた人なので、それだけでも楽しめるが、イムジン河の導入とか無理が無く、とって付けたようになってなくてホッとした。まあ、音楽監督、加藤和彦本人だし。
主役の子たちの顔が可愛過ぎるのがちょっと何ですが、とにかく、暴力シーンが上手い。ドロップキックについつい笑う。大友康平と松澤一之のシーンとかね。
脇の配置が好きです、途中、不幸に見舞われる男の子なんて、井筒の好きないい顔した脇顔だよなあ。
「犬死にせしもの」の堀広一、「二代目はクリスチャン」の松本竜介(すけの字あってるかな)、「東方見聞録」の徳井優、といった辺りの面白味を感じる。
大フューチャーなのが、光石研。80年代から日本映画で活躍するバイプレーヤー。内藤剛志、室井滋、故趙方豪、加藤善博、斉藤洋介、山田辰夫、尾身としのり、永島暎子、神戸浩、有薗芳記とか何だかその辺りの人々と連なるような。

家屋の貧乏臭さも凄い、あんな家あったよなあ。私の実家では朝鮮学校とかあったかどうかは定かではないのだけれど、実際、よく遊んだ友人の母親は北に居るとか、あったし。町のほうであった分だけ、わりと街の作りでの貧富差とか階層とか如実だったりして、路地探検とかしてるといろいろあった。実は身近なことではあった。今にして思うと。その辺の染み込ませ方が実に上手いのだけれど、今なのか、これがという時節の遅さも歯痒い。小栗康平の「潤の町」からもう何年?大島の「ユンポギの日記」からは?80年代の映画にはそんな芽いくらもあったのに。
井筒がわざわざ撮ったのはそんな歯痒さの表出のような気がします。それだけ素晴らしい作品。

真木よう子がいいね、坂井真紀と広田玲於奈を足した感じ。
主役の男の子はマイミクyatiくんの背を伸ばした感じです。
オダギリジョーの変身ぶりに笑う。笹野高史の葬式の台詞も泣ける。

戦争を知る世代が大人だった68年という設定も絶妙です。今も見えるし、戦時下も見える、昭和。
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