直江実樹 naoe-miki / Radio Perfomer 's Blog

短波ラジオ奏者直江実樹のライブスケジュール活動報告等のブログ

2007/02/06 新大久保Earthdom 謹成祝花 Live

2007-02-19 12:23:22 | Weblog
「謹成祝花 solo」から「謹成祝花」にアーティスト名義が変わっていた。
昨年、彼女のパフォーマンスを観るのは昨年7月以来、その間、フランス大使館だの、プラハだのと八面六臂というか、ようやく正当に評価され始めた、、。
いや、HPを見るに昨年の彼女のパフォーマンスの回数は凄まじい。
46回。
週1日に近い、ハードな関西ツアーがあったとはいえ。

場所は大久保Earthdom。穴奴隷の復活Liveがあってから注目しているというか、ノイズ、ハードコアの大物から今のクラブサウンドと繋がる興味深いアーティストが出演している。
前日もWorld Tasteのメンバーのソロ、dbqpさん辺りが出演していた。
思えば、ペンギンハウス、無力無善寺、20000V、ShowBoatと高円寺でしか彼女のライヴアクトを観ていなかった。

HHcymbal,Effector,SleighBells,Vocal,Vibration,Dance

クレジットにはこうある。
1昨年に、ハイハットを駆使するようになってから、少しづつ構築されていったステージの形。
(出来れば、Micともクレジットして欲しい気もします。何せ、Micが彼女の肉体から創出するVibrationを増幅、閃光させるのであるから。)
ステージ中央にハイハットとエフェクター、両サイドにコンデンサーマイクを俯瞰させるように配置。
粛粛とステージ右から現れる、以前よりはタイトではない、スカート、デコレートのある胸元を見るに黒尽くめであったフラットな印象から、そのシルエットをより広げている分、強靭さを感じた。
で、それは、正に変化とともに中央に佇んだ瞬間に明確になる。

声。

以前から、もっと、声を、と思っていた、少女性のドグマを湛えた様な、おぼろげなる言の葉をあるイメージを浮遊させるのであれば、もっと明確に強くと。
彼女は明晰で骨格を持った言葉をほぼエフェクトの無い状態で、上梓する。絵に描いたような感覚は皆無な状態で、謹成祝花がそこにある。

惜しむらくは、Earthdomの音響空間と彼女の前半のパフォーマンスの音の質感が合わなかったことだ。
彼女の前のバンドから観たのだが、多分にフラット、地の音では、空間の音響空間を利用することが難しいハコだった。
(過剰にハードコアだったり、ノイズだったりするAVANTなアーティストがこぞってブッキングされる理由かもしれないが)

前半の声とハイハットを中心としたアクトに、初めて彼女を観る人は、ヴォイスパフォーマーが肉体的パフォーマンスを取り入れていると思ったのでは?
と考えてしまった。アウェイのハコかも知れない。
インプロヴィゼイションの常として序盤は緩やかになるのは致し方ないのかもしれない。

確固たる声の事象を寸断するハイハットの軋む擦過音、その二つの音塊が、フランジャーされ、Aquaリヴァーブを身に纏いつつ、マイクのハウリングを伴って、折り重なり、螺旋の帯をビロードさせながら、空間のシフトする。

徐々にダンスパートへと移行して行き、音の視覚をパノラマさせていく。

スレンダーな肉体の湾曲にスライドし絡みつくマイクと白亜のコードは、瞬時に叩きつけられ、屹立する残像と残響。
両腕をかざす、舞う、両の腕に巻きつけられたSleighBellsが微叫する。

後ろ向きに体をくねらせ、常設のドラムセットににじり寄る、スカートの柔らかな衣のしなりが、尻を軸として、次のアクションを観る側にも誘発する。
ダンスはよりハードにステージ全体を使った動きへと、両脇のマイクへ、差し出すように、うねる声。(何故か、声が上手く拾えてなかった、単純にPAのミスか?)
マイクとハイハットはエフェクトをハードに爆発させ、ノイズを放列させ、放烈させ、放裂させ、ダンスのヴァイブレーションとモンタージュを、時に刻まれるステップの如く、瞬時に繰り返し、ビートを木霊させる。
彼女の肉体の上気が、こちらにも連鎖し、何時の間、ステップを踏み始める。パンク的な狂喜の高揚に身を委ねられる。

ダンスミュージック。

それにしても、シンプルなDelay効果の何と強力なことか!
ノイズ音、ひとつひとつを刻みつけ、dotを空間に点在させ、彼女自身の舞は少しづつ、ベタな素足で離陸し、舞う・呼吸・鼓動・マイク・マイクコード・ハイハット・ノイズ・全てを吸収する空間を、過剰な波動を体感させてくれる。
後半の20分は圧巻、彼女の展開させ、惹きつける術の、パフォーマンス能力の高さを認識させられた。

観終わって、夢想する、シルエットをもエフェクトするような、空間で観たいなあ。
SuperDeluxでもPlanBでもNYKホールでもいい、彼女のHPにあるような真っ白なスクリーンをバックに地明かりと照明効果を縦横無尽に見せ付けてくれる場所でも観たい。

また、違う場所で、今度は近い内に、観に行きます。
何より元気をいただける。

私も今後、短波ラジオを増やす予定、一人短波オーケストラで微音と轟音を縦横無尽にビートさせるようになったら、その時は、また、一緒に演りたい。

http://www.shukuka.org/
コメント (3)
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