直江実樹 naoe-miki / Radio Perfomer 's Blog

短波ラジオ奏者直江実樹のライブスケジュール活動報告等のブログ

パッチギ

2005-09-12 22:26:06 | Weblog
一昨日やっと観ました。
私は「GO」も「月はどっちに出ている」も好きですが、全然レヴェルが違った。
この作品にはちゃんと生活観がある。ドキュメントの有り方が違う。関西というのが大きい。
ディテールのこだわりが呼吸になっている。
「GO」は自分が大昔考えてたプロットに近かったのもあって、思い入れが少しあった。
ただ、バランスが良すぎた。

井筒監督は群像劇に長けた人なので、それだけでも楽しめるが、イムジン河の導入とか無理が無く、とって付けたようになってなくてホッとした。まあ、音楽監督、加藤和彦本人だし。
主役の子たちの顔が可愛過ぎるのがちょっと何ですが、とにかく、暴力シーンが上手い。ドロップキックについつい笑う。大友康平と松澤一之のシーンとかね。
脇の配置が好きです、途中、不幸に見舞われる男の子なんて、井筒の好きないい顔した脇顔だよなあ。
「犬死にせしもの」の堀広一、「二代目はクリスチャン」の松本竜介(すけの字あってるかな)、「東方見聞録」の徳井優、といった辺りの面白味を感じる。
大フューチャーなのが、光石研。80年代から日本映画で活躍するバイプレーヤー。内藤剛志、室井滋、故趙方豪、加藤善博、斉藤洋介、山田辰夫、尾身としのり、永島暎子、神戸浩、有薗芳記とか何だかその辺りの人々と連なるような。

家屋の貧乏臭さも凄い、あんな家あったよなあ。私の実家では朝鮮学校とかあったかどうかは定かではないのだけれど、実際、よく遊んだ友人の母親は北に居るとか、あったし。町のほうであった分だけ、わりと街の作りでの貧富差とか階層とか如実だったりして、路地探検とかしてるといろいろあった。実は身近なことではあった。今にして思うと。その辺の染み込ませ方が実に上手いのだけれど、今なのか、これがという時節の遅さも歯痒い。小栗康平の「潤の町」からもう何年?大島の「ユンポギの日記」からは?80年代の映画にはそんな芽いくらもあったのに。
井筒がわざわざ撮ったのはそんな歯痒さの表出のような気がします。それだけ素晴らしい作品。

真木よう子がいいね、坂井真紀と広田玲於奈を足した感じ。
主役の男の子はマイミクyatiくんの背を伸ばした感じです。
オダギリジョーの変身ぶりに笑う。笹野高史の葬式の台詞も泣ける。

戦争を知る世代が大人だった68年という設定も絶妙です。今も見えるし、戦時下も見える、昭和。

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