●井越和子「新版 花屋さんの花図鑑」 主婦の友社 平成23年 3月
時おり自分の花の知識を更新しておかなくては、と、最新の図鑑に目を通します。そんなに珍しいものもないだろうと思いきや。
アスクレビアス、アルブカ、アンモビウム、イエロードラゴン、イキシオリリオン、グリーンベル、クリスマスブッシュ、コットンブッシュ、ジャスティシア、ショルツィア・ラクシフロラ、チトニア、テロペア、トーチジンジャー、バーゼリア、フィリカ、ブルニア、ブローディア、ベッセラ、ヘリコニア、ミシマサイコ、ミラ、ユーチャリス、ラペイルージア、レオノチス・レオヌルス、クルクリゴ、ゲーラックス、ビストニア、ピットスポラム、ヒムロ、ブプレウルム、プロテア・コルダータ、ミリオクラダス、リキュウソウ、ロホミルタス。
わ~かりますかあ~?
多少見当のつくのもあるけど、え~っと、なんだっけ?っていうものがこんなにたくさん…。まあ、なかでもちょっとオーストラリアのヤマモガシ科の植物が増えてますよね。
市場に出回っている鉢物の花の種類はだいたい頭に入れてると思うんだけど、切り花となると、アレンジ的により変わった形を求められるのと、栽培目的ではないので日本の気候条件に限定されず、まだまだ見たことのないものも。いやいや、なかなか斬新なものがありますねえ~。
また、同じ植物なのに鉢物とは違った呼称で流通しているものもよくあります。
花束にはよく利用されるレザーファンというシダの名前も、庭屋の方ではとんと使わないし、花屋さん用語でリモニウム(スターチス)のことを略して「チス」と呼んだりしますしね。
利用する部分が違うのも楽しい。ヒオウギといえば花しか思い浮かばないけど、切り花では実を使われるし、かわいい!このピンクの実は何?と思うと「ピンクペッパーベリー」(コショウの実)だったり。
植物って、尽きないものですね~。
●土質工学会 土のはなし編集グループ編 「土のはなし I 」技法堂出版株式会社 1979年
古い本です。でも、これがなかなかおもしろい。
土のはなしといえば、畑の土壌成分の話かと思いきやなんのなんの。農業、建築土木、気候、環境、地質学などなど、視点が多岐に渡り、しかも全部で3巻あるらしい。
土の寿命って?空飛ぶ土とは?土中の水分の実際の動きは?地下鉄を通すって?井戸のしくみとは?
…思わぬ土の性質や力学的な話、様々な技術。庭師なら興味をいだかずにはいられない土のあれこれ。久しぶりに楽しい科学読み物でした。移動中の新幹線の中でこの本の難工事であったと書かれたページを読みながら、まさにその当該の岐阜羽島の地盤の上を通過する時の感慨。うあ~。II、III巻もすぐ読みたい!!!
土のはなし I もくじ:
1. 土の重さ 2.土の強さ 3.空飛ぶ土 4.土の粒子 5.土中の温度と湿度 6.土に石灰をまぜる 7.渚の足跡 8.土の締固め 9.ピサの斜塔 10.新幹線と地盤 11.地上を走る地下鉄 12.地下鉄工事 13.高速道路と新幹線の盛土 14.地下水 15.地盤沈下と地下水 16.沖積層の厚さから地形を予想する 17. 活断層を地形から読み取る 18.地滑り 19.青函トンネル 20.モグラの穴 21.畑の畝 22. 埋め立ての方法 23.地球の砂漠化 24.ピラミッド 25. お城の石垣 26. 満濃池 27. 信玄堤 28. 輪中堤 29. 干拓堤防 30. アースダム、ロックフィルダム
●池井戸潤 「下町ロケット」 小学館 2010年
下町の中小企業が開発した最先端技術を廻って次々に襲いかかる大手からの圧力、特許争い。追い込まれる経営難、それでも技術の高さは大手にも追随を許さない。技術屋のプライドをかけて、世界最高峰のロケットエンジン技術を守り抜く。
うわ~。読んで涙がこぼれそうになるというのは、庭主にはなかなかないことですね。もう、絶体絶命の息を継がせぬアツい闘いに一気に読んでしまいました。技術屋魂、感動です。
●梨木香歩 「雪と珊瑚と」 角川書店 2012年
生まれて間もない娘を抱えて、ひとり珊瑚はどう生きてゆけばいいのかと思い悩む。そんな中で周りの人々に助けられて、森の中にすてきなカフェを開くまでの物語。
まさに、そんなカフェが開けたら、と、ガーデナーなら誰しも夢見るであろう、すてきなお話でした。現実はそんなに甘くない、でも、やっぱり夢見るよね~?
…お盆に入った所為だったか、図書館に予約しておいた本(常時10冊程度予約してマス)が一気に返却され、庭主のところへ。ひえ~。庭主も移動するのよう、こんなにたくさん2週間じゃ読めない~!しかも人気本で後にも待ってる人が…と青ざめましたが。どれもおもしろく、なんとか読了。よ~し、返しに行くぞう~。
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