どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

旅立っていった詩人たち

2017年04月06日 | 日記
なんやろか 日々 思うことの半分も進まない

確かに家事もあるし 雑用もあるけれど もっともっといろいろなことができると思っていたのに

おまけに あれをやればこれが気になり これをやればそれが気になり 一つずつなのにあちこち手を付けては宙ぶらりん

新年度 新学期も始まったことだし かなり暖かくもなってきたし そろそろちゃんとちゃんとだ


ああ それなのに・・・無料映画を見ることのできるギャオで『イル・ポスティーノ』を見た

この映画に対して一切の知識も無かったのだが 面白かったので見終わってから少し調べてみた

簡単に言うと チリの有名な詩人でもありまた共産党員でもある男が 弾圧により一時的にイタリアの小さな島で暮らすことになり 漁民として生きることを嫌う島の男が その有名人にだけ郵便物を届ける仕事につく

次第に二人は信頼しあうようになり 島の男は詩の魅力を理解するようになるが やがて詩人は祖国に帰り 再び島を訪れた時 その男は亡くなっていたと 手短に話すと身も蓋もなく もう少し説明しないとこの映画の良さは伝わらないのだけれど

郵便配達夫になる男の素朴で純なところ 島の美しさ それらを表現することばの美

もしかしたらこの詩人って 実在の人物かしら

そう思っての検索だったがまさしくその通り 映画の中の名前と同じ パブロ・ネルーダという人だった


ラテンアメリカ文学は私には馴染みが薄く ボルヘスとガルシア=マルケスくらいしか読んだことが無いと思う

余談だが 芸術家ではボテロが私の大のお気に入り 

なんとパブロ・ネルーダはノーベル賞を受賞するほどの詩人だった

チリの国民的詩人というだけでなく ガルシア=マルケスに言わせれば20世紀最高の詩人 

世界中で彼の詩は暗唱されるというのに わたしは名前さえ知らなかった


昨日 大岡信が亡くなったことを知って ああ いつのまにかそんなお年になられていたのかと

朝日新聞で連載されていた『折々のうた』で初めて知り その後 本も買った

詩歌に関しては他にも増して尚の事不調法者である私としては 羨望を通り越して 神を崇めるような気持ちで接していたことを思い出した

そんなわけで まったくの偶然なのだが 詩人とことばについてぼんやり考えてしまった

どうりで仕事が進まないわけだ

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする