よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

小麦を食べるのをやめてみよう!(1)

2016-03-07 18:13:20 | 健康・病気
ふっくらした焼きたてのパン、こしのあるうどん、アルデンテに茹でたパスタ、甘いクッキーなど・・、おいしい料理やスウィーツ材料として現代の私たちの生活に深く密着した小麦。今日はこの「小麦」の知られざる一面について考えてみます。

 小麦には、グルテンとよばれる蛋白質が含まれており、粘着性があり様々な用途に利用されています。このグルテン(主にグルテニンとグリアジン) が生体に悪影響をおこすことがわかってきました。

 グルテンを含む食事をとると遅発性アレルギー反応がおきるのが、グルテン過敏症です。さらにグルテンにより免疫系が障害され全身の炎症が生じるのがセリアック病といわれます。
 グルテン過敏症の症状は多岐にわたります。腸粘膜の破壊により、下痢、便秘、過敏性腸炎などの消化器症状や有害物質を吸収してしまう可能性があります。この有害物質が抗原となり、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を引き起こします。さらに腸管から炎症誘発性サイトカインが分泌され、脳に炎症を起こすあるいは脳の神経伝達を抑制することがわかってきました。うつ、自閉症、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症、てんかんなどさまざまな精神・神経疾患の原因の一つであることが知られるようになりました。
 それ以外にも、メタボ関連疾患(肥満、糖尿病、高血圧)、自己免疫疾患(SLE、リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎)、悪性疾患(大腸がん、前立腺がん、乳がん)などとの関連も指摘されています。
 セリアック病の罹患率は、日本人は1%未満と言われています。しかし、グルテン過敏症の正確な罹患率は不明で、7%前後あるいは軽い症状まで含めると日本人の大半が何らかの影響を受けているという研究者もいます。


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