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朝江先生

2006-10-21 23:53:33 | ・講演・セミナー・シンポ
東海大学の小沢朝江助教授のレクチャーをうかがった。
小沢先生はまことにもってキュートでチャーミングな
とってもステキな女性の先生でした。
テキパキとスピィーディーな語り口で、
笑いを誘いながらも、会場の受講者を引き込み巻き込んでいかれた。
テンポもよくリズムがあって、すごく授業がうまかった。
ポイントもしっかり押さえていて分かりやすかった。
ホワイトボードへの書き込みやプロジェクター操作のフットワークも軽かった。

和風建築-書院造と数寄屋造
空間構成やその違い、読み解くキーワードをご伝授下さった。
「今日の目標は・・三渓園に紅葉狩りに行って、
あそこのあの部分が数寄屋っぽいわねと、指を指しながら
ウンチクをたれるようになれること。」
そしたらお友達がご馳走してくれるかもしれない。」

2時間の講座ですっかり「和風いいなぁ、近世いいなぁ。」と思っちゃった。
今は東京からとても離れられそうにないけれど、もっと年齢を重ねたら、
ひっそり京都や奈良でおだやかに古建築を楽しみたくなるかもと、ふと思った。
書院造りは、はちまき巻いてひきしめる、長押をまわして打っているの、
それじゃ肩が凝っちゃうから数寄屋ではもっとくずしてる、
黒いフォーマルスーツは冠婚葬祭どちらもいける、それを着崩す。
数寄屋は細部の意匠・アクセサリーにこだわる。
格式の高い格天井じゃなくて竿縁天井、長押は打たない、欄間が凝ってるなど。
桂離宮の松琴亭の青と白の意匠は市松模様とは呼ばずに正しくは石畳模様です。
そういえば早稲田の演劇博物館でみた能装束も確かに石畳模様と記されていた。

小沢先生はどこかでお会いしたことあるような、学校の同級生だったか、
クラブの先輩だったか、あるいはタカラヅカの麗人のような、
初めてとは思えない親しみやすさがあった。カッコよくて颯爽とされていた。
ショートヘヤにイヤリングかピアスが揺れていてお似合いだった。
あの先生なら人気も高く大学の研究室の授業も楽しいにちがいない。

横浜駅に近い会場は受講者の熱気に包まれていた。
講座終了後、何人かの方がそうされたように、
私もおもわず小沢先生にかけ寄りお礼を述べて、
「再来月の江戸博の米山先生との対談を楽しみにしております。」
と、お伝えしてしまった。そして、帰ってきたセリフ・・ナイショ。

というわけで、えどはくカルチャー秋講座
語りあう東京のたてものと街並み<比較編>
12月10日(日) 米山勇先生×小沢朝江先生
 これは必見ですぅ
どんな掛け合いになるかな、 めちゃめちゃ楽しみです。 
ただいま受講申し込み受付中。

イメージを読む

2006-10-17 23:54:56 | ・講演・セミナー・シンポ
早稲田大学芸術学校 公開講座「現代作家作品論」
「イメージを読むとは何か」~美術史の立場から
講師・林 道郎氏(美術評論家 上智大学教授)
於 西早稲田キャンパス8号館308教室

学生さんに交じってたっぷり3時間の講義でしたが、内容が濃かった。
私には初めて聞く難解な部分もありましたが、とってもおもしろかったです。
イメージの読みとりの方法論のCase Studyを紹介してくださいました。
形式分析、記号学(ディノテーション明示・コノテーション暗示・インデックス痕跡)、
現象学、セザンヌからピカソ、デュシャン、ウォーホール・・
とにかく次から次へとたくさんアレコレでてきました。

まとめ
・記述的注視・比較・量=質・モナド-鏡ではなくプリズム

美術に関してはよくみなさい、たくさんみなさい。
おぼえなさい、比べなさい。どこがどう違うのか。
そして、それを言葉に落とし込んでいく。
どれだけのイメージを頭の中にストックとして持っているか。
先人の論をまとめるだけでなく・・。
鏡のような反映関係ではなく多角的に折り返していくことが大切。

最後に課題として、大友克洋の゛AKIRA゛と、浅野いにお゛ソラニン゛の
コミックスのページを見比べて、何が違うのか言葉へ落とし込んでいく
作業がありました。マンガもビジュアルなテキストです。
うーん、ちょっと考えましたがちゃんと気づきました。
答えは次回に・・・。ヒントはソラニンの表紙にも隠れています。
このコミックスには現代マンガのテクニックが典型的に出ているそうです。

曖昧な領域へのまなざし

2006-10-16 23:17:03 | ・講演・セミナー・シンポ
夕方、東京工業大学へ向かった。
「東京工業大学百年記念館」(1987篠原一男)
奇抜な前衛建築だと少し身構えていたのだが思ったよりおだやかなご対面だった。
校内敷地に入ってすぐの場所に、それはしぜんと馴染んでいた。
内部をのぞいてみると学生たちが憩っていた。
もう日が暮れていたので、写真に鮮明に残すことは出来なかったが、
やはり会えてうれしい建物だった。

東工大秋の芸術文化活動講演会
「建築空間における曖昧な領域への眼差し」
A Look at the Ambiguous Territory of Architectural Space
 講師・矢萩喜從郎氏(建築家・デザイナー)
建築空間の内とも外ともとらえがたい、それだけで語れない空間、
どちらとも意識できないような空間に眼差しが注がれる必要があるのではないか。
建築作品の具体例を挙げながら解説してくださった。
成巽閣つくし縁(金沢)にみられる内と外を仕切る境界は
やわらかな皮膜のように感じる。
「彫刻パヴィリオン」1955ヘリット・トーマス・リートフェルト 
どこまでか゛内部空間なのか外部なのか考える暇もなく次から次へと
展開していく印象を持つ。
むしろ境界をはっきりさせないことで実に豊かな建築となっている。
「セトゥーバル教員養成学校1986-93」アルヴァロ・シザ(ポルトガル)
 外側の空気が内部に入ってくる。空気の取り入れ方が実に見事。
空間の見せ方が実に巧み。豊かさ、魅力を感じさせる。
「ジョアン・デデウス幼稚園」1990アルヴァロ・シザ
 仮想境界線、見えない線があたかもあるかのように意識に響き、
空間を豊かにしている。オレンジの瓦屋根。
「アヴェイロ大学図書館」アルヴァロ・シザ  確信犯。
→曖昧というのは実はすごく重要なこと。創作者自身が感じているところ。

日本国内では・・・
★「代官山ヒルサイドテラス第1期~6期」槇文彦
長い年月をかけてひとつの都市の風景を作っていく。
空間に自在に入り込め人を通し招き入れる空間、特色ある建築群。
→隅入り(隅っこに入り口を設ける)

谷口吉生
・「ニューヨーク近代美術館」・「丸亀市猪熊津弦一郎現代美術館」
・「つくばカピオ」・「法隆寺宝物館」・「豊田市美術館」

仮想境界線は建築全体を考える手だてにおいてよいのではないか。
クリアーな図式ではない曖昧なものを拾い上げることにより
創造のヒントを得られる。


えどはくカルチャー秋★

2006-10-14 23:56:20 | ・講演・セミナー・シンポ
建築<対談>講座 語りあう東京のたてものと街並み (比較編)
米山勇先生(江戸博都市歴史研究室助教授)×陣内秀信先生(法政大学教授)


陣内先生は、パワーポイントを準備して、
ヨーロッパ都市と東京の比較論をたっぷりとお話しくださいました。
たくさんの新鮮な情報量が盛り込まれていて、とても勉強になりました。
米山先生の資料の「外国人に向けての東京の写真集」では、
1970-1980-東京の都市の変遷が映り込んでいて面白かったです。
私が体験していない切り取られた東京の顔がそこにはありました。

今回の講座を受けて、ますます建築への興味が深まりました。
建築に関することを学び楽しむこと、私のなかでずっと大事にしたい。
一生の友としたい。そんな強い想いを改めて抱きました。
これからの10年、20年、それから先も・・
研究者でいらっしゃる先生方に教えをこいながら、共に見つめていたい。
寄り添って学んで歩んでいきたい。
なんだか夢いっぱい、希望の光に照らされて、ホッとうれしくなりました。

米山先生と陣内先生お二人の建築史家×建築史家は、
まさしく自然体のイイ感じの語り合いでした。よく伝わりました。
とても濃密な時間を味あわせていただきました。
特別に講座時間を延長していただいたご配慮にも感謝です。
受講者はほとんど誰も最後まで席を立ちませんでした。
とても魅力的なすばらしい内容の講座でしたから、当然です。
どうもありがとうございました。

次回は11月4日(土)ゲスト講師・五十嵐太郎氏(建築批評家・東北大助教授)
戦前と戦後の比較です。この比較・対戦カード?は楽しみです。
日本橋の上に架かる首都高速道路をどうすべきかのお考えも伺えるかと思います。
ちなみに私は妻木頼黄設計の日本橋を舟でくぐって、
下から見上げたことがあります。日本橋川を舟遊びしたのです。
それは楽しい体験でした。
さて、その次回、ぜひ現役の学生さんにも参加して頂きたいです。
建築に対する興味の熱意では一般受講者も負けませんから。

江戸東京博物館 clickえどはくカルチャー



建築夜楽校2006

2006-10-06 23:58:08 | ・講演・セミナー・シンポ
建築文化週間2006 「21世紀の建築を探る」
第2夜「未来をつくる」講師・山本理顕氏
聞き手・五十嵐太郎氏 コーディネータ・中谷正人氏


建築家の生のトーク、レクチャーをうかがえるのはとても貴重なのです。
それが初対面ならなおさら胸が高鳴ります。どんな方かしら・・と。
悪天候の中でしたが無事に足を運べてヨカッタです。
以下、私なりに少しだけメモをまとめてみました。

山川山荘(1977)から最近のプロジェクトについてご説明くださいました。
ご自身の作風が以前と変わってきたのではないかということについては、
邑楽町役場庁舎で関わった体験が自分の中で大きかったことを話されていました。
(地域住民の参加型で一緒に話し合い、コンペで決まっていたものを
町長が新しく替わったことで白紙撤回された。既に別の人の案に決定。
ただいま訴訟問題に発展しているそうです。)
それまで住民や施主はどこか「敵」だと思っていた。今はそうじゃない。

いわゆるミースやコルビジェがやってきたようなどこに行っても
成り立つ世界共有の近代建築が今では成り立たなくなってきた。
大きな物語でなく小さな物語に対する設定が必要である。
閉じているのではなく、透過性のある開かれたシステムや社会、
ガラス張りのような透明性は活動やコミュニケーションををオープンにする。
美しい、美しさってなんだろうという問いかけも出ました。
最後は、学生諸君へ。
建築家は社会や個人に大きな影響を与える特権的な仕事、
建築界をとりまく状況は厳しいけれど、シニカルにならずに夢を持って
未来につなげていこう。建築は未来を担っているというようなお話でした。  
山本さんはものごしやわらかで静かに語って下さいました。

マイクの音量が低くて、ささやきボイスで聞き取りづらかったのがまことに残念。
建築学会・建築ホールでの講演はいっつもそうなんです。今のところ三回目。
どうしてスタッフは誰も気づかないのかしら。不思議。
あれでは眠りを誘っても仕方がない。もったいないです。
イスはミシミシ軋んでいて、その分よけいに耳障りだし。

夜楽学校は来週も行われるので参加する予定です。

国際子ども図書館

2006-09-30 23:40:53 | ・講演・セミナー・シンポ
旧帝国図書館建築100周年記念セミナー
見事にスケールアウトな建物
迫力ある全景はカメラに収まりません。

講師は、江戸東京博物館都市歴史研究室・米山勇助教授と
神戸芸術工科大学・坂本克勝比古名誉教授です。
「明治の近代建築の流れ」「上野の杜の文化的ストック」を中心に
話してくださいました。

帝国図書館誕生への歩みの中で、
建設に関わった久留正道と真水英夫が
シカゴ・コロンブス万国博覧会に出張して、 日本館(鳳凰殿風)に携わった。
フランク・ロイド・ライトがそれらの軒の深い庇や壁面いっぱいの窓をみて、
日本建築に興味をおぼえたとのこと。

前身の東京図書館には樋なっちゃんこと樋口一葉が通っていたとのこと。
「男子いと多かれど・・」日記に残っているらしい。
同じ明治24年の春頃に半井桃水と知り合って小説指導も受けていたから、
ひなっちゃんは図書館を訪れて一生懸命頑張っていたのかもしれない。


帝国図書館はアンピールスタイルの建物、その源泉は古代ローマにある。
(ナポレオンが帝位につくと古代ローマの様式を再現しようとする
傾向が強まる)ローマは英知の象徴であり先達の文化・・
古きものの偉大な文化をさらに高めて発展の象徴としてアンビールを採用・・・

その時はなんとなくわかったつもりだったけど、ここにきて???
゛栄光の帝国図書館゛と呼ばれるに至るプロセスが
うまくまとめられない
つまりは理解ができていないということ。私の理解力不足。
ここが最重要ポイント◎なのに。
ここからさらに保存のあり方、新旧の安藤さんまで辿り着かないと・・。
耳を傾けて集中しているとメモの手がとまる。持ち帰れない。
でも一度聞いただけじゃその時に内容を熟知できてないし、
ちゃんと覚えられていない。ナサケナイ。出来の悪い受講者だわ。
でも、また国際子ども図書館がテーマのときがあるだろうから、
長い目で取り組もう。

講師の先生の胸の赤いバラのようなお花リボン(ちょっと大きめ)が
はなやかでお祝いムードを演出していました。
(米山先生お似合いでした。)
→そんなことに気を留めずにちゃんともっと集中しなさいって。

レーモンドという人。

2006-09-23 23:52:43 | ・講演・セミナー・シンポ
今日は朝から横浜・石川町に向かった。
元町商店街のチャーミングセールの初日とあって、
人気のシッョプにはオープン前から既に列ができていた。
可愛いワンちゃん連れの方も多い。オシャレ感が漂う。
私はその華やかな通りを抜けて右手に曲がる。
小高い坂をのぼっていく。ふり向けばマリンタワーもみえる。
外国人墓地が目に映り、横浜地方気象台を左手にみて、
神奈川近代文学館をめざした。

二階ホールで三沢浩氏のA・レーモンドに関するレクチャーがあった。
三沢さんは、レーモンド建築設計事務所に勤務されていた。
レーモンドに関わるお話とたくさんのスライドをみせてくださった。
移築・復元される前のエリスマン邸には和風の部屋があったこと。
亡くなった女優・夏目雅子さんがレーモンド設計の家に住んでいたこと。
三沢氏はレーモンドのあることに関して、藤森先生と見解の相違があり、
論争を起こしていること。本人に手紙を書いて訴えているらしい。
レーモンドはチェコ人としてのプライドを持っていた。
日本人の住まいの哲学、自然との関わりを大事にした。
レーモンドという人物が浮き上がってくるとても興味深い内容だった。
第二次世界大戦中のアメリカの焼夷弾実験に手を貸した事に関しては、
胸が痛い、そのあたりのことを話すのはツライとおっしゃっていた。
レーモンドは私の師匠なので・・・。

アド街ック・両国第3位は・・

2006-09-09 23:50:07 | ・講演・セミナー・シンポ
今夜のTV東京出没アド街ック天国「両国」でした。
これまで一度だけ国技館に行ったことがあります。
そのころ、朝青龍はまだ幕内の下の方の番付でした。
ブルーのまわしが目立ってた、とにかくめちゃくちゃ突っ張りが激しくて、
勢いのある活きのいいお相撲さんだいうと印象でした。
今じゃ強い横綱 当然うなづけます。
ちなみにワタクシ、レアな小錦グッズ持ってます。
昔、高砂部屋の優勝パーティーにお呼ばれしたことあるのよん。
ツーショット写真も残ってる、水戸泉に会えたのカンゲキだったわ。
秋場所あす初日、白鵬がふたたび綱取り挑戦、さてどうかなぁ。

ところで、輝ける両国第3位は・・・ 
江戸博こと江戸東京博物館でした。
行ったことありますか~えどはく もちろん!? 
江戸東京の奥深さに出逢える素晴らしく楽しいアミューズメント空間です。
常設展、一歩足を踏み込めば魅惑の江戸東京の世界、建物の復元模型もいっぱい。
まず入り口の木でできてるお江戸日本橋、アレは実物大だけに迫力がありますわ。
あの橋を渡るとワクワクする、タイムスリップGO~って感じ。
それから、強化ガラス張りの床下の鹿鳴館ラブリー素敵~
♪美しき青きドナウの調べに乗って華麗な舞踏会が繰り広げられるの。
お楽しみのひとつ、黒いポストから未来の自分にお手紙を書いて出せます。
私は2010年の受け取りにしてあるの、そのころはどんな自分かな。
江戸博では、いろいろ歴史も学べて楽しい時間をたっぷりと過ごせます。
おみやげグッズもたくさんそろっています。

それにしてもジオラマの人形が一体10万円以上とはスゴーイ、ビックリ◎。
薬丸くんたちアド街メンバーの「ええっ~」て声も聞こえてたな。
人形制作費一億5千万円!? うっそぉ~
そうか、浮世絵版画を元に精巧に作られているのね。
ホントよくリアルにできてる、自分もあちらの世界にまぎれこんでる気分になる。
今度行ったら、もっともっとじっくりみよう。

さてさて、秋期えどはくカルチャーもあります。
大好き★えどカル★ 自称えどカルっ子です。
案内サイトもアップしています。クリックしてみてね。秋・えどカル
ワタクシ常連ですから、オススメまちがいなし太鼓判押せますわよ~~。
この秋も浮世絵や建築対談講座を仕掛けてくださってます。 
そうそう、文化の日に江戸歴史検定もあるんですよね。
チャレンジチャレンジ、みなさん熱心に学習を積み重ねられています。
10月1日★東京都民の日江戸博常設展(600円)は無料になるからチャンス。
     行かなくっちゃ、えどはく。


実りの秋にしたい

2006-09-02 03:07:46 | ・講演・セミナー・シンポ
さぁ、何を学ぶにもこれからの季節はピッタリです。
お楽しみのカルチャー秋の各講座がスタートします。
一般に向けての大学公開講座(エクステンション)や
民間のカルチャー講座などさまざまです。
パンフレットやネットでの案内をみながら、
どれを受講しようかアレコレ決めるのも楽しいです。
9月に入ったので、新情報は少しでも早く広く出してもらいたいです。
特に土日はどうしても予定がバッティングしますから。
10月からのラインナップはほとんど出そろってますが。
私もいくつか自分の興味ある内容の講座を検討して受けようと思っています。

それぞれに趣向を凝らした特色があります。
★例えば、銀座プランタンカルチャーでは、会社帰りのOLさんを
ターゲットにしていて、ブレイクタイムのプチ・スゥィーツが
ついてくるのもあります。

江戸東京博物館のえどはくカルチャーは、私のお気に入りです。
ありがたいことに授業料がお安い。入会金も要らない。
おまけに講師の先生方もスバラシイです。

★+αの場所性をセールスポイントにしているのは、
ライト設計の明日館の自由学園や、コンドル設計の
旧島津邸の洋館がある清泉女子大学ラファエラ・アカデミアなどです。
同じ学ぶなら、雰囲気のよいほうがイイですものね。

早稲田大学のオープンカレッジは講座内容も豊富で単位がもらえます。
いっぱい集めると修了証が頂けます。早大出身が多く一流講師陣です。

朝日カルチャー新宿教室は、この春にリニューアルされて、
都会的な気持ちのよい空間になっています。

授業が休講だとラッキーだと思っていた学生時代と違って、
今は授業料は自分のお小遣い!?から捻出!?しているだけに、
真面目に意欲的に取り組むのですが、とは言っても、
やはり舟を漕いで(居眠りして)しまう場合もありますね。
まぁ、それもお気楽に良しでしょう。テストはありませんから。

さあ、うまく段取りを回して、学びのスケジュールを埋めていきましょう。
魅力的な講座はどれかな?。 ワクワク。

やわらかい感性

2006-08-31 23:54:19 | ・講演・セミナー・シンポ
建築家・石上純也さんの講演会。
インタビュアーは建築批評家の五十嵐太郎さん。
とても充実した時間で素晴らしかった。楽しかった。
紹介されるプロジェクトはどれもクリエイティブで、発想が大胆でユニーク。
東京芸大建築科の出身で妹島さんの事務所にいたのか、なるほど。
プロフィールの写真より髪が伸びていて、若いながらも風貌も個性的で、
石上さんはまさしくアーティストのようだった。

水面に波が立つように揺れる見事に超薄くて大きいテーブル。
レクサスの哲学を表現してとのインスタレーションでは、
霧で満たされたあいまいな境界線の会場、部分によって空気の密度を変えた
発砲スチロールの手作り椅子の表面に・・・白いレースをかけたら、
きれいな質感で、可愛いなぁ、と思った。とは本人のことば。
他にも木洩れ日体験として、生け花するように敷地に木々を植えていく。
高く積み上げた建物、気が向いたら階段で上に上がる11階建てのハウス。
そして描かれた数々のドローイングの色づかいが美しくラブリーだった。
全体的に作品の印象としては、すごくやわらかくて優しい雰囲気、
リラックスした空気が流れていると思った。
もちろん至るところ、緻密に計算されているけれど。
ヨージ・ヤマモトのニューヨークのショップの敷地を
三角のケーキの形だと表現していた。
それをどう切るか、最終形は切った感じがしないのだが。
ケーキ、それも女性的モチーフ表現のようでかわいらしいと思った。
コンセプトの方向性はない、ゴールに向かうのではなく、
どこから考えてもOK、ループみたいにぐるぐる回って磨き上げていく。
どこで終わってもイイと言う考え方だと石神さんは話していた。

若い現代っ子、才能ある今の時代の人って感じがした。
その石上さんに続けとばかり、大勢の学生が講演に聞き入っていた。
それに交じって、私も話がうかがえて大変満足でうれしかった。
やはり最先端のフレッシュな風を浴びるのも大切なことだと思う。

会場は品川インターシティの大林組のホールだった。
品川グランドコモンズ、向かい合う窓の位置さえ揃わぬと、
建築評論家の松葉さんが辛口だったのをふと思い出した。
一階はたくさんの緑の木々が植えられ、そこから虫の声がして、
風もいくぶん涼しく秋の気配が感じられた。
都会の夜の景色をあじわいながら、私としてはとても気持ちがよかった。


とっておきの美術案内

2006-08-24 23:56:14 | ・講演・セミナー・シンポ
NHK日曜美術館30年展 東京芸大大学美術館
さきがけての講演会に行きました。
講師は五島美術館学芸部長 名児耶明氏です。
ご専門は「書」だそうです。
展覧会チケットの招待券をプレゼントしてくださるとのことで、
会場の500のキャパはほぼ埋まっていました。
私も実はチケットが目的でした。

さすがに連日のハードスケジュールが響いて、案の定
アンケート用紙を回収してから、帰りの際にチケットを配布。
最初に配ると講演聞かずにもらってすぐトンズラするかもしれないしね。
仕事帰りで疲れていましたが、がんばった甲斐がありゲットできました。★
講演は美術鑑賞に関するポイントを聞かせてくださったような・・・。
そういえば昨日訪れた前川國男邸の書斎に棟方志功の作品がありました。
東急の五島慶太氏が棟方をかなりバックアップしていたらしいです。
作家が作家を語るコーナーでは、
池田満寿夫が棟方志功を語っているとのことです。
そのほかにも盛りたくさんの充実した展覧会の内容のようです。

美術品、古くて傷ついても守りたいもの、
残したいもの、大事にしようと思うもの、
それが本物だと、おっしゃっていました。
なるほど納得です。

展覧会が楽しみです。9月9日~10月15日まで。

緊急シンポジウム

2006-07-19 23:55:58 | ・講演・セミナー・シンポ
討論 東京中央郵便局の価値!に参加した。
日本建築学会、日本建築家協会、DOCOMOMO Japanの3団体から、
東京中央郵便局の建築的価値を重視し、保存要望書が提出されている。
今回、存続についての意見交換することを目的に、このシンポジウムが
開催された。

全体の感想として、とても興味深く意義ある時間だった。
建築の専門でない一般である私にも理解できる内容だったので、
参加できてよかった。
建物のデザイン・ディテールについて、藤岡洋保氏が説明してくださった。
吉田鉄郎の人柄をあらわすような気配りの隙のない神経が行き届いた建物。
資料としては、建築学会の建築歴史・意匠委員会委員長・吉田鋼市氏の
詳しい解説文が添えられている。→読んでいるだけでワクワク。

総合司会に、コーディネイト、パネリスト、コメンテーター、
それぞれの先生方が述べられる見解や具体的な提案も興味深かった。

華やかなる様式古典主義などの建築と違って、
モダニズム建築は一般には、その価値がわかりぬくいとのこと。
確かにそうだ。
私も含めて一般的には建物に興味をもつことになるのは、
ほとんど外観や内部のデザインからだと思う。
歴史的な意味合いや価値については知るのは、その後になる場合が多い。
たとえば日比谷の三信ビルについては、スパニッシュの外観や、
エレベーター周りのアール・デコといった意匠が目を引くので、
話題にのぼりやすい。

シンポジウムに参加して、一般市民レベルの私たちにできることはないのか、
もっと何かすべきではないか、真剣に考える必要があるのではないかと思った。
まずは、自分の周囲の人々に話すことからはじめよう。

作品を語る

2006-07-11 23:31:31 | ・講演・セミナー・シンポ
2006年 日本建築学会賞[作品]受賞者 記念講演会
会場=建築会館ホール
★「金沢21世紀美術館」妹島和世・西沢立衛
★「北上市文化交流センター さくらホール」野口秀世
★「富弘美術館」ヨコミゾマコト

みなさん、それぞれプレゼンテーションがとても素晴らしかった。
ドラマじゃなくて、生の、本物の建築家は、やっぱり違うわぁ。
妹島さん、中性的っていうか、声にも落ち着きがあって、カッコイイ。

ビルディングタイプ。
貴重なお話を聞かせていただいた。
自作に自信ものぞかせて・・。
今からメモをしっかりと読み直します。


「ボクが発見した幻の館」

2006-07-09 11:32:51 | ・講演・セミナー・シンポ
旧朝香の宮邸のアール・デコ[小客室新規公開]
        東京都庭園美術館
記念講演会 講師:藤森照信 氏 (東京大学教授)

新館大ホールはシャンデリア輝く優雅な空間だった。
→写真は大広間の天井照明正方形のグリッド内部に白熱球40コ。

「タイトルがインディアンを発見したみたいで・・・。」笑
藤森先生のユーモアに、早くも会場は楽しい雰囲気に包まれた。
旧朝香の宮邸にまつわるエピソードなどを語ってくださった。

1977年、今から29年前、建築探偵の頃、初めて足を運んだとき、
ふつうはそこの人に「もしもし? (何をしているのか)」と言われるのだが、
誰も出てこない、人がいないのにまず驚いた。
気持ち悪い屋敷だと思った。
のぞけば、見たことのないようなガラスがあり、
アールヌーボーのようなエジプト像のような、
文献では知っていたので知識はあったが、まさかという驚きがあった。
調べさせてくれないかとの質問状のハガキを出したがその時はダメだった。
旧宮邸は、戦後、吉田茂首相の公邸として、また国の迎賓館として、
パーティなどが開かれていた。

政府が手放す時に、その地にマンションかホテルを建てる予定があったが、
よく遊びに来ていた地元の幼稚園児のその関係者の反対もあり、
また隣接する自然園との生態との関わりもあると思っていたところを
東京都が買ってくれた。
しかしただ詳しい来歴がわからない。
宮内庁に問い合わせても、資料はあるがお見せできない、
お答えできないと、言われてしまった。
そこで、設計に携わった権藤要吉の住所と電話番号を
建築学会の名簿でみつけ、手紙を出した。
幸い、その地葉山でご子息がご存命で、昔話を聞くことができた。
権藤は当時の詳しい日記を付けていた。
パリのアール・デコ博覧会に行って刺激され、
さぁ、これから自分も日本で頑張るみたいな決意なども書き残している。

ラッリックやラパンとの関係などの証拠が見つからないと思っていたら、
ある時、古書店に資料が出回った。ラパンとのお金のやりとりなど。
しかし、明らかに日本のデザインが使われているのだが、
どこまでが権藤で、どこからかラパンなのかよくわからない。
これは宮内庁のある方がよく憶えておられて、その後、話を伺えた。
各部屋のインテリアなど、ラパンが担当し、
大食堂の銀色の壁は、向こうのパリで作ったのを船で送ってきた。
しかし、その中の一枚は割れていたらしい。後で、日本で型をとって復元した。

当時は灰色であった建物の外観の地味さと、
中の派手さとの落差が甚だしいが、これは、何せ世界大恐慌の折、
宮内省からたっての要望で、外から見て派手にしてくれるなということで、
できるだけ地味に作った。
宮さまは、もっと派手にしたかったのではないか・・。

それにしても、宮さまの自邸、自由にデコレーターしている。
宮邸建設にはそれぞれ格式にあった予算があるが、
朝香の宮様邸は私有財産を費やしているため、
どうぞご自由にやってくださいということだった。
たいそう豊かだったのは、允子妃殿下が明治天皇の第八孝女で末っ子で、
いたく可愛がられ、かなりたくさんの持参金があったからだと。
妃殿下はパリでは、フランス語を勉強し、日記が書けるまでになり、
プランショはに絵を習って上手だった。とても知的な人だった。

藤森先生は、まだ他にも興味深いお話を聞かせてくださり、楽しかった。
庭園美術館である旧朝香の宮邸は、いつ訪れてもため息が出るほど美しい。
夜の表情もまた違うだろうから、期間中にまた行ってみたい。

この住宅がすばらしい

2006-06-24 23:56:59 | ・講演・セミナー・シンポ
「語りあう東京の建物と住まい」 edohaku-culture 2006.6.24
          米山 勇×内田青藏 

とってもイイお話が聞ける、価値あるこんな時間こそ逃してはならない。
それだけに、個人的に今の私にはちょっぴり苦しくていたたまれなくなった。
建築の、カテゴリー住宅に関しては、ごめんなさい、しばらくお休みしたい。
どうもダメみたい、こう言うのはスランプというのかしらね。

米山先生が内田先生をアニキと慕っていることがわかって、
うれしかったー。なんかほほえましくて。

ゲストとの対談シリーズは、面白くてヨカッタです。
さすが米山先生は、各回テーマに趣向を凝らし、
大物ゲストであるそれぞれの先生方の持ち味をうまく引き出されていたと思う。
内容が深く、有意義で楽しかった。
ホールはゆったりゴージャス感があって、華やかな対談にはマッチしていた。
マイプログヘッダーにちょこっと紹介するのも誇らしく、うれしく、
(終わっちゃって、ヘッダーをはずすのがさみしいくらい。)
まさしく私のオススメ◎の講座そのものでした。

すばらしい春・講座をどうもありがとうございました。
次の秋・講座も今から楽しみに期待しております。