結婚したばかりの時に、私は花嫁道具にミシンを持ってこなかったのですが、同じ社宅の友人の影響で手作りの小物を作るようになり、熱中しているのをみて最初は主人が機能の充実したものを買ってくれると言ってくれました。しかし、母が、花嫁道具にミシンを持たせなかったと言われたくなくて、私が買いますと主張して、買ってくれたミシンが画像のものです。ミシン屋さんに連れて行ってもらい、当時、ボビンケースなしのタイプが出ていたのに、一番安いので良いだろうと、勝手に決められてしまいました。それ以来、もう少し性能の良い機種ならどうだったのだろうと思いながら使ってきました。
振り返れば、このミシンは想像以上に使いやすくよく働いてくれました。友人の出産祝いに作った、キルティングの大きなバックと抱っこバンド、娘の服や小物、そして孫の物、ビクトリアンキルトの小物まで、私と共に歳をとり、一緒に歩んできたのです。
一昨日から、娘の入学準備で、布の袋を作り始めましたら、このミシンは縫い目が荒れて、私はその度に解いてやり直さなければならなくなりました。しかも、長く使うと、ミシンがうなり声をあげて、ソーイングスイッチを押していないのに勝手にゆっくり動き始めるのです。気が滅入り、たまたま、格安の新しいミシンの広告をネットで見て、思わず注文してしまいました。
昨日、注文の直後、このミシンは、なぜか立ち直り、普通に動き出しました。新しい機械に取って代わられるのが嫌だったのか、頑張り始めました。そして、無事に、孫の保育園のお仲間の子供さんのランチョンマットと、カトラリー入れを仕上げることができました。
まだまだ引退したくない。そう言っている気がしました。
だから、これからは、古いミシンは実家へ持って行って使うことにします。私だって歳をとるのですから、ミシンだって歳をとるのは当たり前。
これからもよろしくお願いしますとミシンに声をかけました。