つくるかい&Yanzu Diary

お絵描き、陶芸、アイシングビスケット。
小さな幸せと自宅教室つくるかいのお知らせです。

おくりびと

2009-03-30 23:10:33 | 日記
春からは平日にのんびり帰る事も出来なくなるので、しばらく実家へかえっていました。
そして、近くに古くからの人形職人の町があるので五月の初節句の兜を見にいきました。
いろいろあって、、、個人的には上杉謙信のが好みでしたが、すこし華やかな縁起兜(どの武将でもないけど源義経のようなかぶと)にしてみました。
床の間でもあれば美しいのでしょうけど、うちはまちがいなくネコがちょいちょいと悪戯するのでガラスケースにはいります。

通り道、その辺りは「おくりびと」の本木さんの出身地らしくて小学校やあちこちに受賞おめでとう横断幕がかかっていましたよ。
「おくりびと」のほうも早速レンタルが始まったので見てみましたが、これは外国でうけるでしょうね。
いろいろな家族の涙あり笑いありの、送り出す姿に、すっかり私もその家族になった気分で見てしまいました。
そして色んな事を思い出しました。

実は、私の実家の家系はとっても長寿の家系でして、私は葬儀という物に出た事が数えるくらいしかありません。
私が初めて、人が亡くなって、そして葬儀までちゃんと見たのが昨年のお義父でした。
田舎なので知らないしきたりもたくさんあってなにもかも初めて。
病院から町の若い衆に担がれて自宅にその体が戻って来た時は、さすがに言葉にならない気持ちでしたが、お帰りなさい!ってみんな言って迎えたのを覚えています。
葬儀場ではなくて、まずは自宅で近所の人もたくさんやって来てみんなで頬をさすりながらお別れの挨拶をするんだけど、
こうして目の前で触れたり、泣いたり、家族の時間を持って、やっと受け入れられるのかなってその時感じました。

あと死ぬってことを初めて見て、衝撃を受けたのは10年前の旅先。
チベットは輪廻を信じ、今も鳥葬を行う地域。
でもって日本人は仏教徒と思ってくれているらしく人生の勉強としてその儀式を見せてくれました。
あらかじめ僧侶達から魂の転生作業を済ませたという事で、魂の宿らない肉体は、大きな大きなタカ達が食べて天高く連れて行ってくれるのです。
自身の事ながらよく見ていられたと後で思いましたが、全部済んだ後に家族の方達が見守っていてくれてありがとう。と。
頭で理解していても、やっぱりちゃんと受け入れるのにその何日かかかりました。

大きな鳥達が地上に何も残さず高く飛んで上空を旋回しているのを見た時、その時は、きっと生まれ変わるんだな。こわくないな。
って、ぼんやり思ったのを覚えています。
日本人も多くは小さい頃から、悪い事をするといい人間に生まれ変わらないなんて言われたことがあるものですよね。
とくに信仰はなくても、その時は考え方や、目の前の現実を素直に受け入れられた気がしました。

ほか、インドなんかも火葬してガンジス川に帰ったりしますね。
ギラギラの太陽の下、いつもの、そしてあたりまえの事のようです。
ビックリするほどあっけらかんとして見えて、あっけないものだな。というのが印象。

そう、当たり前にいずれみんなにやってくるんですものね。
あっけない。
悪い意味ではなく、あっけないものだなと思うのです。
(ほかにいい言葉が見つからない)

はやいものでもうすぐお義父さんの一周忌。
この一年あっという間だったけど、色んな事があったから報告してきます。