今日の言葉
骨折り損のくたびれ儲け
プロローグ
職場へ行くために甲州街道を利用します。足を休め、ふと見上げるとその先には、歩道橋があります。だれも利用していません。全国でいくつぐらいあるのだろう、頭をよぎりました。手入れをしていないので、階段は、朽ちた枯葉の吹き溜まりで、泥にまみれ、ペンキも塗り替えていないので、景観がよくありません。掃除するにも、徹去するにしてもお金がかかります。歩道橋を始めとして、全国津々浦々、インフラの老朽化で対策で頭を抱えているようです。記事を紹介します。
土建国家のツケ
日本は「土建大国」から21世紀には、「修繕大国」に変わる。そういう試算がある。道路や橋、下水道など社会資本は古くなれば維持費がかさむし、早いものは30年で寿命がくる。建設省によればこうした維持費や立て替え費用は2020年に同省所管分だけで12兆円を超える今の約3倍で、国の97年度予算の公共事業関係費を大きく上回る額がこれらの費用に消えるようになる。さらに、2020.年以降は、バブル崩壊後の経済対策で続々と造られた施設も相次いで立て替え期をむかえる。
『2020年からの警鐘』より
点検にドローンやAIも
インフラ維持費悩む自治体
都市機能を中心市街地に集中させる「コンパクトシティ-」化を進めてきた富山市。2012年の中央道笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故を契機とした道路インフラの調査では、緊急対策が必要な「緊急措置段階」だった橋が4ヶ所あった。住民の利用が最も多い橋の架け替えを優先する予定だが、予算のメドは立たないままだ。残る3ヶ所をどうするかも未定だ。市は統廃合も見据えるが、担当者は「住民の利便性を考えると、簡単に撤去と決めるわけにはいかない」と話す
茨城県城里町も、緊急措置段階と判定された橋5ヶ所への対応が決まっていない今後、計画を作って修繕を進めるが、近い将来に対策が必要となる「予備軍」の橋もあるとみられ、それらの対応も必要になってくる。「財源が限られる中、住民の利用状況などを踏まえて優先順位をつけなければならない」と担当者は話す
国土交通省の試算によると、道路インフラの維持修繕費は48年度には最大4.1兆円まで増える。このため国交省は昨年2月、橋やトンネルなどの点検を、従来の目視と同等にできる方法を行うことを認めた。これを受け、自治体や企業は、ドローンや、AIの活用した点検費用の削減をめざしている。
千葉県君津市は昨年7月、ドローンを使った橋の点検を始めた。資格を持った市職員がドローンで橋を撮影して確認する
市が管理する227ヶ所の橋の点検費用は14年度から5年間で約1億3千万円。ドローンによる点検が進めば5年間で約5千万円の経費が削減できるという。
NTT西日本は昨年4月、インフラの点検会社を設立。ドローンで撮影した画像の中から修繕の必要な箇所をAIが診断する。大きな橋などで点検時の交通規制が必要なく、費用を抑えられるという。
キャノンも先月、AIを使って橋やトンネルの画像から、ひび割れなどを検知するサービスを始めた。幅0.05㎜のひび割れも検知できる精度で、点検の人手不足に悩む自治体などからの需要を見込む。
国交省は21年までに、道路インフラの損傷判断に使える写真データを企業や研究者に提供することをめざしている。点検に使えるAIの開発を多くの民間企業に促し、点検の効率化を図る狙いがある。
(岡戸佑樹・渡辺洋介)
朝日新聞朝刊2020.1.10
結びの文
総合リゾート開発法(IR)の利権問題が、年末からマスコミに取り上げられています。戦後から政治家と利権は双子の兄弟で離れられないものでありました。「おらのところの偉い先生」と祭り上げられ、高速道路、鉄道、国道等、地元の人たち利便を考えて整備するよう国に働きかけ、我田引水、自分の手柄として自慢したのでしょう。「今だけ、金だけ、自分だけ」と「国家百計の計」、自分利を優先し、国のことは二の次、議員も国民も「同じ穴の狢」です。過疎化する地方、インフラの老朽化、戦後の遺跡として世界遺産に登録されるかもしれません。国の方向性の長期ビジョンがなければ日本は、右往左往するしかありません。ふと、歩道橋を眺めて、思い付いたまま書きました。
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