かけそばMMA

かけそばをメインに、MMA・格闘技のこともたまに書きます。

ジョーンズvsマチダを再考する

2012年11月03日 | UFC
なんとなくジョーンズの試合が見たくなり、HDDからUFC.140を引っ張り出してvsマチダ戦を見た。

この試合ジョーンズの怪物っぷりばかりが印象に強いが、やはりリョートもチャンピオンクラスの良い選手だ。
リーチに大きくアドバンテージのあるジョーンズ相手でも、いやだからこそ距離の使い方はあくまで緻密。
光っていたのは前蹴りのような飛び込み気味の左ミドル→左パンチのコンボ。
左→左のコンビネーションにも関わらず、どちらもパワーショットになっているところがさすが。これもバランスを一切崩さないからこそ強打を繋げられるのだろう。
そして2度ほどヒットさせたのが、JJの蹴りに合わせての左ストレート。
わかっていてもこれを当てられるのはリョートだけだろう。

で、それをさらに上回るJJの凄さなんだけど・・・
フィニッシュのカウンター→スタンディングギロチンはMMA史に残るフィニッシュだけれど、ギロチンで失神したまま崩れ落ちるリョートの姿が衝撃的すぎて、この一瞬のカウンターがあまり語られていない気がする。
このカウンター、単にタイミングが合っただけだと当時思っていた自分の目は格オタとして丙種でしょうか。
これ、よーく見るとJJは左フックを出す時に左足を前に出しているんですよね。
どういうことかというと、左ミドル(ロー?)のモーションに入っていると見受けられます。
上述したように、1Rでリョートは2度ほどJJの蹴りにパンチを合わせています。
多分リョートからしたらこれこそJJを打ち崩す最大のカードだったのでは。
最後のカウンターで、リョートは大きく踏み込んでパンチを打っている。
これも1Rと同様にキックに合わせたんだと思われます。
だけどJJは、蹴りのモーションだけで、実際はパンチを合わせてます。
つまり・・・
JJは1Rで数回見せたリョートのキックへのカウンターを見て、キックを撒き餌に使ったんですね。
あの数分間でタイミングを覚えて、かつ間合いの達人リョート相手にそれを実践し、ぶっつけ本番で当てる。
これを若干24歳のジョーンズが涼しい顔で遂行したのかとわかったとき、戦慄を覚えました。
JJには普通の選手と違う感覚で世界が見えてるのかもしれない。
この間はビクトーに腕を極められかけたけど、MMAIQの振れて高いジョーンズがその経験をどう感じて何を学習するのか。
JJのこれからがもっと楽しみになりました。

あ、フィニッシュのカウンターについて衝撃の事実を発見したかのように長々と綴ったけど、目の肥えたMMAファンなら誰でもわかっとるわと裸の王様を嘲笑する視線をこのブログに投げかけてるのかもと想像したら、今日2度目の戦慄が走りました。




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4 コメント

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Unknown (toto)
2012-11-03 09:54:20
はじめてコメントさせていただきます。
僕は空手屋さんですので、JJを褒めるのは複雑な気持ちですがwww
おっしゃる通り、最後のギロチンや
(途中でブレイクされた)肘の連打はオマケに過ぎないと思います。
JJはあの試合で2度カウンターを当てていますが、
最初のカウンターでリョートの判断力を削ぎ、
2度目のカウンターでもう極っていました。
あのカウンターが入っていれば、あとはどんな方法をとっても詰みです。
僕が特に注目しているのは1度目のカウンターです(地味かもしれませんが)、
あのカウンターがあったから2度目も入ったのだと思います。

件のカウンターですが、
あれ、JJが先に動いているんですよ!
JJが手を出したところにリョートが自分からもらいにいってるんですね!
稀に・・・なのですが、打ち気を感じた瞬間にこちらが動くと、相手がバカみたいに勝手にもらいにきてくれる事があります。
あの瞬間、リョートは完全にJJの掌の上で操られてしまっているんですよ。
これを狙ってやるのが先の先の出合いだと言われていますが、これをあの場でやってのけるJJは、
怪物というよりリョート以上の達人と呼べるのではと当時思いました。
長々とすいません。
返信する
Unknown (風田)
2012-11-03 21:23:21
はじめまして、totoさん。
経験者の方からのコメントは、非常にタメになります!
仔細な解説どうもありがとうございます。

1度目のカウンター、タイミングはドンピシャでしたね。
ヒットポイントが芯を捉えていたら、確実にKOだったと思います。

最後のカウンターは、JJのキックをフェイントに左を誘ったんだと思いましたが、なるほどリョートが来るとわかってJJが先に動いたわけですね。
「先の先」という言葉は聞いたことがありますが、素人目にはなかなかわからなかったです。
その感覚を持ちリョート相手にそれを実践できてしまうのは、達人という他ないですね~

非常に勉強になるコメントをいただき、ありがとうございます!
たまにしか更新しないけど、見てる人は見てくれてるんだなぁ^^ 笑
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Unknown (toto)
2012-11-03 22:51:08
あ、分かりづらい書き方してしまい申し訳ありません。
2度目のカウンターはおっしゃる通りに、カウンターに対するカウンターです。
先の先は1度目の方ですね、
JJはダッキングしながらパンチを当てていますが、
リョートのストレートが来る所を、避けながらパンチを出したのではなく、
先にダッキングしながらパンチしている何もないところに、
リョートがストレートを打ちに行ってるんですよ
要するに上段ストレートを出させられた形ですね。

あの後、リョートの判断力は明らかにおかしいです。
リョートの秘密ですが、踏み込みながらの攻撃が基本となっているため、見た目以上にリーチが長いんですね。なので、俗にいう一足一刀の間合いで戦う訳で。
この距離だと、リョートは大きく踏み込みながらパンチを当てることに慣れている、
他の選手は慣れていない、苦し紛れに付け焼き刃で突進してきても簡単に捌ける。
これがリョートのパターンなわけですが。
普段は
リョートの間合い>>他選手の間合いなところ
あの試合は
リョートの間合い≧JJの間合い
他先取に比べ間合いの差がわずかですのから気づきにくいですが、
肘打ちブレイク後は、ほぼJJが踏み込まなくても当たる間合いで攻防しています。
1R~2R前半に比べわずかに近づいていますよね。
混乱+ダメージ+スタミナ消費で、冷静な判断ができなくなったと思います。
下がりたくてもJJが下がらせてくれないのもあったでしょう。

また最後の打ち合いですが、
彼は相手が打ち合いにくると逃げる選手です。
リョートの打ち合いは稀にありますが、自分が優勢の時だけです。
普段のリョートならカウンターを狙わず逃げた状況だと思っています。

などと偉そうなことを語ってしまいましたが、
これは当時思った事でして・・・
今、映像を確認したわけではないので、記憶違いだったらお恥ずかしいです。
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Unknown (風田)
2012-11-04 15:06:28
totoさん
取り違えてしまって申し訳ないです(汗)
映像を確認しましたが、一度目のカウンターは確かにJJが先に打ちにいっていますね。
後から動いたリョートがカウンターもらっている。
なるほど、先の先、納得しました。

リョートが冷静な判断ができなくなるほどJJのプレッシャーがすごいんでしょうね。
JJは左ハイも、リョートが前に出ようとするタイミンングで打っていてヒヤッとしました。
肘打ちブレイクの後は、明らかに距離が近かったですね。

勘違いしていたところ、すごく詳しい説明いただいてありがとうございます。

個人的にリョートvsエヴァンスの再戦が今見たいところです。

では!
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