[Living In The Material World]
1.Give Me Love (Give Me Peace On Earth)
2.Sue Me, Sue You Blues
3.The Light That Has Lighted The World
4.Don't Let Me Wait Too Long
5.Who Can See It
6.Living In The Material World
7.The Lord Loves The One (That Loves The Lord)
8.Be Here Now
9.Try Some Buy Some
10.The Day The World Gets 'Round
11.That Is All
Personel:
Keyboards: Nicky Hopkins,Gary Wright
Bass: Klaus Voormann
Drums: Jim Keltner,Ringo Starr,Jim Gordon
Guitar: George Harrison
Sax & Flutes: Jim Horn
Tabla: Zakir Hussein
Strings: John Barham
「ぬばたま」というのは、ヒオウギの実のことだそうです。
「Greenのお気に入り」さんのヌバタマの写真へ
このアルバムのイメージは「ぬばたまの夜」。です。
ジャケットが、黒いから、ということもありますが、曲のイメージが「夜」です。
夜といっても、ただの暗い夜ではなくて、ぬばたまのように艶やかな夜。
なんとなくそう思うのは、曲のアレンジのせいでしょうか。
何回か聞いていて、心に引っ掛かったのが 5曲目の「Who Can See It」。
キーボードをバックにして、ジョージが切々とバラードを謳い上げます。
9曲目のTry Some Buy SomeもアルバムラストのThat Is Allも、ジョージは切々と謳い上げています。
これらのスローな曲や、The Light That Has Lighted The Worldのようなミディアムテンポの曲が、アルバムを印象づけているからでしょうか、このアルバムは大人っぽい夜のイメージが感じられます。
そして、そういうスローテンポな曲を聞いていると、音作りがとてもオシャレなことに気がつきます。
ギターやストリング、そしてタンブーラだと思うんですが、ジョージの歌の邪魔にならない程度にちりばめられて、空間を埋めていきます。
プロデュースはジョージ自身が行っていますが、9曲目はフィル・スペクターも参加しています。
ジョージ自身は、フィルにプロデューすを任せたかった様ですが、いろいろ問題があってジョージ本人がプロデュースしたそうです。
ジョージの中には、フィル・スペクターの作り出す「音の壁」のイメージがあったのだと思います。
それで、フィル・スペクターの音作りに似た音の作りかたをしたのでしょうか。
真似しようとして、出来てしまうのだから、ジョージのプロデューサとしての才能もなかなかのものなのだと思います。
さて、そうやって、このアルバムを聞いてみると、今で言うAORに通じる、オシャレな一面があると思います。
AORというと、余計なんのことなのかわからないくなってしまうかもしれませんが、ジョージが、ジョンやポールがロックン・ローラーとして活動していたのとはまたちょっと違った路線に進もうとしていたのではないかと思えてきます。
丁度、ビートルズの持っていた「ロック」な部分をジョンとポールが受け継ぎ、「ポップ」な部分をジョージが受け取った、そんな感じがします。
ロックファンに取って、「ロック」な部分を全面に押し出したジョンやポールはわかりやすいかもしれません。
が、ロックを捨てて「ポップ」なところを取り込んだようなジョージの作品は「これはロックじゃないよね」ってことで、アンマリ評価されなかったんですかね。
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