ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

犬の言葉

2014-10-10 | 生態・行動
向こうから犬が来る。
飼い主に連れられているのは、おとなしそうな中型犬。
その犬は普通に散歩をしているだけなのに・・・
Zionは見た瞬間から形相を変え、怒り出した。

こんな時、ストップの声はただの追い風、
私は沈黙でリードに最大の力を込めながら思った。
両者のボディランゲージを一言だって見逃さないぞ。



犬は本来、争いを好まない動物だ。
自分にとって好ましくない状況になった時、
緊張、恐怖、ストレスなどを感じた時、
相手や自分を落ち着かせるカーミングシグナルを出して、
回避したり和らげたりすると考えられている。

これはノルウェーのTurid・Rugaasさんが
犬のボディランゲージの中でも特に注目する行動として研究、
著書「カーミングシグナル」で詳しく解説している。



先日出会ったG・シェパードちゃん。
初めは後ろから横に回ってZionに近づき、興味を示すものの、
尻尾を水平にしていることから、どんな行動に出ようか迷っているようだ。
そんな気持ちを感じとるZionは、終始、顔をそらし、
自分は無害だと伝えている。

体の大きな犬は一見、威圧的に見えるかもしれないが、
よく見ていると、相手に対し敵意はないというシグナルを
実は頻繁に出していると思う。

大型のオス同士になると、一定の距離を置き、
相手に興味がない素振りをしていることもある。
これはお互いのカーミングシグナルを読み合い、
無益なストレスを回避する行動と思われる。
こんな時は敢えて近づけたりせずに、見守りたい。



初めの話に戻ろう。
ただおとなしく散歩をしている犬に
Zionは何故、怒らなければならないのだろう?
その犬は、無邪気に興味のままに近づいて来た。
正面からZionの目を見据えながら・・・

つまり、ケンカを売られている。
Zionはそう思ったのだろう。

しかし、相手はケンカを売ったつもりはない様子。
きょとんとしながら、さらに近くに来ようとするのだった。
犬の言葉がうまく使えていないよ・・・
教えてあげたいけれど、こればっかりは犬から学ぶしかないのである。



ボディランゲージで意志や感情を伝える犬たち。

様々な仕草や表情、鳴き声など全身を使ったその表現は、
同じように見えても状況によって違う意味を表わし、
その行動をとったから、必ずその意味を表すという
単純なものではないようだ。

言葉を正しく理解するには、犬の行動の流れと
全体的な状況を読みとる観察力が必要になる。
咄嗟に起こる一瞬を見逃さないことはとても難しい。

もっと犬の言葉を読み取る力を養いたいと思う。

人を大好きになってくれた犬たちが
人のもとで心穏やかに過ごせますよう・・・
本当の気持ちが知りたい。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




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