ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

犬の咬傷事件、日独の差

2011-10-31 | 社会
2年前の10月、福岡県で、
4才男児が大型犬に咬まれ、死亡するという事件が起きた。

弁護士が所有する別荘の敷地内では、秋田犬とロットワイラーが
放し飼いにされていた。
この別荘で、住み込みで管理をしていた女性の孫が遊びに来た際に、
事件は起こった。



女性が少し目を放した時、2頭が、孫の4才男児に噛みついたのだ。

普段から、えさやりなどの世話もこの女性がしていて、
おとなしい犬だったという。

当時、亡くなった男児とその家族へは勿論のこと、犬の飼い主へも
いたたまれない思いが注がれたことを記憶している。



犬は、飼い主所有の敷地内に放されていたのだから・・・
それを管理の女性は、十分に知っていたのだから・・・
犬は、結局、何をするか分からない生き物・・・

そうなのだろうか・・・?
犬の飼い主に、飼育管理の責任は、全くないのだろうか?

犬は処分された。

私は、釈然としない思いをずっと、抱き続けていた。



昨年、ドイツで同じような咬傷事件が起きたという記事を読んだ。

夫婦と乳児、犬3頭の家庭。
ある日、庭で夕食を楽しみ、犬ものんびりと放されていた。
片づけのために、夫婦が家の中へ入った。
乳母車の乳児をテラスに残して・・・

すぐに戻って来た時には、1頭の犬が、乳母車を倒し、
乳児を襲っていたのだ。

この夫婦は、赤ちゃんが生まれるまで、共働きだった。
犬たちには、帰宅するまで部屋で留守番、週末にはフリーランさせていたという。



乳児を襲った犬は、ハスキーとシェパードのミックス犬で、
直ちにティアハイムに収容され、後に里親の希望者も現れた。

被害者の親であり、飼い主でもある夫婦は、
「犬に適切な飼育と注意を怠ったため引き起こされた」 として、
過失傷害罪に問われたという。
容疑が確定すれば、5年以下の懲役(または罰金)だそうだ。



適切な飼育管理・・・

これらの犬種が必要な運動量は、足りていたか?
外部の刺激を受けることが少ないストレスを感じてはいなかったか?
そんな中で、自分よりも可愛がられる子どもに、何を感じていたか?
飼い主が、犬が発するボディランゲージに注意し、気づいていたか?


2つの事件の犬と飼い主には、共通点があるにもかかわらず、
その結末の差は、大きすぎる。

飼い主に反省を促し、加害犬にもまた、生きるチャンスを与えるドイツと
加害犬を処分して終わりの日本・・・

犬を処分することから、何を学ぶというのだろう。
咬む犬を作るのは、飼い主にほかならないのではないか?

人と犬が良い関係でいられるために、
犬を犬として理解し、犬のボディランゲージに気づく大切さを
自分への教訓としても、
覚えておきたい。

  


今日も会いに来てくれて、ありがとう

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