◆彼が発見したというその方法は、ロシア・フォルマリズムのキーワードともなる次の定義であったという。「《そこで生活の感覚を取りもどし、ものを感じるために、石を石らしくするために、芸術と呼ばれるものが存在しているのである。芸術の目的は認知、すなわち、それと認め知ることとしてではなく、明視することとしてものを感じさせることである。また芸術の手法は、ものを自動化の状態から引き出す異化の手法であり、知覚をむずかしくし、長引かせる難渋な形式の手法である。これは、芸術においては知覚の過程そのものが目的であり、したがってこの過程を長びかす必要があるためである。芸術はものが作られる過程を体験する方法であって、作られてしまったものは芸術では重要な意義を持たないのである。》(現代思潮社版『ロシア・フォルマリズム論集』)」◆ ”芸術がものが作られる過程を体験する方法であり完成品が重要な意義を持たない” とするならば、ノーベル文学賞作家大江健三郎を読み解くには、副読本ともいえるこの「私と言う小説家の作り方」が共に読まれなければ、彼の作品と又、小説を読むときに感ずるひっかかりと吐き気の意味が理解できないということになるだろう。
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