原爆の日がやってくると思い出すことがある。 まだまだ幼い時分に祖父母の家に遊びに行くと、川向こうに今で言うバラック建てのような家が一つあったことを・・・そしてそこに私と同じ年くらいの女の子とその母親らしき人が住んでいたことを・・・。
近所の人たちが「広島で原爆にあい、ここに避難してきたんだ」と言うようなことを話していた。 幼過ぎてそれがどういうことを意味していたのかも分からなかったが、いつの日か遊びに行くと二人ともいなくなっていた・・・。
なんだかとても悲しかった。 ただただ悲しかった。
今もお墓参りに行くと、川向こうを見ては思う。
その後どうなったのかしら・・・と。 もう誰に聞くこともできないし、知っている人さえいないだろう。 それだけ歳月が過ぎた。 でも忘れてはいけない事実。
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