北岳山麓合唱団

ソウルジャパンクラブ(SJC)の男声合唱団です。毎週火曜日、東部二村洞で韓国の歌と日本の歌を練習しています。

26年ぶりの再会

2014年01月25日 00時00分39秒 | 韓国

時は1988年。ソウルオリンピックの年。当時24歳の私は、初めての海外駐在(韓国)を命じられ、期待と不安の入り混じった、日々を過ごしていました。

韓国に関する本を読んでみたり、韓国語をかじって見たり...。当時の韓国はワンダーランド。韓国に関する本も少なく、まして韓国語は全く理解できませんでした。色々試した駐在準備のなかで渡韓後、本当に役に立ったのは、たった一つ。韓国映画の鑑賞です。

都内の小さな映画館で、当時は珍しかった韓国映画を上映していると聞き、劇場まで足を運びました。映画の題名は「ミミとチョルスの青春スケッチ」と「深く青い夜」。30代以上の韓国人なら「懐かしいですね!」と言われるのでは。いずれも当時の韓国で大ヒットし、各種の映画賞に輝いた作品です。

 

その頃の日本は、トレンディードラマの全盛期。原田知世さんが主演した「私をスキーに連れてって」(1987年)が大ヒットしていました。

ほぼ同じ時期に日本と韓国でヒットした、それぞれの映画作品を比較すると、余りの違いに愕然とします。仮に「私をスキーに連れてって」を韓国で上映していたなら、大ヒットしたかもしれません。でも、「ミミとチョルスの青春スケッチ」や「深く青い夜」が日本でヒットすることは、今も昔も、これからも無いでしょう。

それでも当時の私にとって、韓国映画は新鮮でした。映画を見終わったあと、韓国人の心情や韓国社会の深層について、深く理解できたような気持ちになったことを今でもはっきり覚えています。

 

その後、映画のことは長らく忘れていましたが、近年、この2作がDVDで復刻され、自宅で鑑賞する機会を得ました。今の私は(24×2)+2歳ですから、実に26年ぶりの再会。期待に胸躍らせて、再生ボタンを押しましたが、人間の記憶とは本当にアテにならないものです。26年前の記憶と一致するシーンはほんの数カット。2度目だというのに、99%は全く記憶にないシーンでした!

1.当時のポスター、ミミとチョルスの青春スケッチ

2.当時のポスター、深く青い夜

 

映画に描かれている情景は、私の記憶の中にある26年前の韓国社会そのもの。当時の社会の雰囲気や空気の臭いを懐かしく思い出すとともに、その間の韓国社会の変貌ぶりを実感せざるえませんでした。

当時の韓国映画の特徴として、ストーリはジェットコースターに乗っているように、テンポ良く移り変わっていきます。ただし、この時代の基本は悲劇。登場人物の相当数が消え去り、結末になると、最後に残った主人公までが舞台を去っていきます。

時代は変わり、現在ではサクセスストーリーや喜劇的要素が強い作品が好まれるようです。一言で言うと、「自信感」でしょうか。とにかく、韓国の人は「物怖じ」しなくなりました。このへんは韓国社会もずいぶん、変わったなと思いますし、これが驕り(おごり)に発展しないことを祈ります。

 

韓国では昔の映画作品が順にDVDで復刻されています。製造枚数が少なく、あっという間に廃盤になってしまうことは問題ですが、日本語字幕が準備されている作品もあります。関心があれば、ぜひ見てみてください。

1.ミミとチョルスの青春スケッチのDVD(原題:미미와 철수의 청춘 스케치)

2.深く青い夜のDVD(原題:김고 푸른 밤)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿