北岳山麓合唱団

ソウルジャパンクラブ(SJC)の男声合唱団です。毎週火曜日、東部二村洞で韓国の歌と日本の歌を練習しています。

見どころたくさん!鑑賞ツアー。

2013年08月18日 16時25分32秒 | その他

東京国立近代美術館の所蔵作品展に出向き、鑑賞ツアーに参加しました。

このツアーは、ボランティアの解説ガイドの方と一緒に館内を回り、あるテーマのもとに、数点の所蔵品をグループで鑑賞していくという企画で、この日のテーマは「肖像画とそのモデル」。

萬鉄五郎(よろず てつごろう 1885-1927)の裸体美人や、安井曾太郎(やすい そうたろう 1888-1955)の安倍能成(あべ よししげ)像を鑑賞させていただきました。

写真は、萬鉄五郎の「裸体美人」をみんなで鑑賞しているところ。重要文化財で、美術の教科書にも掲載されている、有名な絵です。

猛暑のさなか、美術館に足を運んで、ツアーに参加した人たちです。絵を見ながら、それぞれ感想を述べ合うのですが、「鼻の穴が大きすぎる」とか「わき毛が多い」、「美人とは思えない」といった正直な意見(?)ばかりで、びっくり!「マチスの影響が...。」などと言う人が誰もいないのです。日本人はいつから、こんなに率直な民族になったのでしょう...。

「すごいメンバーと一緒になったな...。」と内心で思っていたら、ガイドさんがもっと衝撃的なお話を。先日、中学生のグループとこの絵を鑑賞していたところ、ある男の子が「この女の子とはつきあえないな!」と言い放ったとのこと。

もうビックリです!萬鉄五郎先生の作品で代表作を一つだけ選べ、となると、やはり本作でしょう。実はこの作品。先生が東京美術学校(現、東京芸大)を卒業される際に書かれた作品で、先生のデビュー作でもあります。

私は私で、感想を求められ、「つまり、萬鉄五郎は、元祖一発屋なんですね。」などと言いましたから、あまり他人の事をとやかく言えないのですが...。さて、皆様の感想は如何ですか?

どういう訳か?私は、「裸体美人」を見ながら、ルノアールの「田舎のダンス」という作品が頭にちらついて、仕方ありませんでした。一見したところ、全く別の絵ですが、何か構造的な類似を感じるのです。

次は日本のセザンヌこと、安井曾太郎先生の「安倍能成像」。安倍能成先生(1883-1966)は日本の教育者、哲学者。1926年には京城帝国大学の教授となり、朝鮮半島の文化についての研究もされています。

この作品は1944年の作品ですから、戦時中の作品。当時、安倍能成は一高の校長でしたが、一連の肖像画を描くために、アトリエを100回近く、訪問してポーズを取ったとのことです。

この肖像画を書き始めたのが2月。夏ごろ完成したという話ですから、約半年をかけたことになります。

同じ安井曾太郎先生による、下記の「金蓉」(きんよう)は、ポーズや表情が、いかにも肖像画という感じですが、「安倍能成像」では、もっと打ち解けた関係を感じます。ちなみに「金蓉」モデルは上海総領事の令嬢だった小田切峰子という女性だそうです。

東京国立近代美術館の所蔵作品展(MOMATコレクション)展は10月14日まで開催されています。

非常に見ごたえのある作品展なので、御都合のつく方は、ぜひゆっくりと御観覧下さい。

 http://www.momat.go.jp/

 

 

 


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