@幕張日記

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道路に落ちてた丸いモノ ~ アナグマ ~

2006-05-12 12:41:26 | @幕張動物日記

[どうやら、暖かい道路の上で昼寝をしていたらしい…]

 冬季閉鎖が解除された高ボッチ高原に半年振りに行ってみた。
冬の間に鳥獣保護区域の中で何度も県によるニホンシカやカモシカの駆除が行われ、昨年の秋には多くの見かけたニホンシカの群はどこか遠くに行ってしまったらしい。森の中や牧場で多く見かけたシカ達の糞や足跡など、生活の痕跡も見当たらなかった。

動物を探しながらゆっくり車を走らせていると、道路の真ん中にフワフワとした得体の知れない丸い物が転がっている。
こちらが気付くとほぼ同時に、道路上の丸い物体から縞々の細長い顔と短い手足が現れ、ヨタヨタと山の中へ走り出した。

           アナグマだ。別名は「狢(むじな)。」

丸くて太い尻尾や短くて黒い手足は狸に良く似ているが、両目から後頭部に縞のある細長い顔は、アナグマの特徴。狸に比べても動きは緩慢で、道路から山の中に逃げ込もうとして坂をずり落ちてしまう。お尻をフリフリ、もがきながら2メートル程の坂を登ろうと悪戦苦闘している姿はなんともいえないほど可愛らしいが、前足の鍵爪は長く鋭いので油断はできない。


[もがいて登って滑って落ちて、やっとの思いで山の中へ…]

「同じ穴の狢」という言葉があるが、これは姿は共によく似ているものの、穴掘りの苦手な狸が穴掘りの得意なアナグマの巣穴に入り込み、アナグマの巣に居候を決め込むところから云われたのだとか。一見似たような体格のアナグマと狸からそう云われているのだけれど、必ず巣の近くの同じ場所で糞をする狸の存在は、人間に己の巣の場所を知られてしまうアナグマにとっては迷惑この上ない。人間にとっても肉や毛皮はアナグマの方が価値が高いから、山の中で居候の狸の糞場所を見つけるとシメシメと思うらしい。最近は穴を掘らずに、林路の狭い側溝を巣穴代わりに使うアナグマも増えたそうで、アナグマの世界でも*ずくなしが増えているということか…
*ずくなし=信州方言で、やる気のない人や様子を指す)

余談だが、昔話に出てくるタヌキ汁とは、このアナグマの肉を使った*料理のこと。アナグマは肉も美味しくて、しかも毛皮が上質な毛筆の材料になるから乱獲されたのだとか。それに対して、本物のタヌキの肉は強烈にケモノ臭くて、煮ても焼いても食べられない。
ゲテモノ料理の大好きな@幕張でもちょっと無理。
何年か前に両国の「ももんじゃ」で食べたタヌキ汁は、椀の中の数切れの脂肉片が強烈に臭かった記憶があるので、本物のタヌキの肉かもしれないが…
*タヌキ汁の名前では、他にも狸の脂肉に見立てた黒コンニャクを使った鍋料理もあります)


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