「千葉県の監督行き届かず」 千葉の福祉施設虐待で答申

　知的障害のある男性入所者が千葉県袖ケ浦市の福祉施設「養育園」で職員からの虐待後に死亡した事件で
、県の第三者委員会は８日までに、施設運営に対する県の監督や指導が行き届かず、虐待を見抜けなかったとする検証結果をまとめ、森田健作知事に答申した。

　答申では、2011年度と12年度に養育園で入所者が虐待されているとの情報が県に寄せられたが、
運営主体の県社会福祉事業団への調査が不十分で事実関係を把握できなかったと指摘。「責任を持って利用者を守るという認識に乏しかったのではないか」などと県の姿勢を批判した。

研修や教育に力が注がれずサービスやモラルが低下していたことを挙げ、改善策として民間施設との交換研修や県による抜き打ち検査の実施などを提言した。

　答申によると、養育園では昨年11月、男性入所者が職員に腹を蹴られ死亡する傷害致死事件が発生。養育園を含む同事業団の運営する施設では、04年度からの10年間で、職員15人が利用者23人を虐待していた。