うたた寝映画日記

米子ではたらく税理士の個人的映画論

はなればなれに

2012年06月09日 21時00分22秒 | 映画論
「はなればなれに」

数年ぶりに観ました。

東京にいた頃、ビデオにもなっていない
この伝説の作品が日本で上映されるということで
職場の上司に頼み込み
仕事を休んでまで映画館に行ったのに、満席で観れなかった
という苦い思い出がある作品です。

一般には「勝手にしやがれ」がゴダールの代表作としてあげられますが、
個人的には「はなればなれに」が、
ジャン=リュック・ゴダールが最もゴダールらしい作品だと思います。

ストーリーは、何でもないありふれたB級犯罪映画ですが、
何がすごいって、アンナ・カリーナが自由奔放に生き生きと走り回っている。
吸えない煙草を吸い、カフェでは1分間の沈黙の後ダンスをし、
ルーブル美術館を警備員に止められながらも走り抜け、
強盗の覆面にするためパンストを脱ぎ、最後は、男と逃避行。

カフェでの沈黙では音声が消え、アンナがカメラに向かって話しかけるという
映画では掟破りの出来事と、映画館に遅れてきた観客に向けての補足ナレーションや、
ダンス中の3人の心境を語るナレーション。
そして、パリの街中を縦横無尽にかけ回る手持ちカメラ。

若き日のゴダールの映画への挑戦が伝わってきます。

大昔の白黒映画なのにオシャレで新鮮なのは何故だろう。。。。

それは。。。。ゴダールだからです。

どうしてみんな一体にならないんだ。
どうしてバラバラで離ればなれなんだろう。
離ればなれは不信と悲劇しか生まないのに。。。。
ラストの主人公のセリフより。


これぞゴダールの原点!!








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