マグロチャンピオンの料理道場

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オイスターソースを隠し味に使って「肉野菜炒め」を作る(9月の日替りランチ)

2011年09月02日 | 日替わりランチ
今回は「肉野菜炒め」について話をするが、野菜を炒める時のポイントは何といっても「火力」につきる。

それは、強火で短時間で炒めることで、野菜には火が入っているのに「シャキッとした食感」になるからだ。逆に弱火で野菜を炒めると、野菜から水気が出てしまい「べチャっとした食感」になってしまう。

家庭で野菜炒めを作る時には「強火」は難しいかも知れないが、フライパンを煙が出るくらいまで加熱してから野菜を炒めればいいだろう。もし、焦げ付きそうになったら、料理酒を振ってやれば蒸し焼き状態になり早く火を通すことができる。

それと、野菜炒めは必ず一人前ずつ作ろう。一度に多くの野菜を炒めると、野菜になかなか火が通らず煮物になってしまうからだ。

さて、美味しい野菜炒めを作るもう一つのポイントは隠し味に「オイスターソース」をつかうことだ。

下は「李錦記」のオイスターソースの写真。



このオイスターソースだが、広東の李錦裳(リ―キンショウ)という中国広東省珠海南水郷の人が「オイスターソース」を発明し「李錦記」を設立したと「李錦記」のホームページに書いてある。
          ↓
1888年,李锦记创办人李锦裳先生于广东省珠海南水镇发明蚝油,创立李锦记。

聞くところによると、この李錦裳(リ―キンショウ)は、料理人だったようで、ある日、牡蠣スープを作っていたところ、うっかり火を止めるのを忘れてしまい、その煮詰まったスープの味をみたところ牡蠣の濃厚な味とコクが備わり香りも良かったので、これに砂糖などを加えて味を整えて「オイスターソース」を作ったようだが、日本の「豚骨スープ」が火を止めるのを忘れてスープを白く濁らせてしまったのが始まりという話と同じように、料理とは何故か?失敗から新しい物が生まれることが多いようだ。

しかし、この李錦裳(リ―キンショウ)が生まれる、もっと昔から、中国の人は牡蠣を塩保存していたようで、そのエキスはいろいろな料理に使われていたようだ。

そして「牡蠣」の多く獲れる広東省では、今でもいろいろな料理にこの「オイスターソース」が使われている。

日本人に一番、馴染みがあるのも「広東料理」だろう。実際、横浜中華街にたくさんある中国料理店のうち、80%以上が「広東料理」の店だ。

特に「野菜炒め」などには100%、「オイスターソース」が使われていると言ってもいいだろう。

実際、この「オイスターソース」を隠し味に使って、「肉野菜炒め」を作るととても旨くなるから不思議だ。

◆「肉野菜炒め」の作り方

1)材料を用意する。

お好みの材料を揃えよう。

2)フライパンを火に掛け、油を加え豚肉を炒める。(火力はず~っと強火)


3)キャベツを加える。


4)他の野菜を加える。


5)鶏ガラスープを加える(粉末の鶏ガラスープ+水)


6)鍋を振りながら全体をよく混ぜ合わせる。


7)酒を加える。


8)味醂を加える。


9)塩・コショーを振る


10)醤油を加える。


11)オイスターソースを加える。


12)トンカツソース(中濃ソースでもOK)を加える。


13)更に鍋を振って、全体をよく混ぜ合わせる。


14)皿に盛って出来上がり。


さて、「オイスターソース」にもいろいろな種類があるので、試してみるのもいいだろう。
下が、「李錦記」以外に、うちの店でよく使っている「オイスターソース」の写真


炒め物に、「オイスターソース」を少量入れるだけで、コクが出て香りも良くなってくるから不思議だ。

しかし、先日、上海の「広東料理」の店に友人4人と一緒に行って、5品の料理を頼んだら、そのうち4品の料理すべてに「オイスターソース」が使われていて、どの料理もほとんど同じ味という不運なことがあった。

暫くの間は「広東料理」は遠慮しておこう。

さて、次回は「生麺を蒸し麺にする方法」と、その蒸し麺を使って「ソース焼きそば」を作ってみよう。



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