マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

11月のフェスティバル(2)第5回シラチャー日本祭り

2013年11月30日 | シラチャー ジャスミンホテル
今年も12月に入り残すところあと30日程となった。

急にシラチャーのジャスミンの厨房を預かることになり、8月からシラチャーの住民になったが、既に4か月が過ようとしている。

さて、先日、このジャスミンに滞在していると思われる方から「コメント」をいただいた。

前に話した「1本でたくさんの色の花を咲かす木」だが、どうやらうまく「つぎ木」をしてあるらしい。

1本の木が1年に何度「花」を咲かすのか分からないが、現在また「満開」になっているので、どうやら2か月に1回の頻度で花を咲かすのではないかと思う。

下が、今日の午前中に撮影した写真。


前回とまったく同じように綺麗な花を咲かしているが、色のコントラストも良くかなりの技術のある庭師が丁寧に「つぎ木」をしたのではないかと思う。

そこでちょっと考えたのだがジャスミンで「大葉紫蘇」を栽培できないだろうか?

バンコクでは容易に入手できる「大場紫蘇」だが、シラチャーではたまにロビンソンのスーパー「TOPS」で見かける程度でどこにも売っていないので週に一度、バンコクから運んでいる。

ジャスミンには広い庭があり「バナナ」等も栽培しているので、ここで「大場紫蘇」を栽培できればいいと思うので次回、日本への帰国時に種を探してみようと思う。

さて、11月には「ロイガトーン祭り」の他に「第5回日本祭り」というイベントがありうちの店も屋台を2つ(2ブース)出して参加することにした。

自分はシラチャーには今年の8月に来たばかりだが、このシラチャー「日本祭り」はシラチャーの日本人会が主催していて、今年で5回目になるようだ。

タイで活躍している日本の大手企業もスポンサーに連なり、タイ人と日本人の文化交流に一役かっているようだ。

下のポスターにもあるように2日間、歌や踊りやダンスやカラオケ等たくさんのプログラムと、タイの有名な歌手やバンドが参加してこの祭りを盛り上げているようだ。



今年は11月23日(土曜日)と11月24日(日曜日)と2日間に渡ってこのイベントが行われたが、屋台にて何を販売しようかずいぶんと迷った。

それは、主催者側から1品の販売価格の上限が60バーツ(約180円)と決められていたからだ。

昔、ヨーロッパのベルギーの「田川」で働いていた頃はよく仕出し(出張パーティー)に屋台を持って行き「寿司や「天ぷら」を出したものだが、うちの店のように高級食材を使っている場合には海老の原価だけでも60バーツ以上になってしまう。

あれこれと考えて、昔、ヨーロッパのベルギーの「田川」で働いていた頃のことを思い出した。

当時は日本がバブルの頃で、たとえばある日本の車のメーカーがクリスマスに、自社の車を販売しているベルギー中のディーラーを集めたパーティーでは、野球場位の広さのある場所を借りて3,000人以上の招待客を呼んでいた。

当然、「寿司」「天ぷら」の屋台を出すことにしたが人数が多いので他にもたくさんの屋台を出して欲しいとのことで、最終的に「おでん」と「焼き鳥」の屋台も出すことにした。

そして、こういう大きなパーティーというのは主催者や来賓(市長とか偉い人)の挨拶が長々とあって、それが終わって食事タイムになるとお客さんが一斉に屋台目がけて群がってくる。

中には熱い天ぷら鍋の中の海老にまで手を出すんじゃないか?と思われるお客さんもいる程で、「焼き鳥」の場合には生から焼いていたのではとても大人数のパーティーは間に合わない。

そこで考えたのが、お店であらかじめ焼いておいでパーティー会場に持って行き、蒸し器でそれを温め「焼き鳥」のタレを絡めて皿に盛りお客さんに提供する方法だ。

これによって、ベルギーのパーティーでは1晩に5,000本以上の「焼き鳥」を出したこともある。

そのことを思い出し、今回の「シラチャー日本祭り」も同じように「焼き鳥」を販売することにし、販売数を3,000本に設定した。

また「おでん」も出すことにし、小さなカップに「大根」の他に「イカ巻き」「ごぼう巻き」「野菜さつま揚げ」「竹輪」等のおでん串を盛り合わせた「おでん4種盛り合わせ」を500セット用意することにした。

今回、このイベントに参加しようと思ったのは「魚やす」を多くのお客様に知ってもらうということもあるが、このイベントを通してスタッフの結束を固めたかったということもある。

また、調理技術を教えるにはこういうイベントの時には最適だと思う。

実際、3,000本の焼き鳥を作る為に仕入れた「丸のままの鶏」は160羽以上だ。

それを「モモ」「胸肉」など部分ごとに捌いていくのだが、「ガラそうじ」と呼ばれる骨に残った僅かな肉を切り取る作業も教えて、特に首のまわりの肉は丁寧に取らせて、この部分も混ぜ串に刺して焼き鳥とした。

ご存知の方もいると思うが「美味しい」と評判の焼き鳥屋があったら、それらの店の多くが「首のまわりの肉」を一緒に刺して焼き鳥にしていると思う。

今では手が掛かりめんどくさいのでこうい仕事をする店は少なくなったと思うが、少し手を加えるだけでプロの味となる。

また、3,000本の串刺し作業もキッチンスタッフ全員にやらせたのだが、忍耐力があまりなく飽きっぽい性格のタイ人は、初めは他の仕事を探して串刺し作業から逃げていたの者もいたが、何日か続けるうちに皆で協力するようになり、連帯感が生まれてきた。なぜなら、2~3人なら何時間も掛かる作業でも皆で協力すれば数時間程で終わるのだ。

また、「おでん」も500セットを用意したが、素材毎に微妙に火の通し方を変えたり、「さつま揚げ等」は熱湯にくぐらして油抜きしてから煮る等、煮物の基本的なことを教えることができた。

料理技術というのは個人毎の「素質」もあるが、たいていの場合には数をこなした者が強いのではないかと思う。

そんな仕込みに追われた日々もあっという間に過ぎ、いよいよ本番前日になったので会場の下見に行ってきた。


ここが会場の中心で「やぐら」ができるようだ。

ステージも大きいが屋根が無いので雨が降らないことを祈るばかりだ。


いつもは「ロビンソンデパート」の駐車場になっている場所に屋台を準備している。

赤丸の部分が「魚やす」のブースの部分で主催者側が2ブースを用意してくれた。

そしていよいよ「日本祭り」当日となった。

午後の4時にはスタンバイを終えたが、待ちきれずにお店の前には既にお客さんが何組かいた。

だんだんと人通りも多くなってきた。

日が暮れてステージも盛り上がっているようだ。

客席もほぼ、満席の状況だ。

うちのブースも大忙しだ。

焼き鳥も大盛況となっている。

おでんのブースでスタッフと一緒に記念撮影。

まず、「おでん」が完売し、「焼き鳥」もすべて完売した。

こうして「日本祭り」は心配していた雨も降らずに無事に終了した。

うちのブースに来てくれた多くのお客様に感謝の気持ちと、うちのスタッフの労をねぎらいたい。。。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿