バンコクはここのところ蒸し暑い日が続き、お店のエアコンも全開にしていた為か、とうとう悲鳴を上げてしまったので、昨日、エアコンの業者に電話を掛けて、今日の午前中はエアコンのメンテナンスをすることにした。
朝の10時にその業者が来て11時半には終わるという約束だったが、時間にルーズなタイ人にしては珍しく、今朝はちゃんと10時に5人も来てエアコンのフィルターの洗浄などを始めたのだが、11時半になっても、まだフィールターを外したエアコンがむき出しのままになっているような状況で、結局、12時半過ぎまで掛かるというありさまだった。
今日のランチタイムは、当然、店の営業はできなかったが、夜のお客様からの『暑い!』という苦情のことを考えるとしかたがないだろう。
このような開店休業の状況だったので、キッチンスタッフを集めて来月の「日替わりランチ」を作ってみたりしていたのだが、一昨日から「キンチェー」の「齋食」(菜食)の行事が始まったので、「スパゲッティー・ぺペロンチーノ」を作って、『これだってキンチェー料理だろ?』と言ったところ、『それはキンチェーじゃない』と言われてしまった。
『だって、これは肉も魚も牛乳も使っていないし、野菜だって「にんにく」と「大葉しその刻んだ物」と、それにパスタと塩、コショーと干した唐辛子だけだろう』と言うと、「にんにく」も「大葉しそ」もキンチェー料理には使ってはいけないのだと言う。
うちのスタッフには以前、自分で屋台のタイ料理店を営んでいたのがいるので、彼にも聞いてみたのだが、にんにくのように精のつくもの、また、大葉しそのように香が強いものはダメなのだそうだ。
なんだか頭が混乱してきたので、ホールスタッフの女の子(おばさんかな?)に聞いてみたら、にんにく、生姜は野菜だからOKだと言うし、パクチー(香草)もOKだと言う。でも玉ねぎ、長ネギがダメなのは共通するみたいだ。
でも、おかしいじゃなか!玉ねぎ、長ネギだって野菜だろ?それに、唐辛子はダメなんじゃないのか?と言うと唐辛子は使ってもいいのだと言う。
皆の話をまとめてみようと思って聞いてみたのだが、ますます頭が混乱するばかりなので、それ以上は聞かないことにしたが、結局、皆もよく分かってないみたいだ。
また、日本の「齋食」(菜食)は精進料理に代表されるように、たとえば「おかゆ」と「たくわん」のように味も薄味なのだが、タイの場合には油も多く味も濃く、たくさん食べたら間違いなく太ってしまうのではないかと思う。
さて、また話が長くなってしまったので、今日は「IRON CHEF」に出場した時に作った「ハマチのクルセル寿司とカルパッチョ」の話をしよう。
下の写真がTV番組の時の料理を再現したものだ。
中央が「ハマチのセルクル寿司」でその周りが「ハマチのカルパッチョ」になっている。
この料理の特徴は、それぞれ違うソースで食べることだが、セルクル寿司の方はバルサミコ酢と醤油を混ぜて片栗粉で少し「とろみ」を付けてある。
また、カルパッチョの方のソースはEXバージンオリーブオイルにわさび、レモンの絞り汁、醤油を数滴垂らしてあり、どちらも和風のテイストにした。
それぞれのソースをもう少し詳しく紹介してみよう。
まず、バルサミコ醤油ソースの方だが、下記の「バルサミコ酢」を使用した。
バルサミコ酢は、スーパー等に行くと値段の安い物から高いものまでかなり価格の違いがあり、どれを選んでいいのか分からない人も多いと思うが、ブランデーの「コニャック」がフランスのコニャック地方だけで作られたものを「コニャック」と呼べるように、バルサミコ酢はイタリアのエミリア・ロマーニャ州のモデナという場所で作られるバルサミコ酢だけが本物のバルサミコ酢とされ、最低12年は熟成されている。
また、スーパーなどで安売りされるバルサミコ酢の場合には、熟成期間も短く「カラメル色素」で着色されたものがほとんどだ。
バルサミコ酢の原料は「ブドウ」だが、安いバルサミコ酢でも原料が「ブドウ100%」の物を選べば、それを半分まで煮詰めるとモデナのバルサミコ酢に近い味になるので料理に使うなら試してみるといいだろう。
◆「バルサミコ醤油ソース」の作りかた。
<材料>
醤油 大さじ3
バルサミコ酢 大さじ3
塩、コショー 適量
水溶き片栗粉 適量
<作り方>
①醤油とバルサミコ酢を混ぜ合わせる。
②小鍋に①を入れて温めて、水溶き片栗粉少量を加えて「とろみ」を付ける。
③塩・コショーを加えて味を整え冷ます。
さて、もう一種類のカルパッチョソースだが、「EXバージンオリーブオイル」にワサビと、レモンの絞り汁を混ぜたものに醤油を数滴加えるが、醤油とワサビを加えることによりぐっと和風の味になる。
醤油とバルサミコ醤油の相性もいいが、醤油とオリーブオイルの相性もいいので、ぜひ、作って食べてみて欲しい。
カンパチに限らず、マグロ、ホタテ、それに牛肉など、いろいろと試してみるといいだろう。
下記は今回使用した「EXバージンオリーブオイル」の写真だ。
オリーブオイルには「EXバージンオリーブオイル」と「ピュア」と2種類があるが、製法の違いなどは何度かこのブログでも説明したので今回は省略するが、加熱料理には「ピュア」を使い、サラダやカルパッチョ等の非加熱料理でオリーブの香りを楽しみたいならば「EXバージン」を使うといいだろう。
◆「カルパッチョソース」の作りかた。
<材料>
EXオリーブオイル 大さじ4
ワサビ 小さじ1
醤油 小さじ1
レモン汁 大さじ1
塩・コショー 適量
<作り方>
①ボウルにEXオリーブオイル、ワサビ醤油を入れてよく混ぜ合わせる。
②レモン汁を加えながらさらによく混ぜ合わせる。
③塩・コショーで味を整える。
さて、これで2種類のソースが出来上がったので、早速、セルクル寿司を作ってみよう。
「セルクル」って何?という人の為に、下記の写真の「リング」がセルクルと呼ばれている。
中に詰めるものは何を使ってもいいのだが、今回は「IRON CHEF」にて作ったものを再現してみよう。
◆「ハマチのセルクル寿司」の作り方
<材料>
寿司飯 100g
ハマチ 30g
蒸し海老 1尾
薄焼き卵 1/4枚
大葉しそ 1枚
干瓢(寿司用) 1本
いくら 大さじ1/2
浅葱 1本
<作り方>
①皿の中央にセルクルの型を置く。
②寿司飯を3等分して、その一つに干瓢の粗みじん切りを混ぜセルクルに詰める。(厚みは約1㎝)
③大葉しそを千切りにして①の上に散らす。更にその上に素焼き卵の千切りを散らす。
④さらに寿司飯3等分の一つをセルクルに詰める。(厚みは約1㎝)
⑤蒸し海老を5㎜角位に粗みじん切りにして、③の寿司飯の上に散らす。
⑥残りの寿司飯を蒸し海老の上からさらに詰める。
⑦ハマチを5㎜角のサイコロ状に切って、⑤の寿司飯の上に置き、上から指でさっと押さえつける。
⑧セルクルの型を外し、バーナーを使ってハマチをさっと炙る。
⑨天にいくらを盛り、いくらの上に約3㎝の長さに切った浅葱を2~3本飾る。
⑩セルクル寿司の周りに「バルサミコ醤油ソース」をきれいにあしらう。
さて、中央の「ハマチのセルクル」寿司が出来上がったところで、もう一つの「ハマチのカルパッチョ」も続けて作ろう。
◆ハマチのカルパッチョの作り方。
<材料>
ハマチ 50g
ホタテ貝柱 2個
赤貝 2個
プチトマト 2個
野菜(サニーレタス、トレビス、エンダイブなど) 適量
塩・黒コショー 適量
<作り方>
①ハマチは薄くスライスする。
②ホタテ貝柱、赤貝も同じように薄くスライスする。
③プチトマトは半分に切り、野菜を小さく手でちぎる。
④すべての材料を冷蔵庫で冷やしておく。(または冷水に取って、水気をキッチンペーパーで拭く)
⑤皿に綺麗に盛りつけ、軽く、塩と黒コショーを振る。
⑥「カルパッチョソース」を掛ける。
これで、「IRON CHEF Thailand」で作った「ハマチのセルクル寿司とカルパッチョ」の出来上がりだが、実は本番ギリギリまで迷っていたことがある。
それは、「セルクル」を使わずに製菓用の「ケーキの型」を使おうか?ずいぶんと迷ったものだ。
その型とは下記の写真のようなものだ。
内側の写真
外側の写真
結局、撮影の本番では「セルクル」を使ったのだが、もし、「ケーキの型」を使っていたら下記のような料理になっていたはずだ。
この「寿司ケーキ」は、お誕生日やお祝い事の時に作ってみるといいだろう。
尚、前回のブログで「宝くじ」を3枚買ったことを書いたが、16日に抽選がありみごとに外れていた。
結局、「汗水たらして働く」運命なのだろう・・・
さて、「IRON CHEFThailand」で作った4品のうち、3品を紹介してきたが、次回は最後の一品の「ハマチの豆乳しゃぶしゃぶ」の話をしよう。
朝の10時にその業者が来て11時半には終わるという約束だったが、時間にルーズなタイ人にしては珍しく、今朝はちゃんと10時に5人も来てエアコンのフィルターの洗浄などを始めたのだが、11時半になっても、まだフィールターを外したエアコンがむき出しのままになっているような状況で、結局、12時半過ぎまで掛かるというありさまだった。
今日のランチタイムは、当然、店の営業はできなかったが、夜のお客様からの『暑い!』という苦情のことを考えるとしかたがないだろう。
このような開店休業の状況だったので、キッチンスタッフを集めて来月の「日替わりランチ」を作ってみたりしていたのだが、一昨日から「キンチェー」の「齋食」(菜食)の行事が始まったので、「スパゲッティー・ぺペロンチーノ」を作って、『これだってキンチェー料理だろ?』と言ったところ、『それはキンチェーじゃない』と言われてしまった。
『だって、これは肉も魚も牛乳も使っていないし、野菜だって「にんにく」と「大葉しその刻んだ物」と、それにパスタと塩、コショーと干した唐辛子だけだろう』と言うと、「にんにく」も「大葉しそ」もキンチェー料理には使ってはいけないのだと言う。
うちのスタッフには以前、自分で屋台のタイ料理店を営んでいたのがいるので、彼にも聞いてみたのだが、にんにくのように精のつくもの、また、大葉しそのように香が強いものはダメなのだそうだ。
なんだか頭が混乱してきたので、ホールスタッフの女の子(おばさんかな?)に聞いてみたら、にんにく、生姜は野菜だからOKだと言うし、パクチー(香草)もOKだと言う。でも玉ねぎ、長ネギがダメなのは共通するみたいだ。
でも、おかしいじゃなか!玉ねぎ、長ネギだって野菜だろ?それに、唐辛子はダメなんじゃないのか?と言うと唐辛子は使ってもいいのだと言う。
皆の話をまとめてみようと思って聞いてみたのだが、ますます頭が混乱するばかりなので、それ以上は聞かないことにしたが、結局、皆もよく分かってないみたいだ。
また、日本の「齋食」(菜食)は精進料理に代表されるように、たとえば「おかゆ」と「たくわん」のように味も薄味なのだが、タイの場合には油も多く味も濃く、たくさん食べたら間違いなく太ってしまうのではないかと思う。
さて、また話が長くなってしまったので、今日は「IRON CHEF」に出場した時に作った「ハマチのクルセル寿司とカルパッチョ」の話をしよう。
下の写真がTV番組の時の料理を再現したものだ。
中央が「ハマチのセルクル寿司」でその周りが「ハマチのカルパッチョ」になっている。
この料理の特徴は、それぞれ違うソースで食べることだが、セルクル寿司の方はバルサミコ酢と醤油を混ぜて片栗粉で少し「とろみ」を付けてある。
また、カルパッチョの方のソースはEXバージンオリーブオイルにわさび、レモンの絞り汁、醤油を数滴垂らしてあり、どちらも和風のテイストにした。
それぞれのソースをもう少し詳しく紹介してみよう。
まず、バルサミコ醤油ソースの方だが、下記の「バルサミコ酢」を使用した。
バルサミコ酢は、スーパー等に行くと値段の安い物から高いものまでかなり価格の違いがあり、どれを選んでいいのか分からない人も多いと思うが、ブランデーの「コニャック」がフランスのコニャック地方だけで作られたものを「コニャック」と呼べるように、バルサミコ酢はイタリアのエミリア・ロマーニャ州のモデナという場所で作られるバルサミコ酢だけが本物のバルサミコ酢とされ、最低12年は熟成されている。
また、スーパーなどで安売りされるバルサミコ酢の場合には、熟成期間も短く「カラメル色素」で着色されたものがほとんどだ。
バルサミコ酢の原料は「ブドウ」だが、安いバルサミコ酢でも原料が「ブドウ100%」の物を選べば、それを半分まで煮詰めるとモデナのバルサミコ酢に近い味になるので料理に使うなら試してみるといいだろう。
◆「バルサミコ醤油ソース」の作りかた。
<材料>
醤油 大さじ3
バルサミコ酢 大さじ3
塩、コショー 適量
水溶き片栗粉 適量
<作り方>
①醤油とバルサミコ酢を混ぜ合わせる。
②小鍋に①を入れて温めて、水溶き片栗粉少量を加えて「とろみ」を付ける。
③塩・コショーを加えて味を整え冷ます。
さて、もう一種類のカルパッチョソースだが、「EXバージンオリーブオイル」にワサビと、レモンの絞り汁を混ぜたものに醤油を数滴加えるが、醤油とワサビを加えることによりぐっと和風の味になる。
醤油とバルサミコ醤油の相性もいいが、醤油とオリーブオイルの相性もいいので、ぜひ、作って食べてみて欲しい。
カンパチに限らず、マグロ、ホタテ、それに牛肉など、いろいろと試してみるといいだろう。
下記は今回使用した「EXバージンオリーブオイル」の写真だ。
オリーブオイルには「EXバージンオリーブオイル」と「ピュア」と2種類があるが、製法の違いなどは何度かこのブログでも説明したので今回は省略するが、加熱料理には「ピュア」を使い、サラダやカルパッチョ等の非加熱料理でオリーブの香りを楽しみたいならば「EXバージン」を使うといいだろう。
◆「カルパッチョソース」の作りかた。
<材料>
EXオリーブオイル 大さじ4
ワサビ 小さじ1
醤油 小さじ1
レモン汁 大さじ1
塩・コショー 適量
<作り方>
①ボウルにEXオリーブオイル、ワサビ醤油を入れてよく混ぜ合わせる。
②レモン汁を加えながらさらによく混ぜ合わせる。
③塩・コショーで味を整える。
さて、これで2種類のソースが出来上がったので、早速、セルクル寿司を作ってみよう。
「セルクル」って何?という人の為に、下記の写真の「リング」がセルクルと呼ばれている。
中に詰めるものは何を使ってもいいのだが、今回は「IRON CHEF」にて作ったものを再現してみよう。
◆「ハマチのセルクル寿司」の作り方
<材料>
寿司飯 100g
ハマチ 30g
蒸し海老 1尾
薄焼き卵 1/4枚
大葉しそ 1枚
干瓢(寿司用) 1本
いくら 大さじ1/2
浅葱 1本
<作り方>
①皿の中央にセルクルの型を置く。
②寿司飯を3等分して、その一つに干瓢の粗みじん切りを混ぜセルクルに詰める。(厚みは約1㎝)
③大葉しそを千切りにして①の上に散らす。更にその上に素焼き卵の千切りを散らす。
④さらに寿司飯3等分の一つをセルクルに詰める。(厚みは約1㎝)
⑤蒸し海老を5㎜角位に粗みじん切りにして、③の寿司飯の上に散らす。
⑥残りの寿司飯を蒸し海老の上からさらに詰める。
⑦ハマチを5㎜角のサイコロ状に切って、⑤の寿司飯の上に置き、上から指でさっと押さえつける。
⑧セルクルの型を外し、バーナーを使ってハマチをさっと炙る。
⑨天にいくらを盛り、いくらの上に約3㎝の長さに切った浅葱を2~3本飾る。
⑩セルクル寿司の周りに「バルサミコ醤油ソース」をきれいにあしらう。
さて、中央の「ハマチのセルクル」寿司が出来上がったところで、もう一つの「ハマチのカルパッチョ」も続けて作ろう。
◆ハマチのカルパッチョの作り方。
<材料>
ハマチ 50g
ホタテ貝柱 2個
赤貝 2個
プチトマト 2個
野菜(サニーレタス、トレビス、エンダイブなど) 適量
塩・黒コショー 適量
<作り方>
①ハマチは薄くスライスする。
②ホタテ貝柱、赤貝も同じように薄くスライスする。
③プチトマトは半分に切り、野菜を小さく手でちぎる。
④すべての材料を冷蔵庫で冷やしておく。(または冷水に取って、水気をキッチンペーパーで拭く)
⑤皿に綺麗に盛りつけ、軽く、塩と黒コショーを振る。
⑥「カルパッチョソース」を掛ける。
これで、「IRON CHEF Thailand」で作った「ハマチのセルクル寿司とカルパッチョ」の出来上がりだが、実は本番ギリギリまで迷っていたことがある。
それは、「セルクル」を使わずに製菓用の「ケーキの型」を使おうか?ずいぶんと迷ったものだ。
その型とは下記の写真のようなものだ。
内側の写真
外側の写真
結局、撮影の本番では「セルクル」を使ったのだが、もし、「ケーキの型」を使っていたら下記のような料理になっていたはずだ。
この「寿司ケーキ」は、お誕生日やお祝い事の時に作ってみるといいだろう。
尚、前回のブログで「宝くじ」を3枚買ったことを書いたが、16日に抽選がありみごとに外れていた。
結局、「汗水たらして働く」運命なのだろう・・・
さて、「IRON CHEFThailand」で作った4品のうち、3品を紹介してきたが、次回は最後の一品の「ハマチの豆乳しゃぶしゃぶ」の話をしよう。
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