マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

サラダドレッシングを紹介しよう。

2008年05月01日 | 酒肴
今回はうちの店のサラダドレッシングを紹介しよう。

このドレッシングは以前、タイの店の時に現地のフルーツを使ったドレッシングが作れないものかと試行錯誤して完成させたものだが、うちの店では「ズワイ蟹サラダ」に使っている。

レタスを手でちぎって冷水に浸けてよく冷やしパリッとさせて、その上にズワイ蟹のほぐし身と、サーモンのスライス、握り寿司用にボイルして開いた海老やマグロのスライスや、鯛やヒラメな白身魚のスライスを並べ、上からこのドレッシングを掛けて食べるのだが、ほどよい酸味とフルーツの甘みが魚介類との相性が良く、女性客だけではなく男性客にも評判のサラダとなっている。

野菜はレタスの他はニンジンの千切りや、パプリカを薄くスライスしたものなど、季節の野菜を使って綺麗に盛り付けよう。

■サラダドレッシングの配合
材料:
ニンジン        100g
パイナップル     150g
玉ねぎ         1/2個
りんご         1個
サラダオイル      300cc
米酢           150cc
マスタード        5g
生玉子         1個
塩            15g
コショー        少々
マヨネーズ       500g 

作り方:
①ニンジンなど硬い野菜皮を剥いて細かく切る。
②パイナップルとりんごは芯と皮は取り除き同じように細かく切る。
③玉ねぎを細かく切る。
④フードプロセッサーかミキサーにサラダオイルと酢と玉子を入れ、硬い野菜から少しづつ加えて少し粒が残る位にする。
⑤ボウルにマヨネーズを入れ、④を加えてよく混ぜ合わせる。
⑥マスタード、塩、コショーで味を整える。

タイのパイナップル等のフルーツは、とても甘みが強いのだが、日本で生のパイナップルを使う場合には酸っぱいと感じたら少し砂糖を加えてやればよいだろう。

今回は、タルタルソースの配合も書いておく。牡蠣フライやサーモンフライに使うと良いだろう。

■タルタルソースの配合
材料:
ゆで玉子       300g
玉ねぎ         3個
マヨネーズ      300g
ピクルス        70g
パセリ         1束
コショー        少々
砂糖          少々
塩           少々

作り方:
①玉ねぎはみじん切りにして冷水にさらし、フキンかキッチンペーパーで包んで水分を絞りだす。
②茹で玉子は包丁で細かく切る。
③ピクルスとパセリはみじん切りにする。
④ボウルにマヨネーズを入れ、①と②と③を加えよく混ぜ合わせる。
⑤砂糖を少量加え、塩・コショーで味を整える。

うちの店では、カキフライやサーモンフライにはタルタルソースの他に、トンカツソースを添えているが、市販のトンカツソースは塩分が強いので、トンカツソース7:3トマトケチャップを鍋に入れて火に掛け、酒を0.5~1を加えて伸ばし、醤油を少し入れている。

店によって味が違うのはあたり前だが、うちの店ではソースやタレは少し甘いかなと思う位の味に仕上げている。
         

中国の酒粕で「鮭の粕漬け」をつくってみた

2008年04月28日 | 酒肴
今は中国の多くの場所で日本酒や焼酎をつくっているようで、うちの店にも営業の担当者がやって来る。

価格も日本に比べて安く、味の方も最近はだいぶ良くなってきているので、宴会用に2種類ほど置いているが、先日、業者に「酒粕」はどうしているのか聞いたら、豚などの飼料にしているとのこと。、それではもったいないので、10㎏程タダで分けてもらい、早速、「酒の粕漬け」を作ってみたのだが、これがなかなかいけるので、今回はレシピを紹介しよう。

材料:
サーモン  100gの切り身×10枚
塩     少々

(粕床)     お玉(100g)が基準
酒粕    1000g
酒      お玉で6杯
みりん   お玉で3杯
塩      お玉で1杯
砂糖    お玉で3杯

作り方:
①鮭(サーモン)を100gの切り身にして、塩を振り冷蔵庫に2~3時間入れる。(うちの店ではアトランティックサーモンの脂のある物を使っている。)
②酒粕を細かくちぎり、当たり鉢に入れ、酒とみりんでのばしながら、砂糖と塩を加える。
③冷蔵庫から①を取り出して、表面の塩を洗い流し水切りし、フキンかキッチンペーパーで水気を拭く。
④バットに②の粕床を敷き③を並べ、粕床を上から乗せ、鮭にまんべんなく酒粕を絡ませる。
⑤ラップを掛けて、冷蔵庫に入れる。



食べ頃は3日~1週間程だが、たくさん作って冷凍しておくのも良いだろう。

jjkenさんのタイからの便りでは、マンゴやマンゴスティンなどのフルーツがたくさん出回っているようで、恵みの雨をたっぷり受けた大地が太陽を受けてフルーツが甘みを増す様子が伝わってくる。

この一ヶ月程、中国のこれからについて考えてみたが、チベットに自由が無いように、中国人にも自由というものが少ないように思えてならない。

フルーツに水と太陽の恵みが必要なように、人には何が必要なのかを中国が問われる時が来ているような気がする。。。


大連の活けの地魚を使った「やん衆鍋」

2008年04月18日 | 酒肴
今年のタイはとても暑いようだが、jjkenさんもきっと汗を書きながら頑張っているようだ。
タイのソンクラーンは日本のお正月のようなものだが、熱心な仏教徒の多いタイではこの期間中は、仏像を水で洗い清めたり墓参りをする。

ソンクラーンは水掛け祭りで有名だが、この時期に水を掛け合うのはただ楽しみのためだけではなく、耕作期に十分な雨が降るように、という願いも込められている。

タイでは「ナガ」という神話上の蛇が海で水を吹き出しながら遊ぶことで雨が振る、との言い伝えもあり、蛇が水を吹き出せば吹き出すほど、より多くの雨が降ると信じられているようだ。

jjkenさんのコメントのように、ソンクラーン(4月13日~15日)の後に雨が降り出したというのは、きっとタイの人の願いが神に伝わったのだろう。

ちなみに、ソンクラーンの最後の日が過ぎても雨が降り始めない時には、歌い、踊りそして水掛けを続けるようだ。

さて、大連は3方を海に囲まれているので、新鮮な魚介類が多いような印象を受けるが、実際にはそれほど多くの種類の魚は揃わない。

なぜ、種類が少ないか疑問だが、大連には川が無いので山からの栄養分が海に流れ込まないのが原因のようだ。魚も痩せているものが多い。

アイナメ、黒ソイ、オコゼなどは周年あるが、活けの海老やカンパチ、鯛やヒラメ等もほとんどが養殖物だ。

うちの店では、活けの「オコゼや、アサリ、シャコ、海老」等を活きたまま捌いて「やん衆鍋」という鍋料理をかつお出汁か味噌味か、お客様の好みで出しているが、オコゼの鍋はとても美味しく寒い日にはよく出ている商品だ。

川魚は美味しくないので使っていないが、中国の海の無いところでは、魚と言えば淡水魚を指す。身が柔らかく、骨の多い魚ばかりだが、中華風にコッテリとした味を付けてしまえば、どの魚を食べてもみんな同じ味になってしまうだろう。

2年程前に、中国の沿岸部を車で見て廻ったことがあるが、福州などでは鯛やヒラメやカンパチの養殖がさかんに行われている。



養殖魚は中国国内向けには、まだ価格も高いので多くが日本向けに出荷されている。

海南島近くで稚魚を捕獲して、それを生簀に入れて餌をやり、カンパチならば250g位まで育てて、500トン程の大きな運搬船で日本に活きたまま運ばれる。

これを日本の生簀に移して2か月もすると、中国産が日本産へと変身してしまうのだ。
同じように、アサリやハマグリも中国産が日本産として日本で販売されている。



近年、中国の海はものすごく汚染されてきている。

特に貝類を食べる時には産地の確認が必要ではないかと思う。。。





塩辛ヤム(タイ風塩辛)は刺激的な味

2008年03月19日 | 酒肴
昨日は久しぶりに休暇を取って、大連市内からマイクロバスで1時間半程の旅順の近くにある「老鉄山温泉」に一人で行ってきた。

以前、ベルギーに居た時に、毎日、たくさんのマグロを解体していたのだが、ついに腰を傷めてしまい約1か月の入院生活となってしまったのだが、今でも無理がたたると腰にきてしまう。

一週間程前から、この持病の「腰痛」が始まってしまったが、こういう時は、温泉に浸かり体を温め、マッサージが一番だ。

昨日は朝の10時半に無料の送迎用のマイクロバスで大連市内から「老鉄山温泉」に向かったのだが、温泉は平日ということもあってかお客さんが少なく、ほとんど貸切り状態で久しぶりにのんびりとした一日を過ごすことができた。

この温泉の効能はよく分からないが、とにかくお客が少なく、ゆっくり体を休めるには良い場所ではないかと思う。

さて、今日の料理は「塩辛ヤム」だ。

前のバンコクの店でもこの料理を置いていたのだが、とても人気のメニューでよく出ていた。(ちなみにヤムとはタイ語で「サラダ」の意味だ。)

真イカの新鮮な物が入手できれば塩辛は簡単に作れるので、自分で作ると良いだろう。作り方は、肝を破らないように外し、そのままたっぷりの塩に2日程漬けて、身の方は1日風干ししてから細く切り、薄く塩をして冷蔵庫に入れておく。
2日したら、肝を水洗いしてフキンで拭いてから中身を絞り出し、細く切った身と混ぜるだけだ。

材料:
塩辛           50g
唐辛子         2~3本
にんにく(みじん切り) 大匙1
味の素          少々
キューリ          1本
レモン又はライム    1/2個

作り方:
①にんにくをみじん切りにする。
②唐辛子は種を取り小口切りにする。辛いのが好きな人は種を取らなくても良い。
③キューリに塩をまぶし板づりして、熱湯に通してから氷水の中で冷やし、薄くスライスする。(熱湯に通し、氷水に入れると綺麗な緑色になる。)
④小さなボールに塩辛、①のにんにくと②の唐辛子を入れ、味の素少々を加えて、レモン又はライムを絞って混ぜ合わせる。
⑤小さな器に入れて、皿の中央に置き、キューリのスライスを並べる。

キューリの上に塩辛を乗せて食べるのだが、やみつきになる味だ。

市販の塩辛でも良いので、この刺激的な辛さに一度、挑戦してみて欲しい。。。





あん肝の酒蒸しと工場での思い出(最終回)

2008年03月14日 | 酒肴
これまで、工場での「あん肝の酒蒸し」の生産について書いてきたが、今回はお店での「あん肝の酒蒸し」の作り方に付いて説明をしよう。

このページに貼り付けてある写真は、中国工場でつくってきた冷凍の「あん肝の酒蒸し」で作った料理の写真で、タイのバンコクの店で撮ったものだ。

さすがにタイでは「あんこう」の水揚げが無いので、中国の工場からバンコクにハンドキャリーで持ってきて使っていた。

半解凍の時に切って盛り付けるだけで、立派な「あん肝の酒蒸し」になる。(写真をクリックすると拡大)

さて、お店での作り方だがとても簡単だ。

蒸し上がりの形が多少ゆがんでいても、盛り付けでカバーできるだろうから、失敗を恐れないで作ってみよう。

できれば、あん肝はなるべく大きなサイズの物を選ぼう。
小さなサイズは脂が少ない。

あん肝の美味しい季節は、10月までは脂が薄く、11月過ぎに脂が乗ってくるが、3月になると嘘のように脂が抜けるので、食べ頃は11月~2月までだ。

早速、作って行こう。

①あん肝はよく水洗いをする。
②強めに塩を振って1時間程置き締める。
③塩を洗い流して、血菅をトゲ抜きで綺麗に取り除く。
④2㎝位の大きめに切って、塩少々と酒少々を加えて混ぜる。
⑤ラップを広げて④を乗せ、4㎝~5cmの円柱になるように巻き、両端を輪ゴムで留めるか糸で縛る。
⑥さらにその上からアルミホイルを巻く。
⑦蒸し器に入れ、20分~30分蒸して蒸し器から取り出し、冷めてから冷蔵庫に保管する。

ポイントだが、血菅を綺麗に取り除くことだ。
血管以外でも血の固まっているところがあれば、もったいないが切り取って捨てよう。

美味しい「あん肝の酒蒸し」を作るには、鮮度の良い材料(鮮度が落ちると緑色に変色する)を選ぶことと、血菅と血のまわっている部分を綺麗に取り除くことだけだ。
臭みの無い最高の味になる。

美味しい「あん肝の酒蒸し」を作ってみよう。。。


あん肝の酒蒸しと工場での思い出(3)

2008年03月14日 | 酒肴
プーケットのマグロ工場に着いても、ケーシングのことが頭から離れない。
どうしたら破れないケーシングを見つけられるのだろう?

豚や羊のケーシングも試したが、動物の腸では破れてしまう。

ビニール素材は熱に弱く、また、あん肝を詰めて外側から針で穴を開けてやっても中に気泡がたくさん出来てしまって、最終商品の品質にバラツキきが出てしまう。

食品の開発をしている友人に片っ端からメールや電話を掛けてみたが、皆も分からないという答えばかりだった。

そんな時、たまたま、携帯の電話のベルが鳴った。日本からの電話で昔からお付き合いのある包材メーカーの水沼さんからだった。

水沼さんは筆者と歳はちょうど2回り上で兄貴のような存在の人だ。たまに日本に帰る時に連絡すると呑みに誘ってくれていろいろと話を聞いてくれる。

以前、まぐろ商社に勤務していた時に冷凍マグロ柵の急速解凍袋「食べころ君」という商品を作って東急ハンズ等に販売したのだが、少ロットでの生産を引き受けてくれて、また「実用新案」を取る時には、データ取りに親身になって協力してくれた。

水沼さんからの電話はいつものように『元気でやってる?今度はいつ日本に帰るの?』というものだった。

そこで近況を報告し、破れない「ケーシング」を探している話をして電話を切ったのだが、それから1時間もしないうちに水沼さんから電話があった。

『ファイバーケーシングを使ってみてはどう?』ということだった。ハムやソーセージを製造する時に使用するかなり強度のある紙のような素材とのことだった。

サンプルを直ぐに送るということで、たまたま中国の工場の社長が日本に居たので、そこに送ってもらい工場に届くようにしてもらった。

しかし、その当時は『ファイバーケーシング』を見たこともなく、とても不安だったのだが、これが非常に優れものだった。

その後、プーケットから中国の工場に飛んで行って早速試してみたところ、あん肝をこのケーシングに入れて、両端からギューギュー絞っても決して破れないし、その状態で高温で蒸しても袋が破裂することも無かった。

さて、ケーシングさえ見つかれば、後は特に問題ない。

あん肝の血菅の掃除も、1~2秒、ブランチングすれば、血菅が浮き出ていとも簡単に取り除けることが分かった。
また、アクティバの結着時間も何度かテストをして冷蔵庫に2時間も入れて置けば良いことも分かった。

そして、2月3月とほとんど工場に居るような状況で2トンの製品を日本に出荷した。

価格は、2,500円/㎏としたが、ちょっと季節外れなのに直ぐに完売となった。

そして、その年の10月からの大手居酒屋チェーンの冬のメニューへの採用も決まり、廻転寿司チェーンへの販売も決まって、結局その年は10月~1月まで、ほとんどその工場で寝泊りしながら、15トン以上の冷凍「あん肝の酒蒸し」を生産して日本に送った。

しかし、孤独な日々だった。朝から晩まで商品を作り、工場の食堂で女工さん達と一緒に食事をするのだが、当時は中国語がまったく駄目で、皆が一生懸命に話し掛けてくれるのだが、ただ、うなずくしかなかった。

結局、この商品は翌年も同じ位の数量を作ったのだが、2年で生産を中止した。

原料となる「あん肝」の入荷が少なくなり、とても採算が合わなくなったからだ。

中国の魚市場に行くと、手のひらサイズの小さな「あんこう」が売られているのを見掛ける。

あんなに小さなサイズまで、底引き縄で根こそぎ獲ってしまったら、「あん肝」が不足するのは当然だろう。

以前にも、「これからは食料の奪い合いの時代になるだろう」と書いたが、「あん肝」に限らず、全ての海洋資源が同じようになっているのだと思う。。。









あん肝の酒蒸しと工場での思い出(2)

2008年03月13日 | 酒肴
新商品の冷凍の「あん肝の酒蒸し」の開発は、工場に試作品を作りに行く前に、以前から付き合いのある大手居酒屋チェーンや、廻転寿司チェーンの仕入れ担当者に話をしたところ、かなり興味を持ってくれた。あとは価格の問題だけだったが、小さいサイズのあん肝原料は二束三文と聞いていたこともあり、なんとかなるだというという思いで上海の工場に飛んだ。

上海の浦東空港には、また「将さん」が迎えに来てくれて、早速、工場に向かった。

工場に着いたら、以前、日本の石巻の水産工場に3年間程、実習生として行っていた「王さん」という女性が出迎えてくれたが、彼女は日本語が少し分かり、とてもまじめな人で「あん肝」作りでは、本当に戦力となって手伝ってくれた。
もし、彼女が居なかったら、冷凍の「あん肝の酒蒸し」は成功しなかっただろう。

例の河豚捌きの上手な工場長は既に居なかったが、酒癖が悪かったので、たぶんそれが原因なのだろう。

工場の社長は大連に行っていて不在だったが、3日後には戻るようだった。

上海に到着したのが既に夕方でもあり、その日は「将さん」「王さん」そして、工場の社長が居ない時の代役の「ガン副経理」と一緒に食事をしながら、生産スケジュールの打ち合わせとなった。

さて、翌朝から早速、試作を開始した。あん肝原料は20㎏程、既に工場に届いていて鮮度も良かった。

しかし、小さな「あん肝」なので、ピンセット(後からは大きなトゲ抜きに変更)では、なかなか思うように血管が取れないし、王さんも慣れていないので、1キロのあん肝原料の血菅を取り除く掃除をするのに、1時間以上も掛かってしまう。

仮に居酒屋メニューに採用になった場合には、300店舗以上あるので、季節メニューとしても、13トンから15トンの製品を作らなければならない。

あん肝のシーズンが10月から12月までと考えて、この期間に製品で15トンを作るとすると、1ヶ月に7,500㎏。これを30日で割って、1日で250㎏の生産となる。

仮に1日に250㎏の製品を作るとするとして、歩留まりを60%と考えても420㎏を1日で処理しなければならない。(実際はもっと歩留まりは悪かったのだが、その時は少量作った時のデータしか無かった)

1時間に1キロしかあん肝原料の血菅の掃除ができないと、仮に10時間ぶっ通しでやったとしても、この作業だけで42人もの女工さんが必要となってしまう。

なんとか、王さんと二人で血菅の掃除を終えて、塩と酒を加えてから2つのバットに分けて、日本から持ち込んだ2種類の結着剤(接着剤)を、それぞれのバットにまぶしてから、結着剤のメーカーの指示通リ、冷蔵庫で一晩寝かせることにした。(冷蔵庫の温度は5℃~8℃)

次の朝、冷蔵庫に行ってみると、アクティバを加えた方は前の日はかなり水っぽかったが、今日はカスタードクリームのような硬さになっていた。そのまま舐めてみたが、薬品の味も感じられずイメージ通リだ。

ミートボンドの方は、少しは硬くなっているものの、同じようにそのまま舐めてみて、直ぐに駄目だと思った。独特のエグ味がして、これは肉には良いかも知れないがこの商品には使えない。

さて、いよいよこれをケーシングに詰める作業を始める。

塩蔵の豚の腸を水の中で綺麗に洗った後で、その中にスプーンで詰めるのだが、なかなかうまく入らない。しかたなく、キッチンに行って金属製の「ジョーロ」を見つけてきて、下の方を少し切ってそれを使いなんとかケーシングに積めて、ソーセージのようにして、10㎝程の長さで両箸をたこ糸で縛る。

蒸し機の方はかなり大型で、これなら1回に50㎏以上は処理できそうだ。

台車にトレーを8枚程、水平に並べることができ、台車のまま蒸し機に入れられることができるようになっている。

蒸し機の温度は既に100℃近くになっていたので、ドアを開けて実験用のサンプルをトレーに置いて台車ごと蒸し機に入れて蒸し器のドアを閉める。

それから、時計を見ていたのだが、5分も経たないうちにとても生臭い強烈な臭いが立ち始めたので、直ぐに蒸し機のスイッチを止めてドアを開けると、そこにはケーシングが破れ、中身が飛びだしたあん肝が散乱している状況で、何よりその臭いが強烈で、しばらくは何も食べたくなくなるような、気持ちの悪い臭いだった。

実験は見事に失敗して、しばらくはボーゼンとして頭の中が真っ白になってしまった。

それから、ラップで包んでみたり、雨の日にデパートの入り口に置いてある、傘用のビニール袋に入れてのテストをしてみたが、ラップに巻いたのでは生産効率が悪く、また、均一の商品を作るのが難しく、雨傘は同じように蒸し機の中で爆発してしまった。蒸し機の温度が高いのが原因だが、蒸し器の庫内温度が高くないと一度にたくさん処理できないし、温度が低いと細菌を殺せないだろう。

いったい、どうしたらいいんだ?

結局、どうゆう手立てもなく一度引き揚げることになる。

マグロの仕事でプーケットに行かなければならない用事もあったのだが、試作品だけでも完成させたかった。工場の社長とも会わずに帰るのがとても情け無い。

そして、毎日、頭の中はケーシングのことでいっぱいだった。。。













あん肝の酒蒸しと工場での思い出(1)

2008年03月13日 | 酒肴
今回は「あん肝の酒蒸し」(あんこうの肝臓に酒と塩を振り蒸した料理)の作り方の説明をするが、この商品には食品加工での辛い思い出もあり、まずはその話からしよう。

以前、筆者がプーケットのマグロ工場に居る時に、ひょんなことから上海の浦東空港の近くの中国人経営の水産加工工場を見に行くことになった。

バンコク発、上海行きの am 02:30発のMG(中国東方航空)の飛行機の離陸が2時間も遅れて、また飛行中の大きなの揺れに一睡もできずに眠たい目をこすりながら上海の浦東空港に昼前に着いたら工場の中国人通訳の「将さん」が笑顔で待ってくれていた。

工場は本当に浦東空港からすぐ近くの、車で10分程の距離にあったが、新しい開発区なのか周りには商店も何も無い寂しい場所だった。

工場に着くと早速、中国人社長の出迎えを受け、工場内に案内されたのだが、驚いたことに工場内には何の設備もなくガラガラの状況だった。

その日の昼は、眠くてボ~っとしているところに、近くのレストラン(食堂?)に食事に行くことになり、ぬるいビールの乾杯を受けながら工場のいきさつを聞くことになった。

まず、工場に-60℃の超低温の冷凍庫があるのが不思議だったので聞いてみた。(実は超低温があるのは分かっていたので、この工場を見に来たのだが)

その社長の話では、どこか日本の商社から「中国マーケット向けにマグロの販売を一緒にやらないか?」と持ちかけられたとの事だった。しかし、その日本の商社は自分達で独自に新たに大きな工場を建ててしまって、せっかく建てたこの工場を何とか稼動させなければならないが、何をしたら良いか分からないとの事だった。(日本人だけが騙されているのではなく、中国人も騙されるケースもあることを知った。)

何とかプーケットのマグロを中国向けに販売したいとの思いでここまで来たものの、社長の話を聞くと、中国でのマグロの関税が異常に高い上に、COマグロという質の悪いマグロに一酸化炭素ガスを吹きかけて赤く発色させた安価なマグロが既に中国国内にたくさん流通していて、マグロではとても中国では勝ち目は無さそうだ。

そこで、水産物でどんな原料をたくさん集められるか、明日、工場で原料を見せて欲しいという話を伝え、その日の夜の食事でも乾杯の洗礼を受けたが、早めに帰してもらい工場の2階の一応は客室?で爆睡ということになった。

次の日、工場のスタッフが朝食ができたと呼びにきてくれて、工場の食堂で朝飯を食べた。若布が少し入った水のようなスープと、瓜と卵の炒め物だったが、その時はまだ、これから何度もこの工場に来て、この料理を何度も食べるようになるとは思ってもいなかった。

朝飯が終わってから白衣に着替えて工場に入る。(何も設備が無いのだから白衣を着る必要もないのだが、いつもの習慣だ。


工場に届いていた原料は、河豚、あんこう、あん肝、だった。確か11月頃だったからこれだけしか集まらなかったのだろう。

工場長だという背の高い男が出てきて、まず、この河豚を捌き始めた。
それが、けっこうな包丁さばきだったのだが、解体が終わった後で、日本向けの河豚の加工品の輸出はこの工場では無理なことを社長に伝え、身の方は良く洗えば食べられるが、内臓は天然だと毒があり危険なので庭に埋めてもらうよう話をした。

そして、今度は自分であんこうを解体して、身は小さく一口大にし、あん肝は血菅を取り除き掃除をして工場のキッチンに持ち込み、あんこうの唐揚とあん肝の酒蒸しを作って、それを昨夜と同じ料理店に持ち込んで、工場の社長と工場スタッフ達と一緒に、また宴会となった。

しかし、中国人の「乾杯!」という習慣だけは、きっとこれから何十年経っても変らないのではないだろうか?
こちらが一人で相手がたくさんでは、どう見てもこちらが不利だろう。

あんこうの唐揚とあん肝をつまみに飲みながら社長の話を聞くと、あんこうの冷凍は日照市の友人が経営している工場の冷凍庫に200トンの在庫があるという。

また、あん肝は、中国の舟山など3箇所の漁港から入手でき、社長も既に日本に毎年、60トン以上も空輸していると言うではないか。
また、荷が多い時には相場も急落し、小さいサイズは日本に送っても値が付かないので現地で二束三文で売られるいると言う。

「もし、小さいサイズを結着して製品まで作ったらどうだろうか?」

という考えが浮かび、翌日は工場であん肝の加工に必要な物、設備と工場の作業レイアウト等の図面を書いて、そのまま一度日本に急いで帰ることにした。

念の為、工場にはかなり細かく加工に必要な物のリストを渡した。

あん肝を蒸す為の大型の蒸し器、作業台、真空包装機、それから、あん肝の血管を取り除くピンセットから、必要なプラスティクのトレーの枚数まで細かく指示をして日本に帰ってきたのだが、思った以上に工場側の対応は早かった。

1月初旬には、既に全部用意できたとの連絡が入った。

日本はお正月だが、中国は旧暦なので、1月1日位しか休まないだろうし、中国の突貫工事は仕事は手抜きが多いが本当に早い。

こちらは、まず日本で類似品があるかどいうか調べてみたが「あん肝の缶詰」はあるが、最終商品を冷凍したものは見つからなかった。
また、あん肝は築地市場では高い時には、生のままで1キロが2,000円以上もする時があり、北海道物では4,000円以上もする。ということが、築地の荷受の友達からの情報で分かった。

もし、中国から値が付かないので日本に送らない小さいあん肝を使って、最終商品(カットすれば直ぐに食べられる商品)を作ったら必ず勝算があるはずだ!

当時、とても胸が高鳴っていた。製造フローは、こうだ。

あん肝原料を水洗い後に、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム(次亜)で殺菌して、塩を振り、再度、水洗い後に水切りをし、血菅をピンセットで取り除き、ソーセージを作る時のように豚か羊の腸に積めて、20分間蒸してから冷却し、皮(腸)を取り除いてから、軽量してサランラップに包み冷凍し、その後は真空包装すればよい。

原料には小さいあん肝ばかりを使うので、念の為に結着剤として千葉製粉の「ミートボンド」と、味の素のアクティバも用意することにした。どちらも粉末の結着剤だ。
結着剤とは、くず肉とくず肉を貼り付けてステーキにしたり、魚等の身と身を貼り付ける接着剤のような物だが、以前「骨無し魚」で、太刀魚を半身に卸して中骨を取り、再度、身と身を貼りり付けて元の形にする商品を作っていた時にたくさん使ったことがあるので、メーカーの知り合いの担当者に連絡すると、翌日には直ぐにサンプルが届いた。

ソーセージ用の豚か羊の腸は、東急ハンズにでも行って趣味の「手作りソーセージ」のコーナーに行けば、取りあえず実験用のサンプルが入手できるかも知れないと思ったのだが、その前に工場から既に現地で調達したとの連絡が入った。

直ぐに、旅行会社に電話をして、3日後の上海行きのチケットも準備した。

頭の中では既に製品のイメージも出来上がっていて、後は大量に作る方法を見つけるだけだ!

そういう気持ちで勇んで工場に飛んで行ったのだが、その時は、これから待ち受ける失敗の連続など思ってもいなかった。

続きは次回にしよう。。。












豚の角煮にはお酒をたっぷり使おう

2008年03月10日 | 酒肴
今回はうちの店の「豚の角煮」を紹介することにする。

この料理の大好きな常連さんも多く、焼酎などとの相性も良いようだ。

さて、料理のポイントだが、お酒をたくさん入れて煮ると、驚くほど柔らかくなる。沖縄にもラフテーという郷土料理があるが、これも豚のバラ肉をたっぷりの泡盛を入れて煮た沖縄風の豚の角煮だ。

尚、材料の豚バラ肉のブロックだが、できれば皮付きを用意しよう。
出来上がりが飴色で綺麗で、コラーゲンもたっぷりで健康にも良いだろう。

店では1度に5㎏程を仕込むが、今回は1㎏のレシピとした。これでも分量が多ければ、冷凍しておいてラーメンのトッピング等に使うのも良いだろう。

材料:
豚バラ肉 ブロック     1kg
ネギの青い部分・生姜  少々

日本酒         お玉で3杯
醤油           お玉で1杯
砂糖           お玉で1/2

作り方:
①肉の下処理
豚バラ肉のブロックのかたまりを皮を上にして置き、ガスバーナーで皮を炙って、皮全部を真っ黒く炭のようになるまで焦がすようにして焼く。

流水で洗いながら、タワシで焦げた部分を綺麗な飴色になるまで擦る。

②鍋で煮て行く
大きめの鍋に①をかたまりのまま入れ、肉にかぶさる位の水と、ネギの青い部分と生姜のスライスを入れ、たっぷりの日本酒を入れて強火に掛ける。(肉を小さく切ると柔らかく煮るので煮崩れてしまう。)

鍋が沸騰したら、火を弱めて4時間~5時間、じっくり煮て行く。
途中で足し水を加えながらアクをこまめに取り、竹串がス~っと刺さるようになるまで煮て火を止める。

冷めたら肉をスープと一緒にボールかバットに移して冷蔵庫に入れる。

③脂を取り除く
一晩冷蔵庫に入れると、表面に脂の層ができているので、綺麗に取り除く。

④肉を取り出し5cm~7㎝幅に縦に切る(角のブロックにはしない)

⑤味を含めて行く
スープを漉して鍋に入れ④の肉と砂糖、醤油を加えて強火に掛けて、スープが沸騰したら弱火にする。
甘いのが好きな人は砂糖を多くすればよいだろう。醤油は一度に入れずに味を見ながら少しづつ加えるようにしよう。

⑥このまま1時間程じっくり煮詰めて行けば完成だ。

さて、お店では最後の煮詰めは薄めにして、プラスティック容器に入れ、冷蔵庫に保管している。

オーダーが入ってから肉を角切りして、レンジで少し温めから鍋に入れ、タレとお湯も少し足してもう一度煮込んで、味を整えてからお客様に出している。
つやが欲しければ「みりん」を少し加えよう。

付け合せの野菜は「ししとう」があれば相性が良いが「さやえんどう」等でも良いだろう。

ピリっと辛い「和からし」を添えるのを忘れないようにしよう。

尚、この料理の味付けの時に「八角」(ハッカク)や「桂皮」(ケイヒ)等の香辛料を加えると「トンポーロ」になる。

日本酒の代わりに紹興酒を使うとより中華の味に近くなるだろう。

箸で切れるような「豚の角煮」を是非、つくってみて欲しい。。。












鰆の西京焼きをつくってみよう

2008年01月08日 | 酒肴
今日は春の訪れを告げる「鰆の西京焼き」のつくり方を説明する。

大連では魚の市場で「生の鰆」を見たことがなく、冷凍物を解凍して上から水を掛けて新鮮らしさをアピールしているので、騙されないように上から指で押したり、エラの色を見てチェックが大切だが、日本では生の新鮮な物が割と簡単に手に入ると思う。

さて、「西京味噌」だが、京都の「西京味噌」を取り寄せて使ったのでは、とても高くついてしまうので、マルコメの「一休さん」に砂糖と酒を加えて自家製で「西京味噌風」を作って「みそ床」にしているが、なかなかいける味だと思うので紹介する。

◆西京風味噌の配合 (すべてお玉が基準)

一休みそ・・・10
砂糖・・・・・・ 3
酒・・・・・・・・ 1

すり鉢に味噌を入れる。(1袋が1kg入りなので、全量入れれば良い)次に砂糖をお玉で3杯と酒をお玉で1杯加えて、あとは根気良く30分程当たるだけだ。
良く混ぜ合わせることによって、味噌と砂糖が一体となり、まろやかな味になる。

鰆だが一切れ100g~120g程の切り身にして、両面に少し強めに塩を振り2~3時間置いておく。身がしっかりしたら塩を洗い落とし、水分をしっかり拭きとる。

次に容器(バット等)の底に1cm程の味噌を敷き鰆を並べて行き、上から味噌を塗りラップで蓋をして冷蔵庫に入れて漬け込む。3日程して鰆の表面が少し透き通ったようになれば食べ頃だ。1週間以上漬け込むと身が硬くなるので、1枚づつラップに包んで冷凍保存すると良いだろう。
残った「みそ床」だが、もう一度使用できるので捨てないようにしよう。
「西京焼き」は鰆以外に「ぎんだら」や「鴨ロース」等も美味い。

焼く時の注意だが、遠火でじっくり焼いて焦げないようにしよう。
また、焼き上がりに刷毛で「みりん」を少し塗ってやると照りがでる。

この「西京風味噌」は「西京焼き」以外にも、いろいろな料理に使えるので、別の機会に紹介する。

現地で入手できる物をうまく活用することが大切だ。20年以上も前の話しだが、南米のべネズェラの日本レストランで働いていた頃は、味噌等も手作りしていた。
「ぬか漬け」はパン粉にビールを加え、それに塩を混ぜて作っていたが結構いける味だった。
パン粉とビールの「ぬか漬け」でも、日本人のお客様には、日本を感じてもらえる一品だったようだ。。。







唐揚げは二度揚げして、後から塩、コショーする。

2008年01月04日 | 酒肴
今まで「各種の出汁」について話をしてきたが、今日は唐揚げのポイントについて説明する。
ポイントは表題の通り「二度揚げして、後から塩、コショーをする」ことだ。

写真はさっき調理場で作って撮ってきたばかりの「蛸の唐揚げ」の写真だが、「鶏の唐揚げ」でも作り方は同じなのでマスターしよう。

鶏肉は入手しやすいし、家庭でも「おかず」の定番なので、まず、「鶏の唐揚げ」から説明する。

まず、「鶏モモの正肉」の大きいものを用意しよう。

まな板に皮を下にして置き、余分な皮や脂を取り除き、少し大きめの一口大に切ろう。揚げると縮むし中心がジューシーな方が美味しいからだ。

ボールに酒をお玉で半分(1/2)入れて、醤油はお玉に半分の半分(1/4)と生姜おろしを指先で一つかみとって、小さじ2(10cc)位を絞って加える。そこに一口大に切った鶏肉を入れて揉み込む。本当はそのまま冷蔵庫に20分位入れておくと味が染み込むのだが、飲食店ではお客様を待たせる訳には行かないので、よく揉みこんで味をなじませよう。

粉は小麦粉と片栗粉の2種類を同量づつ、小麦粉がお玉で半分、片栗粉もお玉で半分を加えて、鶏肉と一緒によく混ぜて、衣を鶏肉に絡ませるようにする。
衣の硬さだが、「濃いなと思うトンカツソース位の硬さ」の表現が一番近いだろう。ちょっとドロッとした感じだ。

尚、余談だが一度にたくさんの「鶏の唐揚げ」をつくる時には、揚げている途中で肉どうしがくっついてしまうが、衣を混ぜる時に、サラダ油を数滴加えると不思議とくっつかない。

さて、十分に衣が肉に絡まったら揚げて行く。油の温度が160℃になったら中火にする。前回の「天ぷら」の時にも話したが、油が動き出す温度が約150℃なので、衣を1滴落としてみて確認してみよう。衣は鍋底まで着いて上がってくる。これでは油の温度がまだ低い。衣を1滴落としてみて、鍋底から1cm位のところから衣が上がってくるようなったら、油の中に一つづつ、くっつかないように入れてやる。

3分程揚げると、全部が浮き上がってくるので、肉どうしがくっついてしまったら、箸で離してから、一度全部を引き上げて、天ぷらバットの網の上に置いて油を切る。

火を強火にして1分程待つと180℃近くになるので、再度、一つずつ鍋の中に落とそう。2分程で綺麗なキツネ色に揚がれば引き上げて、天ぷらバットの網の上に置く。上から、塩、コショーを振って皿に盛って完成だ。レモンを添えるのを忘れないようにしよう。

唐揚げのポイントだが、二度揚げをして外側はパリッと。中心はジューシーなのが美味しい唐揚げだ。粉は片栗粉だけだと揚げたては良いが、直ぐにべタっとなってしまうので、小麦粉と半々にする。
塩は最初に振ると肉が硬くなってしまうし、コショーは後から振った方が香りが良い。衣に醤油をたくさん入れると、揚げ色が黒くなるばかりか、せっかくの鶏肉の味が無くなってしまうので、うっすらと衣に色がつく位の量で良い。

「蛸の唐揚げ」も、まったく同じ作り方だが、「真ダコ」は揚げると硬くなるので、アフリカ産のボイルタコを使うと良いだろう。

天ぷらの説明の時にも話したが、揚げ物は油に慣れることが大切だ。

とにかく、何度も何度も揚げているうちに、油の動きを見れば温度が分かるようになる。。。