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アニメ及び周辺文化に関する雑感

【DCSS】初音島桜前線注意報(17) 芳乃邸の秘密

2005年11月18日 | アニメ
 第18話でようやく初音島に帰って来たさくらですが、第19話で和菓子しか出せない純一に見切りをつけてさくらの家に引越ししようとしたアイシアが、廊下の傷んでた床板を踏み抜いてしまい、急遽、みんなで手分けして修理することになりました。
 今回はそのさくらの家を点検して行こうと思います。
(例によってアニメを見ての印象に基づくので、原作ゲームの公式設定等とは相違があるかもしれませんが、悪しからず)

(1)芳乃邸と朝倉邸

 朝倉邸の玄関から見るとさくらの家は裏にあるように見えます。リビングは横に開いててそこに庭があるので、リビングから庭に向かってみれば右隣にあるって感じでしょうか。で、2階の純一の部屋の窓はさくらの家の方に開いてる感じで、途中に大きな木があって、さくらはそれを伝って純一の部屋に出入りしてるようです。
 一方、芳乃邸の木戸に向かって見れば朝倉邸は右隣にあるという感じで、この両家、入り口は同じ道に面していないようで、朝倉邸の角を曲がる必要があるみたいです。
 その他、もろもろの状況から見ると、東側に南北に坂道があって、朝倉邸の玄関はそこに面していて、南側にその道から東西に入る道があって、芳乃家の入り口はそこに面してるって感じでしょうか。

 ところで、隣り合ってる両家の間には植木があって経だれられてるようですが(だから基本的に庭を通って行き来できない)、その境界は曖昧です。はっきり塀が設けられてるというわけではなさそうです。
 芳乃邸は古い和風の木造民家。一方、朝倉家は比較的新しそうな現代風の一戸建て住宅という感じで、明らかに朝倉邸の方が新しく建てられたものです。芳乃家の旧主であるさくらの祖母は純一の母方の祖母だとかいう話ですから、本来、芳乃邸の敷地の一部を使って娘夫婦のために朝倉邸が建てられたとかいう話は田舎ではよくあることで、信憑性が高そうです。
 それじゃ、朝倉邸が建てられるまではその敷地はどうなってたかってことですが、わざわざ日当たりの良い東側を前栽にしてたとは思えないので、離れ座敷でもあったか、土蔵でも建ってたのか、あるいは畑でも作ってたのかも知れません。

(2)芳乃邸の内部

 芳乃邸は純和風の木造平屋建て。平屋建てなのは屋根の修理の様子や、純一の部屋からは常に見下ろす感じになってるから明らかなのですが、かといって現代風建築の朝倉邸に比べて建物の床面積がそれほど広そうもないので、部屋数も少なく狭い家って感じがします。
 木戸からは玄関に繋がっててそこから廊下が奥に伸びてる感じですが、家全体に対する位置関係がよくわかりません。美春が縁側を拭いてた様子を見てると、メインの部屋は座敷になってて、そのうち2面が縁側を通じて庭に面している感じです。
 1面が南側に面しているのは当然ですが、もう1面が東側に面しているのか西側に面しているのか不明です。東側なら前に朝倉邸との境界の植木が茂ってるので、あまり縁側を設けてる意味がないのですが、朝倉邸が出来る前は東側に庭が開けてたのかもしれません。
 現状を考えると西側が開いていた方が自然なんですが、それだと南に面してる縁側も玄関よりは西側にあるって感じで、さくらが縁側から純一の部屋を見上げたりしてる光景が不自然に感じられたりします。また、日本建築の考え方として西日の当たる方向に縁側を開けておくのはどうかとも考えられますから、ここは東側と考えていた方が妥当でしょうか?
 家の中の様子は相変わらず不明です。ただ、眞子とななこが薄暗い物置だか書庫だかの掃除をしようとしてたので、座敷のほかにも部屋があることは確かなようです。その蔵書が誰のものかは明らかにされてませんが、さくらの祖母のものだったら魔法に関する文献が集められてるのかもしれません。
 しかし、昼なお薄暗い部屋を恐る恐る入ろうとしていた眞子たちですが、照明は付いていないのでしょうか? 2年間留守にしていたから電気屋さんが止めてしまってるって話かも知れないけど、それじゃ、さくらは前の晩はどうしたんでしょうか?

(3)芳乃邸の生活感

 ……ということで、電気が通ってるのかどうかってことから疑問が起こってしまうわけですが、今回の芳乃邸に一切出て来なかったものがあります。それは電気機器を始めとする生活家具です。
 いや、2年も不在だったのだからどこかに直したままだとかいう声も聞こえそうですが、そりゃ滅多に使わないものとか小物なら片付けてるのもありえますが、箪笥だとか机だとかテレビだとか、そんなものまで片付けては行かないでしょう。
 ところが、前作でも芳乃邸にはまともな家具があったような感じがないんですね。それこそ座敷の部屋に布団だけが敷いてあるって感じで、1人寂しく眠ってるさくら……なんかそんな印象が強いんです。
 もっとも、この家に1人で住んでるわけだから、寝室だけ何もない部屋に別に用意しているって可能性もないことはないけど、確か一度純一が泊まり掛けた時もずっと何もない部屋にいたような気がします。
 いや、まぁ、おばあちゃんっ子の慎ましい生活と言えば聞こえは良いんですけど、とてもじゃないけど現代っ子の日本人には耐えられない生活環境じゃ無いでしょうか?
 さくらも両親のところに戻ればそれなりの生活環境があるんでしょうし、今回は今のところ長期滞在って感じでは無いからそれでも構わないのかもしれませんが、前作はこの環境で1年間過ごしてたわけですからね。

(4)芳乃邸の雨漏り

 ところで、冒頭のアイシアが踏み抜いた廊下の床板ですが、真上の天井から雨漏りしていて、それで腐敗していたってことみたいです。
 床板の修理は工藤に任せて、さくらとアイシアは屋根に上って雨漏りの修理を始めますが……屋根瓦を外したら、そこの屋根板に大きな穴が。で、そこに板を打ち付けて修理しているわけですが……
 なんというか、典型的な素人修理ですね。屋根板の穴を修理したら雨漏りが直るかのごとき修理ですが……
 おそらく屋根板の穴は床板と同じく雨漏りの結果であって、原因ではないはずです。瓦屋根の場合、雨水は瓦の上を流れて下に落ちていく構造になってるから、大切なのは瓦が雨水を漏らさないようにきっちり詰められてることなんですね。で、瓦をきちんと詰めようと思ったら、上から順番に全部敷き直すってのが本来の雨漏り対策のはずです。
 それを対処療法的に雨が漏った場所の瓦だけ外してその下の屋根板だけを修理しても、外した瓦屋根はきっちり詰まった形には戻せないし、そもそも穴の開いた部分の上に板を打ち付けただけじゃ、その上に乗せる瓦のことなんて考えてないだろうから、瓦のたるみは余計に酷くなってしまうでしょう。
 こりゃ、またすぐに雨漏りすると考えた方が良さそうです。

 さくらもアイシアを連れて上ったのは別の理由だからだろうけど、どうせなら工藤か環でも連れて上った方が知識が得られたかもしれません。
(いや、そうは言っても、屋根瓦を全部敷きなおすってのは専門の業者を呼ばないととてもじゃないけど手が付けられないとは思いますが……ま、こういう時こそ魔法の出番って気が……)
 どうでもいいことだけど、床は工藤が修理して、屋根はさくらとアイシアが対処してたんだけど……天井って誰か修理したのでしょうか? いや、雨漏りしない限りは天井が破れたままでもいいのかもしれないけど、古い家だとそこからネズミやヘビが落ちてくることも多々ありますからねぇ。