今回は初音島に棲む謎の生物として前作から引き続き登場してる《うたまる》の謎に迫ってみたいと思います。
(1)うたまるは猫?
謎の生物と言ってもうたまるは「ピコピコ」と鳴いたり箸で流し素麺を食ったりはしません。作品中では猫として扱われていて、作中の登場人物はそのことに疑念を抱いていないようです。
しかしながら、少数の例外(猫耳メイド姿の頼子とか、アナザストーリーで出て来た旅人の黒猫)を除けば作品中に登場する猫はごく普通の猫の形体をしており、うたまるのような特異な姿はしていません。
確かに、その姿とぴょんぴょん飛び跳ねる移動方法を除けば、それ以外の生態は普通の猫と同じように描かれています。現に頼子が朝倉家にやってきた時は縄張り争いでもするかのように毛を逆立てて威嚇し合っていました。鳴き声も「にゃ~」です。総集編のナレーションでもなけりゃ人語を解したりはしません。(って、総集編では人語を話してるんだよなぁ)
姿形はともかく、生態的には猫と言って間違いはないようです。
(2)飼主は誰?
全般的に朝倉家周辺に出没しているようですが、純一や音夢が飼ってるというわけでもないようです。
前作では主にさくらにくっついてたようですが、さくらが飼っていたわけでも無さそうだし、今回は枯れた《枯れない桜》の木の下でアイシアと出会ってからさも当然そうにくっついていますが、別にアイシアがうたまるを飼ってるという素振りはありません。
ま、近所の野良猫程度に考えればいいのかもしれませんが、それにしてはさくらやアイシアにくっつき過ぎです。別にさくらやアイシアが(他のキャラに比べて特に)餌をくれてるというようには思えません。出会った時のアイシアは朝倉家に行き倒れてるくらいだから猫に餌をやるどころではなかったはずです。(いや、うたまるが懐いた後で初音島中を歩き回ったから行き倒れたという可能性もありますが)
また、野良猫にしては鈴をつけてるのも変です。飼い猫が捨てられたという可能性もありますが、誰かが定期的に手入れしてやってるという可能性の方が高そうです。ま、朝倉家周辺に出没してる人見知りのしない猫だから空白の2年間も眞子や美春がかまってやってたという可能性はあります。
(3)うたまると魔法
ところで前項で見たところ、朝倉家周辺に出没、さくらやアイシアにくっついてる、《枯れない桜》にも出没する……といううたまるの行動は1つのキーワードと結び付いてきます。それは魔法を持つ人間の周囲、または魔法と関係のある場所に出没しているということです。
そのことはつまり、うたまる自身が何らかの形で魔法に関係のある存在だと考えた方が良さそうです。
(4)うたまるは魔女の相棒?
猫と魔法の関係と言うと真っ先に考え付くのは『魔女の宅急便』のジジのように、魔女の相棒としての黒猫です。もし仮にうたまるが黒猫だったとしたらパートナーとなるべき魔女を見付けるためにさくらやアイシアとくっついているのも納得できます。朝倉家(というか芳乃家)周辺や《枯れない桜》に出没するのも、そこにいれば魔女と出くわす可能性が高いからでしょう。
しかしながら、うたまるは白猫です。魔女のパートナーにはなれません。しかし、黒猫のように振舞おうとしてると見て取れることは事実なのです。これはどういうことでしょうか? 幾つか考えられます。
・突然変異で白く生まれた黒猫
・呪いによって白くされてしまった黒猫
・黒猫(みたいに魔女のパートナー)になりたい白猫
ともあれ、うたまるはさくらやアイシアのパートナーになりたいのは確かのように思われます。ただし、作品を見てる限りではさくらもアイシアもうたまるをただの猫としては扱っていても自分のパートナーとしようとは思ってないみたいです。
この辺がうたまるの悲劇なんでしょうね。
(5)うたまる・突然変異説
うたまるがいくら魔女の黒猫のようなものだとしても、あの特異な形体を説明することは出来ません。いや、あれは『魔女の宅急便』でジジが成りすましてた猫のヌイグルミの真似をしてるだけだとかいう可能性もあるのですが、それだけで3年も芸をしてるとは思えないので、あの形体はうたまるにとっては不可避なものと考えます。
何ら人為的な要因が無いなら、うたまるは猫とは違う元からああいう新種の生物なのかあるいは地球外生命体という可能性もあるのですが、上記に見てきたようにうたまるは猫としての生態を色濃く持っているので、単なる猫の突然変異体である可能性が最も高いでしょう。
突然変異というのは遺伝子にある種の変化が起こって、正常な個体にはない特徴を持つことですが、その原因はいろいろと考えられます。一般には放射線障害や薬害による影響が考えられますが、突然変異は自然状態でも起こるものです。
自然状態の突然変異で最もよく見られるものはアルピノという体色素の欠落によって体が白くなった個体です。日本では神の使いだとされる白蛇も蛇のアルピノだし、『ジャングル大帝』のレオもライオンのアルピノだという設定です。猫にだってアルピノがいても不思議ではありません。うたまるが白いのも黒猫のアルピノだとは大いに考えられることなのです。
ただ、現実のアルピノは体色素の欠落が免疫能力の欠如に結び付くことが多いため、かなりの確実で夭逝しているのも事実です。ただし、成体になるものもないわけではないので、アルピノが必ずしも病弱だとは限らないでしょう。
アルピノに比べると他の形体の変化を伴った突然変異体はもっと珍しいようです。もっとも、四葉や五葉のクローバーならともかく、その種の基本的な生態活動に支障をきたすような形体変化があった場合は即座に生死に結び付くので、人目に触れるほど長生きするものは極めて少ないということでしょう。
しかし、放射線障害や薬害などにより突然変異の確率が高められた場合は目に付くことも多くなります。
うたまるの形体変化がどのような突然変異で起こったのかはわかりませんが、うたまるが飼い猫もしくはそれに近い環境で生まれて、人間の手によって餌が十分に与えられる環境で育ったなら、突然変異による異常な形体も生存のための支障になることなくやってこれたのではないかと考えられます。
(6)うたまる・魔法(呪い)原因説
科学的に考えれば突然変異による形体変化を起こした猫というのが妥当な説だと考えられますが、これは魔法が実在する物語だということを忘れてしまってはいけません。うたまる自身が何者かの魔法に掛けられた状態だということは大いにありうることです。
魔法が原因だとすれば、その魔法はいつ誰がどんな理由で何に対して魔法を掛けたのかが問題です。
うたまるが《枯れない桜》が枯れた2年後の現在もこの姿ということは、うたまるの姿は《枯れない桜》の影響にあったものではないということを示しています。やはり何者かの意図した魔法が掛けられてるものと考えるべきでしょう。
メルヘンとかだと王子様やお姫様が悪い魔法使いによって動物に変えられてるという話がよくありますが、うたまるはどうでしょう? 実は魔法が解けると究極ヒロインの正体が明らかになるとかいう設定が隠されてるとか……
残念ながらうたまるの生態はこれまでにも触れてきたように猫そのものだと思って間違いないので、人間が魔法で変えられてしまってるという可能性は無さそうです。あくまで普通の猫、または魔女のパートナーたる黒猫が魔法であの形体に変えられてしまってると考えた方が良いでしょう。
魔法が掛けられた状況としては、たまたま偶然ターゲットに選ばれてしまったのか、最初からうたまるが目的だったのかで違ってきます。
前者の場合、単に悪戯で魔法を掛けられたとか、魔法の実験台にされたという可能性が高くなります。そうすると魔法を仕掛けたのは魔法の初心者ということです。初音島で魔法が使える人間は限られています。また、猫の寿命は人間に比べると短いから、魔法を掛けられたのはそう遠くない昔ふだということです。(魔法で不老不死になったとかいうのなら話は別ですが)
純一は和菓子を出すことしか出来ないから、可能性としてはさくらが犯人である確率が高そうです。ただ、前作の第1話でさくらが戻ってくる前からうたまるはいるみたいですから、魔法を掛けられたとするとそのずっと前、さくらがアメリカに行く以前に掛けられたということになります。
純一の和菓子に触発されたさくらがおばあさんから魔法を習って、見よう見まねの魔法を使った結果だとは大いに考えられることです。その後、さくらは初音島を去ってうたまるのことなどすっかり忘れてしまったのですが、うたまるは魔法を解いてもらおうと帰って来たさくらや、同じくらいの魔力のありそうなアイシアに付きまとってるというわけです。
これとは反対に目的があって故意に魔法を掛けられた場合を考えてみましょう。この場合、(誰かの飼い猫に嫌がらせをしてやるとかいう以外に)普通の猫が魔法を掛けられる可能性は無いでしょう。すると、その術者とは別の魔法使いのパートナーの黒猫だった可能性が高くなります。
目的としては黒猫としての役割を封印すること。つまり、パートナーの魔法使いの能力を封じることにあったと考えて間違いは無いでしょう。そうすると、うたまるの出没場所から考えて二通りの可能性があります。1つはうたまるは純一の祖母のパートナーで、それに敵対する何者かによって魔法を掛けられたと……この場合、純一の祖母の死にも関わってる事件かも知れません。もう1つは逆に純一の祖母に敵対した魔法使いのパートナーだった場合です。
いずれの場合も作品中に敵対者の存在を感じさせる描写はありませんから、これは想像の話でしかないのですが……
あるいは純一の祖母がアイシアの祖母と魔法対決した結果なのかも知れません。パートナーを封印されたアイシアの祖母はある程度以上の魔法を使えなくなったから、孫のアイシアを純一の祖母に習わせようとしたのかも知れません。
(7)うたまる・転生説
最後にもうひとつの可能性です。うたまるが純一の祖母の生まれ変わり、あるいは死ぬ前に自分の魂の一部を転送した存在だという説です。何しろ《枯れない桜》を生み出した高名な魔法使いですから、こういうことも可能なのかも知れません。
ま、意思はあっても生物学的に猫であることに変わりはないから、猫としての生態があるのですが、何らかの副作用で特異な形体になってしまったとか……
もちろん、朝倉家周辺に出没したりさくらやアイシアにくっついてるのは自分や知人の孫を見守ってるためでしょう。
(1)うたまるは猫?
謎の生物と言ってもうたまるは「ピコピコ」と鳴いたり箸で流し素麺を食ったりはしません。作品中では猫として扱われていて、作中の登場人物はそのことに疑念を抱いていないようです。
しかしながら、少数の例外(猫耳メイド姿の頼子とか、アナザストーリーで出て来た旅人の黒猫)を除けば作品中に登場する猫はごく普通の猫の形体をしており、うたまるのような特異な姿はしていません。
確かに、その姿とぴょんぴょん飛び跳ねる移動方法を除けば、それ以外の生態は普通の猫と同じように描かれています。現に頼子が朝倉家にやってきた時は縄張り争いでもするかのように毛を逆立てて威嚇し合っていました。鳴き声も「にゃ~」です。総集編のナレーションでもなけりゃ人語を解したりはしません。(って、総集編では人語を話してるんだよなぁ)
姿形はともかく、生態的には猫と言って間違いはないようです。
(2)飼主は誰?
全般的に朝倉家周辺に出没しているようですが、純一や音夢が飼ってるというわけでもないようです。
前作では主にさくらにくっついてたようですが、さくらが飼っていたわけでも無さそうだし、今回は枯れた《枯れない桜》の木の下でアイシアと出会ってからさも当然そうにくっついていますが、別にアイシアがうたまるを飼ってるという素振りはありません。
ま、近所の野良猫程度に考えればいいのかもしれませんが、それにしてはさくらやアイシアにくっつき過ぎです。別にさくらやアイシアが(他のキャラに比べて特に)餌をくれてるというようには思えません。出会った時のアイシアは朝倉家に行き倒れてるくらいだから猫に餌をやるどころではなかったはずです。(いや、うたまるが懐いた後で初音島中を歩き回ったから行き倒れたという可能性もありますが)
また、野良猫にしては鈴をつけてるのも変です。飼い猫が捨てられたという可能性もありますが、誰かが定期的に手入れしてやってるという可能性の方が高そうです。ま、朝倉家周辺に出没してる人見知りのしない猫だから空白の2年間も眞子や美春がかまってやってたという可能性はあります。
(3)うたまると魔法
ところで前項で見たところ、朝倉家周辺に出没、さくらやアイシアにくっついてる、《枯れない桜》にも出没する……といううたまるの行動は1つのキーワードと結び付いてきます。それは魔法を持つ人間の周囲、または魔法と関係のある場所に出没しているということです。
そのことはつまり、うたまる自身が何らかの形で魔法に関係のある存在だと考えた方が良さそうです。
(4)うたまるは魔女の相棒?
猫と魔法の関係と言うと真っ先に考え付くのは『魔女の宅急便』のジジのように、魔女の相棒としての黒猫です。もし仮にうたまるが黒猫だったとしたらパートナーとなるべき魔女を見付けるためにさくらやアイシアとくっついているのも納得できます。朝倉家(というか芳乃家)周辺や《枯れない桜》に出没するのも、そこにいれば魔女と出くわす可能性が高いからでしょう。
しかしながら、うたまるは白猫です。魔女のパートナーにはなれません。しかし、黒猫のように振舞おうとしてると見て取れることは事実なのです。これはどういうことでしょうか? 幾つか考えられます。
・突然変異で白く生まれた黒猫
・呪いによって白くされてしまった黒猫
・黒猫(みたいに魔女のパートナー)になりたい白猫
ともあれ、うたまるはさくらやアイシアのパートナーになりたいのは確かのように思われます。ただし、作品を見てる限りではさくらもアイシアもうたまるをただの猫としては扱っていても自分のパートナーとしようとは思ってないみたいです。
この辺がうたまるの悲劇なんでしょうね。
(5)うたまる・突然変異説
うたまるがいくら魔女の黒猫のようなものだとしても、あの特異な形体を説明することは出来ません。いや、あれは『魔女の宅急便』でジジが成りすましてた猫のヌイグルミの真似をしてるだけだとかいう可能性もあるのですが、それだけで3年も芸をしてるとは思えないので、あの形体はうたまるにとっては不可避なものと考えます。
何ら人為的な要因が無いなら、うたまるは猫とは違う元からああいう新種の生物なのかあるいは地球外生命体という可能性もあるのですが、上記に見てきたようにうたまるは猫としての生態を色濃く持っているので、単なる猫の突然変異体である可能性が最も高いでしょう。
突然変異というのは遺伝子にある種の変化が起こって、正常な個体にはない特徴を持つことですが、その原因はいろいろと考えられます。一般には放射線障害や薬害による影響が考えられますが、突然変異は自然状態でも起こるものです。
自然状態の突然変異で最もよく見られるものはアルピノという体色素の欠落によって体が白くなった個体です。日本では神の使いだとされる白蛇も蛇のアルピノだし、『ジャングル大帝』のレオもライオンのアルピノだという設定です。猫にだってアルピノがいても不思議ではありません。うたまるが白いのも黒猫のアルピノだとは大いに考えられることなのです。
ただ、現実のアルピノは体色素の欠落が免疫能力の欠如に結び付くことが多いため、かなりの確実で夭逝しているのも事実です。ただし、成体になるものもないわけではないので、アルピノが必ずしも病弱だとは限らないでしょう。
アルピノに比べると他の形体の変化を伴った突然変異体はもっと珍しいようです。もっとも、四葉や五葉のクローバーならともかく、その種の基本的な生態活動に支障をきたすような形体変化があった場合は即座に生死に結び付くので、人目に触れるほど長生きするものは極めて少ないということでしょう。
しかし、放射線障害や薬害などにより突然変異の確率が高められた場合は目に付くことも多くなります。
うたまるの形体変化がどのような突然変異で起こったのかはわかりませんが、うたまるが飼い猫もしくはそれに近い環境で生まれて、人間の手によって餌が十分に与えられる環境で育ったなら、突然変異による異常な形体も生存のための支障になることなくやってこれたのではないかと考えられます。
(6)うたまる・魔法(呪い)原因説
科学的に考えれば突然変異による形体変化を起こした猫というのが妥当な説だと考えられますが、これは魔法が実在する物語だということを忘れてしまってはいけません。うたまる自身が何者かの魔法に掛けられた状態だということは大いにありうることです。
魔法が原因だとすれば、その魔法はいつ誰がどんな理由で何に対して魔法を掛けたのかが問題です。
うたまるが《枯れない桜》が枯れた2年後の現在もこの姿ということは、うたまるの姿は《枯れない桜》の影響にあったものではないということを示しています。やはり何者かの意図した魔法が掛けられてるものと考えるべきでしょう。
メルヘンとかだと王子様やお姫様が悪い魔法使いによって動物に変えられてるという話がよくありますが、うたまるはどうでしょう? 実は魔法が解けると究極ヒロインの正体が明らかになるとかいう設定が隠されてるとか……
残念ながらうたまるの生態はこれまでにも触れてきたように猫そのものだと思って間違いないので、人間が魔法で変えられてしまってるという可能性は無さそうです。あくまで普通の猫、または魔女のパートナーたる黒猫が魔法であの形体に変えられてしまってると考えた方が良いでしょう。
魔法が掛けられた状況としては、たまたま偶然ターゲットに選ばれてしまったのか、最初からうたまるが目的だったのかで違ってきます。
前者の場合、単に悪戯で魔法を掛けられたとか、魔法の実験台にされたという可能性が高くなります。そうすると魔法を仕掛けたのは魔法の初心者ということです。初音島で魔法が使える人間は限られています。また、猫の寿命は人間に比べると短いから、魔法を掛けられたのはそう遠くない昔ふだということです。(魔法で不老不死になったとかいうのなら話は別ですが)
純一は和菓子を出すことしか出来ないから、可能性としてはさくらが犯人である確率が高そうです。ただ、前作の第1話でさくらが戻ってくる前からうたまるはいるみたいですから、魔法を掛けられたとするとそのずっと前、さくらがアメリカに行く以前に掛けられたということになります。
純一の和菓子に触発されたさくらがおばあさんから魔法を習って、見よう見まねの魔法を使った結果だとは大いに考えられることです。その後、さくらは初音島を去ってうたまるのことなどすっかり忘れてしまったのですが、うたまるは魔法を解いてもらおうと帰って来たさくらや、同じくらいの魔力のありそうなアイシアに付きまとってるというわけです。
これとは反対に目的があって故意に魔法を掛けられた場合を考えてみましょう。この場合、(誰かの飼い猫に嫌がらせをしてやるとかいう以外に)普通の猫が魔法を掛けられる可能性は無いでしょう。すると、その術者とは別の魔法使いのパートナーの黒猫だった可能性が高くなります。
目的としては黒猫としての役割を封印すること。つまり、パートナーの魔法使いの能力を封じることにあったと考えて間違いは無いでしょう。そうすると、うたまるの出没場所から考えて二通りの可能性があります。1つはうたまるは純一の祖母のパートナーで、それに敵対する何者かによって魔法を掛けられたと……この場合、純一の祖母の死にも関わってる事件かも知れません。もう1つは逆に純一の祖母に敵対した魔法使いのパートナーだった場合です。
いずれの場合も作品中に敵対者の存在を感じさせる描写はありませんから、これは想像の話でしかないのですが……
あるいは純一の祖母がアイシアの祖母と魔法対決した結果なのかも知れません。パートナーを封印されたアイシアの祖母はある程度以上の魔法を使えなくなったから、孫のアイシアを純一の祖母に習わせようとしたのかも知れません。
(7)うたまる・転生説
最後にもうひとつの可能性です。うたまるが純一の祖母の生まれ変わり、あるいは死ぬ前に自分の魂の一部を転送した存在だという説です。何しろ《枯れない桜》を生み出した高名な魔法使いですから、こういうことも可能なのかも知れません。
ま、意思はあっても生物学的に猫であることに変わりはないから、猫としての生態があるのですが、何らかの副作用で特異な形体になってしまったとか……
もちろん、朝倉家周辺に出没したりさくらやアイシアにくっついてるのは自分や知人の孫を見守ってるためでしょう。