電脳アニメパス

アニメ及び周辺文化に関する雑感

アニメの次回予告はなぜエンディングより後になったか?

2008年08月14日 | アニメ
 先日、ネットを眺めてたら『ドラゴンボール』の予告がEDの前にあるのに疑問を持ってるような書き込みを見付けました。そういえば、昔のアニメの次回予告はEDの直前に付いてるのが普通でした。これが今のようにEDより後に流れるようになったのは90年前後ぐらいからだと思います。だから、それ以降に物心付いたようなお子様にとっては予告はEDより後にあるのが常識みたいなものなんでしょうね。
 では、なぜ予告は後回しにされるようになったのでしょうか? これにはアニメを巡るビジネスやライフスタイルの変化が関係しているように思います。

 予告がEDの前にあった時代、アニメはお茶の間にある家族共有のテレビで団欒の中で見るのが普通でした。時として激しいチャンネル権争いが見られた時代です。辛うじて次回予告まで終わったらEDなんか無視されて、気の短いお父さんや兄弟たちにさっさとチャンネルを変えられてしまうのもよくあった話。また、それを見透かしたように5分程度の短いニュース番組とか天気予報とかが裏番組にあったものです。
 さて、バブル景気によって国民経済が向上すると、やがて大事な番組はビデオに録画して見たり、個々に専用のテレビを持ったりするようになってきました。すると、途中でチャンネルを変えられたりすることも無く、アニメを番組枠の最後までちゃんと見れるようになってきたのです。

 一方、アニメブームによってアニメがビジネスになることがわかってくると、アニメソングを歌手のプロモーションに使うことが多くなってきました。ところが、EDにタイアップ曲を用いてもチャンネルを先に変えられてしまっては意味がありません。熱心な番組の視聴者なら次回予告までは必ず見るだろうからと、そこで「見せたい」EDを「見たい」予告より先に持ってくるようになったというのが大きな要因なのでしょう。
 その皮切り的な作品は『シティーハンター』でしょうけど、これはEDのイントロが本編に被ってるという特殊な形態の先駆けでもありました。(当時は『火曜サスペンス劇場』等の2時間ドラマのEDに倣ったとかで「聖母たちのララバイ」方式とか言ってたけど、今となっては珍しくはない形態ですが)
 そんなわけで90年頃を前後してアニメの次回予告はEDよりも後というのが普通になってしまったわけです。今では「見せたい」後CMまで「見たい」予告より先に流れてるのも珍しくはないけど、さすがに本編終了後のCMの置き方は番組枠によって様々ですね。

(思い込みの記事であり、取材等による裏付けは一切ありません。あしからず)