良い子、悪い子、こまりん子

幼児教育20余年。多くの子ども達を育て、ママ達の悩みに耳を傾けてきました。辛口アドバイスも含め、子育ママ達にエールを!

イラクからのメール

2009-06-30 12:42:53 | つぶやき
『北イラク、クルディスタンのこの地アルビールに着いて一週間が過ぎようとしています。お元気でしょうか?
 こちらは連日午後には40度を超える暑さです。原油価格が上昇する中、砂漠の熱気は勢いを止めることなくコーランのように万人に降り注ぎ、僕の顔はとりあえず一皮ぶんだけは、ぼろぼろになって剥がれ落ちています。
 で、さすが戦傷外科病院ですね、三夜連続で四人の銃創患者が搬入され、完全な四肢麻痺の19歳女性の第四頚椎のど真ん中に、レントゲン写真は躊躇う事なく、ちびた蝋燭のような白い銃弾を写し出しました。
 また25歳の男の右足から貫通した弾丸は左の大腿動静脈を破砕して、出血性ショックで若い命を奪いかけていました。
 2002年、連夜繰り返される文字通りの戦闘のあくる朝、救急外来に必ず横たわる死体と嘆き悲しむ家族の姿を目の当たりにしていた、パレスチナ・ガザ地区での体験が蘇っています。
 久しぶりに、本当の危機管理という鎧を全身に覆って暮らしています。』

 いかがですか、みなさん?
この文章は、小説の一節でも、過去の戦地レポートの一節でもありません これは、まさに3週間前に、私の夫が受信した、高校時代の友人からのメールの一部です
 このメールを友人である夫に送信してきてくれた方は、日頃は日赤のドクターとして関西で勤務している方で、時々、このように海外の紛争地域に派遣され、戦地と化した派遣地で医療活動を行いながら、地元のドクターの教育、指導にあたり、医療技術の向上、ドクターの育成に努められています
 
 私自身、お恥ずかしながら政治には疎く、世界各地の紛争は、ニュースで知る程度の知識しかありませんが、一応、世界情勢には興味があり、「そこで人がどんな目に合っているのか?どうしてそんなことになっているのか?」は知っていたいと思っています
 しかし、実際に現地にいる方から、淡々と送られてくるその地の現状を知ってしまうと、私が悠長に「頭だけでの発想」から「世界の情勢には興味がある」などと言っていることは何とも情けないく・・・筋違いな、苦笑してしまうだけの「頭でっかち的思考」であることを思い知ります
 何度も書きますが。
上記の文章は、ついふた月ほど前までは、上京するたびに夫と会社の近所の青山でランチをし、銀座や六本木のお店でビールで乾杯をしていたドクターが書かれたメールです。

 夫は毎日、精一杯働きながらも、勤務時間前には会社の目の前のジムで泳ぎ・・・私は旬の味覚を調理し、雨のしずくに濡れたあじさいを玄関に飾り・・・みなさんは、愛するわが子にお気に入りの絵本の読み聞かせをしたり、保育園や幼稚園への支度の遅さに苛立ち・・・テレビでは、マイケルジャクソン氏の死因が云々され・・・麻生総理を取り巻く戦々恐々とした動きに興味を示し・・・それでも、日本では、平和に、静かに、時間が流れています

 私達がこうして平和の中で暮らしていると、どんなにニュースで映像付きの悲惨な世界情勢が伝えられても、残念ながら痛みは伴わず、画面の向こう・・・遠い遠いところの話しでしかありません それは、仕方のないことです。
 でも、時には、ほんの数分だけでも、事実を身近なものとして受け止め、自分の生活、わが子との生活の中の「何らかに役立てる」必要はあるのではないでしょうか?

 毎日の豊かな食事に感謝をしたり、教育がすべての子ども達に施される事実に感謝したり・・・それだけでも、意味のあることなのではないか?そう思っています
 
 幸せすぎて・・・幸せである実感のない日本の現代に生まれた子ども達。毎日、死と隣り合わせで暮らしている子ども達が、世界の中には確かにいるのです。
 時には、そんなことを子どもが知る!親が知らせる!そういう時間がなければ、親も子も、あたたかい温室の中で、ダラダラと無意味に時間の無駄遣いをしてしまうかもしれませんね


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