良い子、悪い子、こまりん子

幼児教育20余年。多くの子ども達を育て、ママ達の悩みに耳を傾けてきました。辛口アドバイスも含め、子育ママ達にエールを!

雪あそびのあとで・・・

2011-02-12 16:28:52 | つぶやき
 みなさんは、「スノーマン」というお話しをご存知でしょうか?
1978年、レイモンド・ブリッグス(Raymond Briggs)というイラストレーターであり作家でもあるイギリス人が描いた、ほぼ文章のない絵本です
 4年後の1982年、その作品はダイアン・ジャクソンという監督が、短編のアニメーション映画として映像化。翌年のアカデミー賞では、短編アニメーション部門で最優秀作品となっています
 この映画のサウンドトラック盤のメロディー(ハワード・ブレイク作詞作曲)は、あまりにも有名ですね。セリフのない映像のバックに、もの悲しく流れるメロディーは、最初から、結末の何とも言えない悲しさを予言させているかもしれません

 昨日は、久しぶりに首都圏でも雪が降りました 朝、カーテンを開けると、見慣れた町の明るい風景が、一転、雪国のような静かな音のない世界になったように思えました。祝日だったために、町全体が静かだったからかもしれません・・・
 我が家でも、アルバイトがお休みだった娘は朝から家にいて、ひっきりなしにレースのカーテンを開いては、「ねえママ、まだどんどん降っているよ」とか、「ちょっと積もってきたみた~い」とか、まるで小さな子どものようなウキウキした声で報告してくれていました

 とうとう、家の中でじっとしていることの出来なくなった娘は、「ママ、ちょっとポストに行ってきて・・・むー、ちょっとお散歩してくる」と完全武装で出かけていきました きっと、それほど急がない郵便物だったのだと思いますよ
 彼女は、本当にご近所をうろうろと散歩したようで、帰宅するやいなや「ひや~、寒い寒い 」と言いながらお湯を沸かし、とても嬉しそうに話してくれました
 「あのね、マンションの1階のあちこちには雪だるまが立っていてね かわいいの!小さい子ども達は、朝からさっそく作ったんだね そっこらじゅうに、いっぱい小さな雪だるまがいるのよ」と笑顔で話してくれました。

    
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 こんな感じでしょうかね・・・ 我が家でもそうでしたが、日頃、あまり雪をみない都会の子ども達は、雪が降り、積もってこようものなら、突然、「小動物」のような感じではしゃぎまわりますね 
 嬉々として娘が語る町の様子を聞きながら、私の昔、大雪が降り、マンションの中庭でお友達の親子とご一緒に、結構大きな「かまくら」を作った時のことを懐かしく思い出していました

 でも・・・
今日、教室でクラスを終えて帰ってくる時。私は何とも切ない、悲しい気持ちになったのでした
 あちこちに放置された小さな雪だるま達・・・どれもすでに完全な形は留めず、半分になっていたり、倒れていたり、中には踏みつけられていたものもありました

 雪は、解けるものです。
雪だるまを、ずっとそのままで置いておくことはできません。

 でもね、大はしゃぎで雪だるまを作っただけで終わりですか?雪だるまには命はないし、雪でできているんだから、解けるのは仕方がない・・・
 子ども達に、アッケラカンと、そう教えますか?

 是非いちど、お時間がある時に、「スノーマン」の絵本でも、アニメーションでも、観てみてください
 エンディングを迎えた時、もしあなたがそれでも「雪だから、解けるのはしかたがない」と無感動に思われたとしたら・・・私はとても残念です

 科学の進んだ現代。世の中の事象は、すべて科学的に説明が出来ることでしょう。いつだったか、私が「お腹がすきました」と話したら、「お腹がすく、ということも、きちんと数式で表すことができるのですよ!」と生徒のお母様に教えていただいたことがありました

 でも、何でもかんでも学術的に理解し、知識を最上のものとして学んでいったとしたら、そこには豊かな感性は育ってはいかないでしょう・・・

 今夜は雨が降るそうです
その雨で、小さな雪だるま達は、完全になくなってしまいますね でも、すっかり解けたなくなってしまうまでに、「雪だるまさん、楽しかった さよなら ありがとう」そう、心から言える我が子に育ってほしいものだ・・・と思っていただければな・・・そう思いました。


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