良い子、悪い子、こまりん子

幼児教育20余年。多くの子ども達を育て、ママ達の悩みに耳を傾けてきました。辛口アドバイスも含め、子育ママ達にエールを!

子ども達の節電

2011-04-11 10:56:22 | 良い子、良い親!

「節電」「せつでん」今や関東では、幼稚園児でもこの言葉を知らない子どもはいませんね。
「節電」は、ずっとずっと以前からその必要性が叫ばれ、その運動も続いていたわけですが、実際にはオール電化の集合住宅も増え、結果的に大きく電気に依存する生活に移行していたことは否めません

 私の子どもの頃は、炊飯器といえばガスが中心でした。火力の強いガス釜は、おいしいご飯を炊くことは今でも有名です 電話も、プルプルプル・・・という電子音でかかってくること慣れるまでには時間がかかりました。ジリジリジリジリン、ジリジリジリン・・・黒電話の音は、なかなか良いですよ 今では、一部の携帯電話で、この着信音が内臓されていますね。時々、その携帯電話の着信音を聞くと、妙に懐かしく、どんな人がそれを使っているのかな?などと見てしまいます
 いずれにしても、電気はまるで「空気」のように、私達の生活の中心に君臨していたのでした。

 先日、恒例の介護帰省で大阪に行った私は、まず、新大阪駅について「大きな違和感」を感じてしまったのでした そうです、駅が「明るい」のです つい2時間10分前、新横浜駅改札を入ったときは、キヨスクの看板の照明は消され、駅構内の照明もあちこちが間引き点灯の状態だったのに・・・です。
 
 町全体が節電生活に入った当初は、駅やスーパーが暗く、何となく沈んだ気持ちになったものですが、いつしかそれに慣れてくると、煌々と電気をつけているお店をみると「なんだ、この店は!電気の無駄遣いじゃないか」などと思うようになっていました。
 新大阪駅は、明るい そして、地下街もデパートも、どこもかしこも明るいのです 一部、全国展開をしているコンビニは、表の看板の照明を消していましたが、むしろ大阪の人たちの言葉を借りると、「コンビニが暗いと、入る気にならん。コンビニはあかるないとアカンなあ。」
 大阪で、どんなに節電をしてもらっても、関西電力から東京電力のエリアに電気を分けてもらうわけにはいかないので、暗くする必要性はありません。でも・・・節電生活の中で、すでに1か月近くを過ごしていると、あちこちのピカピカのネオンサインやめちゃくちゃ明るい駅にも、罪悪感を感じてしまうようになっていたのですねえ

 人の「慣れ」というものは、そういうもの、です。
最初のうちは「」や「」と思っていたことであっても、次第に感覚がなれていけば、それが「当たり前のもの」として受け入れられるようになります 今回は、まさにそれを体感したように思います。

 習慣をつけること・・・これは、子どもを育てていく上で、さまざまな場面で要求されることです。家庭教育の柱、と言えるかもしれませんね
昔から「早寝早起きの習慣」などと言われます。きちんと挨拶をする習慣 ご飯を残さずに、さっさと楽しく気持ち良く食べる習慣 手洗いやうがいの習慣 靴をそろえる習慣 あげるときりがありません。
 ただ、こういう家庭教育の中で躾の一部として施される「習慣づけ」は、その多くがマナーやエチケット、健康維持に関するものです。

 しかし、今回の「節電の習慣」は、幼いころから社会性を養う、社会貢献の一部として施されるもの、ですね
本来は、幼い子どもにこういうことを主眼とする習慣を身に着けさせるのは、実際にはなかなか難しいことなのですよ。けれど、子どもながらに関東の首都圏の子ども達は3月11日の地震を経験し、それぞれに直接的にその地震の影響を受けました。
 そしてその後、繰り返し流される地震、津波のニュース映像で、子ども達なりに「確かな何か」を感じているのです

 お父様、お母様方の中には、今回のことに限らず「悲惨な映像は見せない」という方がたくさんおいでになります。その意味はわかります。私も、そういう映像を、縛り付けるようにして凝視させる必要は感じていません。
 でもね、「現実を知ること」「自分の身の回りで起こっていることを知ること」を知り、子どもながらにそれを理解する必要性は絶対にあります これは、この世に人として生まれた限り、当然のこと、ではないでしょうか?
 見せない、聞かせない、経験させない・・・これでは、五感を通して学ぶチャンスを敢えて奪っているもの同然ですね
大切なことは、それを「どう伝えるか?」であり、そこが大人の手腕にかかるところです

 お教室で、5歳の子ども達に・・・
 「まどか先生、セツデン、ちゃんとしている?」
と真顔で尋ねられます。私は一生懸命に・・・
 「えーっと・・・洗面所の電気をね、使わないときには消してます むー、それから、お風呂の乾燥が終わったら、このごろはずっと換気扇をまわさないで、ドアを開けるようにしているわ。・・・それから、給湯、給湯ってね、蛇口をひねると、すぐにお湯が出てくるようにするやつね、あれを、ずっとスイッチつけっぱなしにしないで、お湯を使うときにスイッチを入れるようにしてるわよ
と説明をすると、とても満足そうに、「えらいね」と言ってくれます。

 「節電」をする意味、その必要性を、各年齢の我が子達にわかるように説明をする知恵を絞り、良い習慣をつけてあげましょう。いつも私があちこちに書くように、せめて元気な私達が、この大きなマイナスから学び、プラスに転じていけるような実践を心がけなければいけない!心からそう思っています


ワクワク感のある学び

2010-06-04 11:14:13 | 良い子、良い親!
 すっかりご無沙汰をしてしまいました たーくさん話題はあるのに・・・がんばってアップします

 じつは・・・中国語を学び始めました。きっかけは、突然、降って湧いたような話でした 
 ふた月ほど前でしょうか。教室のある学年の卒業生のママ達との夕食会で、和気藹々と楽しくお食事をしている時、ひょんなことから「これからは中国語が大事だ」という話題になりました。当然、中国語の勉強をするのは有意義に違いない、本当は習ってみたいねえ・・・などという話をしているうちに、「じゃあ、Iちゃんのママに教えていただきましょうよ」ということになったわけです。
 そこから先は、もうすっかりノリノリで話が進み、初級講座、中国語初歩の初歩講座をしましょう、と話が決まりました

 Iちゃんのママは、中国の河北省尊化市出身。同じく中国、遼寧省大連市出身のご主人様と一緒に、大学卒業後、日本に留学生としてやってこられました。その後は、日本企業に就職。現在は3人のお子様達と一緒に横浜に住んでいらっしゃいます。 
 「中国語講座を開講しますよ」の言葉かけに、「是非ぜひ!」と集まってこられたのも、やはり様々な学年の卒業生のパパ、ママ。上は高校2年生のお嬢さんのママから、下は小1の坊ちゃんのママまで、生徒達はみなバイタリティー溢れる面々 総勢8名の生徒は、まさに期待と緊張でいっぱいになり、初回のレッスンに臨みました。
 K先生も、生徒に負けず劣らず緊張をされていましたが・・・でも、授業を始めると、さすが先生
 「我是○○○。我住在横浜。・・・」にこやかに話し始められました。
 チンプンカンプンとは言うものの、きっと自己紹介に違いない。誰もがそう思いながらも、さっぱりわからない「音の羅列」に、ひきつった笑顔で応じました

 ひゃ~・・・えらいことになっちゃったよ やるやる!中国語やるよ!と挙手したものの、そして、本当にやる気になったからこそこうしてわざわざ日曜日の朝に、かつて我が子が通ったお教室にやってきたわけだし。それに、今日はこんな雨 「本気」じゃなかったら、休んでますよー・・・でもー、このむずかしい音はなんだあ??? あがったり、さがったり・・・・
 本当に聞き慣れない音で、真似をするのさえ難しい・・・正直、全員が冷や汗がタラ~リでした

 でもね、ホワイトボード上に書かれたちょっぴり妙に見える漢字をすかさず書き写し、何十年ぶりかで真面目にノートをとり、下手くそなリピートを先生に誉めてもらって学習を進めていくうちに・・・何ともいえないハッピーな気分 うきうき気分 になってきたのでした。
 
 新しいことを知るって、ものすごーく楽しい
 中国にいる13億人以上の人が、この言葉を話してるんでしょう?もしかしたら、まさに今、少数民族の人たちが、この北京語を今の私と同じように学んでるかもしれない・・・
 うわー、なんてすごい すっごく難しい音だし、あの漢字の下に先生が書かれたアルファベットに短いぼう線を付け足したような字って、どう発音するかってことなのね、きっと・・・
 何から何までおもしろいー

 私はしみじみと思ったのでした
18年間、私は4、5歳の子ども達の「学びの場」に立ち会ってきました。子ども達が「初めてのカリキュラム」を学習するとき、反応はいろいろです。でも、大きく分けると、子ども達の反応は2種類。
  一つ目のグループは、初めて見聞きする学習内容に緊張気味で、「自分がすんなりと理解できるか、できないか、がポイント」になっている子ども。
 このタイプの子達は、いつも学習時には笑顔なく、常に眉間にしわを寄せています。
  2つ目のグループは、「うわー!むっずかっしー!」とか言いながらも、楽しそうな子ども。
 このタイプの子ども達は、先生が教えてくれてるやり方をしたら、わかったよ!できるできる!のように、うきうきと明るく、笑顔です。

 じつは、今までの経験から、統計的にみると、後者の子ども達のほうが結果的に理解度は高くなり、いつまでも学習への興味も続きます。
 要するに、学習をする、ということのキーポイントは、学びをイキイキと捉えられる、良い意味での「遊び心、ワクワク感」があるかないか?なんですね
 
 ハナマルが欲しいから パパやママに誉められたいからガンバル というような子どもは、そのうちに「学び」への意欲は薄れていってしまいます。彼らがなぜ学んでいるか?の答えは、学びそのものに意義を見出しているのではなく、極端に言えば、誉められたいという欲求を満たすため、であって、学んで得たものは、たまたまゲットした副産物、のようなものなんですねえ・・・
 こういう子ども達には、しだいに「勉強をさせられている、仕方ないからやっている」という意識が育っていくものです。なぜなら、そのうちに親に誉められても嬉しくも何ともない、という年齢になっていくと、まさに「自分にとっては、意味がないことをしている」という意識しか残らないからです
 
 もちろん、中学生になって「ワクワク勉強している」という子どもは多くはないでしょう。でも、やはりそれでも、ワクワク心踊りはしないものの、新しい単元になると、ちょっと新鮮な気分で取り組め、興味を持って向かうことのできる姿勢は、「ワクワク感の成熟系」だと思うのです

 もし、親であるあなたが、新しいことを始めたとしたら、どうでしょう?
それが語学学習やダンスや体操、などという、学習的要素や技術的要素の高いものではなくてもよいのです。
 例えば、今まで作ったことのない献立に挑戦する!ということでも、十分に「新しいこと」です
 そんな時、失敗したり、手間取ったり、わからなかったりすることばかりに気を取られ、ワクワク感を持って楽しめなかったとしたら?
 きっと、あなたの子どもも「学びを楽しめない子ども」になっているかもしれませんよ

 本来、学びとは「うきうきする、楽しいもの」です
いかがです?あなたは、新しい学び、挑戦を楽しめていますか?

子どもは毎日、成長しています!

2009-05-12 08:47:34 | 良い子、良い親!
 チーム・マナーズ、総勢30名!元気に完走
4月29日、爽やかな青空のもと、今年も「パラカップ2009」が開催されました。「世界の子ども達に贈る~RUN~」この主旨にご賛同くださったみなさんと、当日は元気に身体を動かしました

 この日は・・・
走ることによって、子どもに何か伝えられるか?と重い腰を上げてくださったお父様・・・
 私がご紹介したチャリティーラン「パラカップ2009」出場を決め、それを動機に初めてランニングを始めたお母様・・・
 ちょっぴり大きくなったわが子と、熱い時間を共有するためにとエントリーされたご両親・・・
 そして、すっかりお兄さん、お姉さんになり、颯爽と10キロを走った卒業生の子ども達・・・
 在学している学校も、学年も違う子ども達とそのご家族が、このチャリティーランに同じ思いを持って集い、「チーム・マナーズ」として友好を深め、気持ち良く汗を流す・・・私は本当に感激でしたし・・・パラカップ主催者のみなさまや協賛した各種団体の方々からは、そのパワーと結束力の強さに感動した、とお話しいただきました
 10キロウォーク、10キロラン、と出場する種目は違っても、出場者全員が完走し、お一人お一人がこの日にあらためて、多くのことを考え、感じてくださったことを本当に本当にうれしく思いました

 ほんの一部ですが、パラカップの後にいただいた保護者のみなさまからのお声をご紹介させてください。
 「息子と二人、とても良い経験をさせて頂きました。歩くことは生活の中でもありますが、景色や空を眺め、その綺麗なことを楽しみながら、またたくさんの方に声援を頂き、楽しく10キロ歩くこと・・・こんなことはなかなかできません。途中、少し疲れて休みたいと言った息子でしたが、ゴールできると、まどか先生に『次回はMちゃんと一緒に走りたい!』と言っていましたので、とても楽しかったのだと思います。」
 「10kmなど、今までの生活では車での移動しかありえなかった私ですが、こうして走れるようになるきっかけを作ってくださって本当にありがとうございます。子供も10km完歩でき、帰り道では、ママがんばったね、僕も頑張った、走っている人はみんながんばったよね・・・と話していました。いつの間にか、自分中心の世界だけでなく、周りの人々をねぎらうことができるようになったのかな? 大人と同じ土俵に立ってのいろいろな経験が、子供たちを成長させてくれることを実感しました。」
 「このような経験をさせて頂きましてどうもありがとうございました。皆さんと一緒に参加できてこその楽しさを味わいました。お天気と、自然の景色と、沿道に立つボランティアの方々の声援と、いずれもすばらしいと感じました。すべて良い思い出となります。来年はウォークではなく、是非ランナーとして参加できるよう準備していきたいと思いました。応援組だった次女は、来年は 「私も走る」と寝るまで話しておりました。今日をきっかけに家族皆で「スポーツ」に興味が持てたら良いな、と思いました。」
 「先ずは親子3人、完走できたことに心から感謝です。マナーズでも、姉の影に隠れがちだった息子が快挙をあげ、びっくり!まわりのみなさまに「がんばったね~」「凄いね!」と声をかけて頂き満面の笑み。息子にとって、大きな自信になったことが何よりの収穫でした。こんな体験が子どもの精神的な成長に繋がることを、改めて感じました。」
 「今日は、ばりばりの筋肉痛ですが、昨日は天候にも恵まれましたし、ひとりではなかなかできない運動もでき、とてもよい休日を過ごすことができました。改めてこのチャンスに感謝です。あの後、GW中に訪問する知人宅へのお土産の買出しへ行ったのですが、どういうわけか主人はトレーニングパンツを購入していました・笑」
 「今年は2度目の参加でしたが、娘はパパも一緒に参加できたことが何よりも嬉しかったようです。太陽の下でのランニング、とっても気持ちのいいものですね!主人は「来年はしっかり練習して、ハーフに出る!!」と今から息巻いております。」

 きっかけは何であれ、終わった後に「ああ、やって良かった!」と感じることのできることに出会うことは、とてもすばらしいことだと思います
 今回は、たまたま走る、とか歩く、というスポーツでしたが、それがどんなものであったとしても、とにかく「行動を起こす、ACTION」なくして、何も始まりません
 このアクションから、人は間違いなくさまざまなことを感じ、考えるものです。そして決して大袈裟ではなく、そこで感じ、考えたことは、その後の生き方に大きな影響を与えることになるでしょう

 とは言え・・・
子ども達はいとも簡単にアクションを起こせるのに対して、年を重ねるごとに、人はみな、上手な理由を見つけて、新しいものへのアクションを回避していくようになります 心の中には「アクション」への憧れと期待を感じていながら・・・
 今回、そのアクションを起こしてくださったお父様、お母様、本当にありがとうございました そして、そんなステキな大偉業を成し遂げる時間を共有できたことを、とってもうれしく思っています

 さて、このレースですが。
私の何よりの大きな感動は、卒業生達が着実に成長していっている姿をこの目で確かめ、実感できたことでした
 昨年のパラカップでは、新1年生ながら、汗びっしょりになりながらも一生懸命に歩き、お母様と一緒に10キロウォークを達成したお嬢さんは、2年生になった今年もちゃんとやり遂げてくれました やはり今年も、汗ダラダラの顔まっか。ゴールして戻ってくると、にこにこと私の前を通り過ぎ、自分のバッグをゴソゴソとやっているかと思うと・・・おもむろにタオルを取りに出し、顔をごしごし・・・その姿は何とも愛らしく見えました
 すっかり私の身長を追い越した中2ちゃんも、パパと一緒にゴール 私の容赦ないハグをいやがらずに受け、昔と変わりない笑顔を見せてくれました
 昨年に引き続き10キロランに挑戦した3年生お嬢さんは、今年はタイムを1時間も縮めましたよ パパもご一緒された今年は、家族パワーが溢れたのでしょうね
 あの悪天候の三浦マラソンで転んでケガをしてしまった2年生 今回はご家族で10キロウォークにエントリーされましたが、結局はほとんどの距離を走りきりました
 つい半年前にマナーズを卒業した新1年生も、お母様と一緒に一生懸命歩き、しっかり10キロ歩き、ゴールを果たしました

 そして、ちょっぴりオマケの話しですが・・・私は、ほんの30秒ですが、10キロで念願の1時間切りを達成しました
 石垣島のトライアスロンの3日後ということで、多少、満足に走られるかどうか心配でしたが、案ずるより産むが易し 走り出したとたん、いつもより足はかなり重く感じたものの、多くのランナー、ボランティアの方々の声援に後押しされ、本当にステキなランをすることができました
 それに、この私の10キロ1時間切り達成の原動力になった「私のペースメーカー(ペースを落としてしまったりすることのないように、自分より少し前をペースを保って走る人のことです)」は、何と、4年生の卒業生でした
 私は、5キロの折り返し以降、彼が脱落していかないように要所要所で声をかけ、すっかり私がリードしてあげているつもりでした。
 ところが、6キロを過ぎても、7キロを過ぎても、彼のスピードはいっこうに落ちてきません いつしか、私が彼をリードするのではなく、私のほんの少し先をちょこちょこと、軽やかに、楽しそうに同じペースで走っていく彼を、追いかける立場になっていました
 間違いなく、彼というペースメーカーがいなかったら、私はもっと、ペースダウンして走っていたことでしょう。

 このペースメーカーWちゃん・・・心根がやさしく、いつも笑顔を絶やさなかった彼は、私の中では「いつもニコニコと機嫌良く笑い、穏やかに話し、2歳年上の大好きなおねえちゃまの後ろをちょこちょことついて歩く男の子」でした 
 ところが・・・です。今回彼は、スタート以降ずっと、ママやおねえちゃまから離れ、ずっと自分のペースを崩さずに走り抜いたのでした
 中学受験を目指す彼は、帰宅後、少しおやつを食べた後で、塾も休まずに行ってそうです・・・

 子どもの成長には、目を見張るものがあります。
親は、わが子の成長に手を貸すつもりで、実際には、あまりに手をかけ目をかけすぎて、その力強い成長の足を引っ張っている時さえあるのかもしれません
 本来、子どもは逞しい者、なんですね
 私のしつこいハグを受けて、ニコニコと笑顔で多摩川河川敷を去っていった子ども達・・・今日も、この瞬間も、どんどんと成長していっているのでしょう

ママ達の挑戦

2009-03-22 23:14:49 | 良い子、良い親!
 午前9時10分、曇天の中、2009年の東京マラソンがスタート。ちょうどその時間、私は、横浜のみなとみらいのカフェに到着しました
 今日は、チーム・マナーズのハッピーランニングの日、です 4月26日、多摩川で開催されるチャリティーマラソン「パラカップ」を一つのきっかけに、ランニングの企画をたててみました
 初めてランニングをしようと決めたママ達 ただ走るだけではなく、ランニングの基礎、知識を学んで走ろう!というママ達 集合時間にはまだかなり時間がありましたが、すでに「ウキウキ、やる気」のママ達が集まり始めました

 心拍数や心肺機能の話し、血液の循環の話し、無酸素運動、有酸素運動の話し、LSD走法の話しなど、ランニングをするにあたり、知っていれば役に立つ話し、わかっていれば安心な話しなど、30分のランニングドリルのあと、しっかりと準備体操をしました
 いよいよランニング開始 大観覧車のコスモクロックを見上げると、10時30分でした。今日は風が強く、海のそばの公園を走る時には向かい風 一人であれば、かなり気分の萎える強風でしたが、初めてのランニングは笑顔がいっぱい
 若い頃は、箸が倒れてもおかしい・・・と言われますが、今日の私達は、向かい風であっても、今にも雨が降り出しそうであっても、何だかとても楽しい・・・ランニングに挑戦!みな、同じ思いを持ってこの「挑戦」をしている・・・その興奮が、すべてをハッピーにしてくれるのでした

 1キロ8分強という「ゆっくり」のペース。ハーハーゼーゼーしないランニング おしゃべりをしながら、冗談を言って笑って走れるペースは、心拍数から見てもまさに有酸素運動。
 みなとみらいホール前を出発した私達は、強烈な向かい風の中、新港パーク、赤レンガ倉庫を通り、できたてホヤホヤの象の鼻地区を左に見て大桟橋へ。そこでUターン。
 くるりと方向を替えたとたん、みなとみらいホールのある建物がはるか遠くに見えました 私達がどれだけの距離を走ってきたのかがよくよくわかりました
 「わあ、パシフィコがあんなに遠くに見える」そうなんですよね。じつはすでに2キロ以上も走っていたのです・・・
 帰りは、開港博会場の横を通り、コスモワールドを左手に見て、もとの場所へ。残り500メーターあたりでポツポツと雨が降り出しました。
 中学の新1年生になる卒業生のお嬢さんは「わー、私、こんなに走れると思わなかった!こんなに走れちゃった」と感激。ママ達もじんわりと汗をかき、爽快な気分・・・と話してくださいました
 スタートしてから40分間。私達は4.8キロを走りました
 ランチを済ませて帰ってくると、すでにメールが入っていました。
楽しかった あんなに走れてうれしかった また、絶対に走りたいと思った・・・私はうれしかったですねえ

 私は本当に思うのです
若い子ばかりではなく、大人の私達にも、実際には可能性がいっぱいあるのだ、ということ そのことを大人が実感できないのは、本当は「実感できない」のではなく「実感しようとしない」だけなのではないのかな?

 ランニングでなくても良いのです。他のどんなことでもいい・・・それがどんなことであっても、「到底、私にはできない」「そんなことは絶対に無理」「できるわけないじゃないか」こんなふうにさえ考えなければ・・・
 いつか重い腰を上げれば・・・必ず、新しい大きな可能性は生まれる きっとそうだと思います 要するに、限界を作っているのは、案外、自分自身なのかもしれません

 初めて4.8キロを走り終えたママ達の笑顔・・・その笑顔は、わが子がペーパーでたくさんの花丸をもらった時、成長を実感した時の笑顔とはまた違う、イキイキとした達成感に満ちた女性の笑顔でした
「無理」「できない(させられない)」「やれるわけない(させられるわけがない)」・・・そういう思いこみが、じつは可能性への道を閉ざし、自ら限界を作り、新しい世界を見るチャンスを奪っているのでしょう

 さまざまな学年の子どもを持つママ達 走っている時には、立派な「ランナーの卵」だったママ達も、ランチの時間にはすっかり「母親」の顔に変身し、いろんな子ども話し、子育て話しに花を咲かせました
 今夜ママ達はきっと、東京マラソンで完走したランナー達とまったく変わりない達成感を味わってくださっていることでしょう


子どもの好奇心

2009-03-03 21:38:35 | 良い子、良い親!
 3月1日、三浦国際市民マラソンが開催されました
天気予報では「曇り」。早朝、横浜を出発する時には、確かに「曇り」でした。横浜駅から京浜急行に乗り込むと、すでにランナーと思しき人達がたくさん乗っていて、みなさん、6時台という早朝にも関わらず、どこか興奮気味・・・
 ところが・・・横須賀を過ぎたあたりで、誰かが大きな声で言いました。
 「げーっ!路面が濡れてるー 雨、降ってるよ
ほぼ全員が窓の外を見ました。確かに、雨が降っています

 三浦海岸駅に到着した時には、すでに空は暗く、雨も本降りです。主人も私も、走るための「いろいろ」は考えてしたくはしたものの、どこにも「雨」の予報がなかったため、雨用の備えは何もありません コンビニでは、すでに傘は売り切れ。
 仕方なく、ランニングキャップをかぶって海岸の会場へ移動しました。すでに、参加賞の「三浦大根」を手に、駅のほうに歩いて戻ってくる人もたくさんいました。走ることを断念し、大根だけをもらって帰ることに決めた人達です。

 けれど、会場に到着すると・・・
そこではすでに、陸上部の中学生や高校生が、雨の中、アップを始めていました 5キロのレースに出場するランナー達です。気持ちは、立て直されました
 私も主人も、レースに出ない、という選択肢は考えてはいませんでしたが、ひたすら気になったのは、今年初めて開催される「800メーターのキッズのレース」にエントリーした卒業生ちゃん達のことでした。そして、三浦マラソンが初レースとなる卒業生のパパ、ママ達・・・

 雨は上がる気配もありません 空は真っ暗・・・そろそろ集合の時刻です。パパやママ達は、「大根を持って帰る人達」とすれ違いながら、とっても複雑な思いをしながら歩いていらっしゃるに違いない、と思いました 私がお誘いしたのではなく、個人で出場をお決めになっていたなら、きっと、誰に気遣うこともなく、さっさと駅から「回れ右」をなさるだろうなあ・・・そう思いました
 大事な大事なお子さん達です。日頃は、傘なしで歩くことなどなく、寒ければ風邪を引かせないように着込ませ・・・こんなザーザー降りの中で、走らせる???こんな寒い日に、雨に濡れさせる???

 天候「雨」 気温「5℃」 風速「平均8.5メートル」
これが、完走証に記載してあった当日のお天気です 私は、これをあらためて見て、完走されたパパ、ママ達、子ども達に手を合わせる思いでした

 でもね。
私はあの日、あらためて実感したことがあるのです。「子ども達って、ものすごく素敵」って。
 
 集合場所にしていたテントに現れた子ども達は、みな、ビニール傘をさしながらも、笑顔なんです
 「久しぶりねえ、元気だった?」
の私の言葉に、ちょっぴりはにかんで「うん
 4年生が1人、2年生が1人、1年生が6人。寒い寒いザーザー降りの雨の中・・・これから、その中を走ろうというのですよ。日頃は、大事に育てられている子ども達が・・・

 確かに、子どもというものは「非日常」が大好きです
「いつもと同じこと」は、ローテーション化し、すでに7,8歳ともなれば、だんだんとダレてもくるもの けれど、この日の非日常がいっぱいには、興奮気味だったかもしれません

 たとえば・・・いつになく早起き・・・運動会でもないのに「走る」ということ・・・それが、大人も出場する大きなレースだということ・・・日頃はあまり走ったりしないパパやママも走るらしいこと・・・会場には、いかにもランナーという、テレビで観るような格好の人達がすでに練習していること・・・そして、運動するというのに、雨だということ(運動会は、雨天順延か雨天中止と相場が決まっているわけで)・・・

 そのうちに、準備体操が始まりました。本来ならば、もっともっと入念にストレッチや準備運動をするわけですが、とにかく、ザーザーと降る雨のなか。これからその中でレースを走ることを考え、コーチはいつもの時間の3分の2程度で終えました
 子ども達も、しっかり体操をしています。もちろん、パパもママも真剣です
 そのうちに、5キロレースの集合がかかりました。パパやママが移動です。
これが晴天であれば、かなりここでドラマチックな「いってらっしゃい がんばれー」などが親子で繰り広げられ、写真もパチパチ・・・だったでしょうね でもこの日は、何がなんだかわからない状況の冷たい雨の中では、それもなし、です
  
 そのうちに、ファンファーレが鳴り・・・スピーカーからはMCの方の声・・・そしてパーン 沿道の人垣の向こうで、3000人以上の人がスタートを切りました
 いよいよ子ども達が集合場所に移動。ママや、コーチに誘導され、子ども達が人、人、人の中を傘をさして進みます
 集合場所に並ぶと、おねえさんがゼッケンと、靴に付けられたタイム計測チップの確認。本格的です!子ども達のかなり神妙な顔。
 コーチのはからいで、スタート時間までは、小さなテントの下で雨に濡れずに待つことになりました それでも寒いし・・・雨のしずくがポタポタと落ちる中、子ども達は興奮している様子でした
 
 「そろそろ、先生は一度戻るね。先生も、もうすぐ10キロのスタートなのよ。じゃあ、がんばれ」そう言ってハイタッチをしました
 昔に比べて、子ども達は背も伸び、確実に成長しています でも、そのハイタッチの時の顔は、昔と一緒です

 未知のもの、新しいものに向かう時の前のめりの姿勢、興奮・・・
 沸き立つ思い、心地よいドキドキ感・・・

 子どもには、そういうすばらしい感性があります 彼らの様子から、寒さや雨へのブルーな気持ちは微塵も感じられませんでした

 実際には、濡れた路面で転んでしまってスタートできなかった子や、転んでケガをしてしまった子もいて、かわいそうでなりませんでしたし、パパやママに本当に申し訳なく思いました
 けれど、私が10キロのレースを終えて彼らと顔を合わせた時の様子は・・・やっぱり「イキイキ」だったのです
 大人の私は、あまりの寒さで手がかじかんでしまい、計測チップが靴からはずせないほどだったのに・・・ゴールをしたとたん、急に濡れた身体がガタガタと震えて寒かったのに・・・

 子どものピュアな好奇心、子どものピュアな挑戦への思い。これらは、本当にスゴイと思いました
 そして何より、どうぞ少しでも長く、このすばらしい思いが続いていきますように!と願いました。

 強い海風の吹く、冷たい雨の中のレースを経験し、もう、どんな悪コンディションでも走れるなあ、と苦笑しました
 そしてもう一つ。初レースを終え、完走したパパやママの笑顔も、子ども達に負けず劣らず素敵だったことも心に残りました

 私はこれまで、人は年齢を重ねると、自然の成り行きとして、「感動する心」が退化していくものだと思っていました。
 でも、本当はそうではないのですね。「感動する心」は、本当は大人にも子どもにも、ちゃんと備わっている
 それを年齢のせいにして、自ら退化させてしまっているのは、その人の「どんよりとした意識」なのだと実感した日でした