良い子、悪い子、こまりん子

幼児教育20余年。多くの子ども達を育て、ママ達の悩みに耳を傾けてきました。辛口アドバイスも含め、子育ママ達にエールを!

サンマの思い出

2006-09-18 16:47:16 | つぶやき
先日、友人にサンマをいただきました
とれたての脂ののったサンマです。毎年、「スーパーに行けば、1匹100円程度で買えるものなのに・・・何だか申し訳ないねえ、もらってもらうのは」などと言ってくれるのですが、さすがにスーパーのサンマとは一味もふた味も違うもので、毎年、密かに楽しみにしています

 そのサンマ。私の大好物です 「サンマ、サバ」と、「サ行」の魚好きで、サワラ、サヨリも好きです。 
 大阪で暮らしていた頃は、シャケとは言わず、必ず「サケ」と言っていたので、当時は「サケ」もその中の一つ、大好きでした
 さて、私には、サンマにまつわる懐かしい思い出があります。
そろそろ大学を卒業する、というころになって、「やっぱり油絵を描いてみたいなあ・・・」などというとんでもない夢がむくむくと頭をもたげ・・・ 結局、母の友人で、油絵を趣味としていた方を介して、先生をご紹介いただき、始めることになりました。
 なぜか母はすっかり喜び、あれこれと注文を出します どうも、ハイソっぽいことが好きな、派手好きの大阪人である母にとって「娘が油絵を描いています」というのは、天然の虚栄心?!を満たすに充分な響きがあったのでしょう
 決して上手ではありませんでしたが、何と言っても「趣味?道楽!」でしたから、毎週、とっても楽しく通いました。当時、四十代前半だった、毒舌の女性の先生との会話も楽しみの一つでした

 秋、先生のアトリエに行くと、ででーんと大きなお皿に、3匹のサンマが乗っています

「お友達に送っていただいたのよ 昨日届きました。さあ、秋の味覚を、おいしそうに描きましょう

 ほーーーー!サンマ、ですかあ サンマを、おいしそうに描くのですねえ お花や、果物を描くのとは、また違った楽しさがありました。
 そして、描いていくうちに、確かにお上手な方でも「おいしそうに見えないサンマ」があることにも気づきました。もちろん、未熟な私には、その理由、原因はわかりません。描きながら、先生が初日に「おいしそうに描いてね」とおっしゃった意味が理解できた気がしていました。

 そして、3週目、仕上げにかかったとき、先生が私のところに来て、こうおっしゃったのです。

  「まあ、Nothing but “ SAMMA “. って感じ。素敵 おいしそう!まどかちゃん、私、あなたのこの絵が今までの中で一番好きよ」 

 むー、うれしかったですよ、もちろん 褒めていただいたのですから。でも、それまで、結構いい感じかなという思いで仕上げた春の花々、力強いタッチで描いたひまわり・・・等、私なりの力作があったわけで、一番良いわと、言っていただいたのが「サンマ」というのは、ちょびっと苦笑でした

 でも、やっぱりおいしそうなサンマは描きあがりました 
大正時代っぽい、レトロな感じの大皿の上の、新鮮そうに光るサンマ・・・
 しっかりと乾かし、私は「先生に褒めていただいた大作」のつもりで持ち帰り、サンマの鮮度を損なわない?!シンプルな額に入れ、ダイニングのキッチン寄りの壁にかけてみました
 おーーー、確かに「秋」です。私は、とてもうれしくなりました

 でもね、母のお気には召さなかったようで、ワンシーズンだけ掛けてくれて、その後、あのおいしそうなサンマは、お蔵入り 母は玄関や、廊下、リビングに飾る「花々」がご所望だったようで、「サンマ」ではハイソなイメージもなく、娘の趣味の作品としては不適当だったようでした

 今年の春にマンションに引っ越した私の両親は、それを機会に、いろいろなものを処分しました。
 その中には、もう飾るスペースがないからという理由で、いくつかの額もありました
 私のサンマは、6号というサイズで、決して大きなものではありませんでしたが・・・
 いやいや、引っ越した後の荷物の中にはなかったのですよねえ、私がすべて片付けたのですが
 私のサンマちゃんは、いったい、あの後、どんな運命を辿ったのでしょうか

 私はいつも、このシーズンになると、そのサンマの絵と、家に持ち帰り、風呂敷から出したときの「母の失望の顔」を懐かしく思い出します

 季節の思い出・・・それぞれの季節の中で、みなさんとお子様との間に、これからどんな思い出が生まれるのでしょうね



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