まちだ ひろがりネット

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町田・生活者ネットワークの活動日記

リニア中央新幹線の正体見たり

2012年10月22日 | 活動
そもそも、中央新幹線(整備新幹線として)構想と
リニアモーターカーの合体であった。

JR東海は中央新幹線構想に脅威を感じた。なぜならこれは
国主導で、民間事業者たるJR東海の事業とはなり得なかった上に、
東京、名古屋、大阪という現在の東海道新幹線と同じ駅をつなぐものであったから、
東海道新幹線の利用客が奪われる、と思ったのだ。
企業の経営危機、である。

そこでいささか無理をして、リニア中央新幹線というものを打ち上げた。
東海道新幹線はJR東海のドル箱。国鉄からJRになった時、5兆円の借金をして
このルートを買った。いまだ2兆円しか返済が終わっていない。
今回ふたたび5兆円の借金をする。そして国の事業ではなく、JR東海の事業とする。
リニア中央新幹線が開通したら、いまの東海道新幹線は各駅停車にするそうだ。

リニアは日本の屋根アルプスの大深度地下(40m)を通ることになっている。
だれしもすぐ懸念するのは地下水脈を切るおそれ。
しかも破砕帯を横断するので、ゆれればずれてしまう危険。
土砂崩れも心配される。

最高速度500km/時のときにどれくらいの電力を食うのか。公開されない。
学者が試算して、新幹線の40倍だろうというと、いや、平均は3倍くらいですと言う。
(平均でリニアは走らない。最大電力に備えるのが当たり前だろう、と講師)
実のところの数字は公開されない。

相模原市は大いに期待して、5回/時停車する前提でまちが活性化すると謳う。
しかしJR東海はそんなに停車できないのが本音。せいぜい1回だ。
両者かみあわないまま、説明会は進められる。
どんな時刻表になるのか、いまだ公開しない。

電磁波の影響を過小に評価しようとしている。WHOによると4ミリガウスで小児白血病が増える。
そんなに深くない山梨の実験線で、みみずが逃げ出して果樹が弱ったという。
しかしリニア新幹線は2000ミリガウス以下を基準として採用する。

都合のいいようにしか評価しないのは原発と一緒。

民間企業だから、やっかいだ。
国家プロジェクトなら情報公開はそれなりにされるだろう。しかし
民間だから、企業利益のために情報公開されなくてもしかたがないらしい。

町田の地下もリニアが通る。試験掘削のあとをつなぐとルートが見えてくる。
町田にも1カ所くらいは直径30mの巨大竪坑が掘られるだろう。大量の土砂が発生。
リニア自体の通路を掘っても土砂が大量にでる。これら土砂はどうなる。
運び出すダンプトラックが市街地を何十台となく毎日走るだろう。

今でも十分速い東海道新幹線。
東京~名古屋1時間半が40分になることのために冒す危険は大きすぎる。
しかも利用者が減ってきて今でも時間帯によっては間引き運転だそうだ。
企業の危機のためにリニア新幹線が必要と思ったJR東海。
いま5兆円の追加借金をすると、首が回らなくなるのでは?
そのとき、公共性の名の下に税金が投入されるにちがいないと、講師はいう。

そもそも中央新幹線(整備新幹線)はどんな工事プランだったのだろう。
すぐにも実行されそうだったのか、しばらくはプランのままでいたのか。

JR東海の経営危機。そのおかげであっちもこっちも振り回されている。

(お)






がれき焼却と「プラスチック・スープの海」

2012年10月17日 | 活動
町田市では11月から災害廃棄物の焼却を始める予定です。
東京都の試験焼却で「安全」のお墨付きを得ているので 市としての検査焼却はなされません。
そもそも 焼却の決定については市長会で合意しただけで ゴミの広域処理に法的根拠はない、との事。 
(ユーストリームで山本節子さんの講演をお聴き下さい)
先日 町田で開催された学習会での資料によると 町田市の2号炉・3号炉はとても古い炉のため
ダイオキシン類の年間総排出量が他の焼却炉と比較して著しく多く、絶句しました。

  データは2009年。 単位 mg-TEQ

中央清掃工場   0.00061
世田谷清掃工場  0.000036
板橋  〃    0.018
足立  〃    0.000095
江戸川 〃    0.18
練馬  〃    0.0018
立川市 〃   45

などなど。

ワースト1は 奥多摩クリーンセンター 117.0006
町田市は ワースト2 60.007 です。

もともとダイオキシンの排出量が多かった町田で さらに災害廃棄物まで焼却するのかと 信じられない思いです。
焼却について住民監査請求をした会についても報道されましたが
いろいろな行動で焼却を止められたらと考えます。

ようやく「プラスチック・スープの海」を読み終えました。
3.11の津波による プラスチックを含め様々な環境負荷のの高い化学物質の海への拡散についても書かれています。
ぜひ 多くの人に読んでいただきたい本です。


                                  (じ)
 

女川行、すこし詳しいレポート

2012年10月14日 | 活動
それは8月の夏休み。急に思い立ってバス会社に電話した。「女川行きの深夜バス、座席はありますか」夏休みだから無いかも知れない、それならそれでもいいと思っていたが「あります」との返事。8月14日。

町田市が女川町の災害がれきを受け入れて焼却すると聞いていた。それに反対する声がある。さて、行ってみれは少しは事情が呑み込めるかと、そんな単純な動機だった。

2日後の深夜、渋谷マークシティのバス停から出発。座席はほぼ満席。初めての深夜バスは座席は3列、寝る、という表現もあながち大げさでないくらいリクライニングできる。熟睡したつもりもないが、いつの間にか福島を走っていて、気がつくと石巻に着いていた。8月17日早朝である。

石巻からJRの臨時代行バスに乗り女川を目指す。

女川の終点は女川運動公園。そこは山を切り拓いた高台で、仮町役場が近くにある。朝の8時ごろ、まだ開いていないのを承知で行ってみるともうドアは開いていて女性がお掃除中。かくかくしかじか、と道を聞くと、知り合いがいる訳でもないのに一人で女川に来た私を気遣ってか、親切に教えてくれた。役場の人間が来たら詳しく分かるかもしれないからまたおいで、とも言ってくれた。結局、再び訪れることは無かったのだけれど。

私が目指すのはもちろん、がれきの山。事前に聞き合わせした時、もうそんなに無いよという話もあったし、沢山あると言う話も聞いたので、とにかく見に行く。女川の町は小さい。目指すところに迷うこと無く着く。

何枚か写真を撮るが、たしかにかなり片付いているので、がれきの山を目で捜した。これぞと近づくと、まだまだ漁具らしきプラスティックの網やら箱やら混じったまま、それが夏草におおわれている。実は、後でこの山の反対側を歩いたとき、山が案外大きくて、トラックが登れる道までついていたことが分かるのである。

移動する。
町はがれきに埋もれて、という光景はもう無かった。きれいに洗い出されたような基礎が元の区画を示していて、在りし日の整然とした家並を想像させる。左右に山の迫る女川町。この狭い地域にこんなきれいな町並みがあったのだ。津波はこの山あいをどこまで駆け上ったんだろう。

ゆるゆる登り、左右の山がますます近づいてくるその向こうに、仮設住宅があると知らされた。行ってみたい。でもさほどの心構えも、予定もしていない気分ではうかうかと人の生活に近づけない、そんな気がして、遠景を撮影するだけにした。

そうしてまた歩く方向を変えた。目指すは港。

港に向かうと、資材を運ぶのかがれきを運ぶのか、大きなダンプトラックがもうもうとほこりを立てて走り抜ける。危ないから気をつけてと言われたことを思い出す。この道筋で、宮城県原子力防災対策センターと宮城県原子力センターが並んで大きながれきと化している前を通る。あ、女川原発。どうなったのかな。

港は確かに沈下していた。満ち潮のとき海水が乗り込んで来ている痕がある。岸壁の整備も未だこれからだ。そしてまだぽつんぽつんと残っている建物の残骸。ここに至って少し違和感を持つ。すっかりがれきが片付いた風景の中にあるからだ。

それから、港を離れて反対の山側へ。津波のたどり着いた高みをなぞるように、擁壁を伝う階段を登った。手すりがまがり、外れ、ごみがからむ。こんなところまで、と思って目を転ずると港はずっと下になっていた。この時初めて、海の向こうから来る津波の大きさを想像した。恐怖を少し味わった。

女川町はその時、粉々に砕けたけれど、今は確かに復興に向かっている。がれきはさっぱりと片付きつつあり、山腹の医療センターに人びとがやってきている。もう、悲しむだけの町ではない。港の設備も少しずつ整い始めている。そう遠くないうちにまた人々の集うまちができるのだろう。

ただし。近くの女川原発を忘れてはならない。
今回の地震津波で、原発そのものはあと(あわや)80センチというところで直接波をかぶらずに済んだのだそうだ。
しかし、いわゆる原発事故の防災センター(オフサイトセンター)は全くの廃墟。仙台市内の仮設センターで代行か?

そして、原発に安全はないと分かっている。女川町はすぐそばに原子力発電所のある町なのだ。

最近、カタールの資金援助で冷凍冷蔵庫が完成、サンマ漁期に間に合ったというニュースが伝わった。



監査請求、はてな

2012年10月11日 | 活動
町田市は11月から災害がれきの焼却を始めるということです。

被災地支援は、ひとえにがれきの広域処理のこと?という素朴な疑問は置いといて。

わざわざ女川から運んでくるからには、選別の手間、運ぶ手間、放射能の計測の手間、あれやこれやで
すごく経費がかさんでいます。まあ、生産地から消費者まで、中間に市場やら卸問屋がいくつもからむに似ているから、
それを利権と言わないでみんなで分け合う、と言えばいいのかもしれないけど。

とにかく助け合うんだ、情けは人のためならず、町田市民にもこんな優しさがあるんだなどと
そんな甘い絆に酔いしれるあまり、実はうっかりと法律を侵しているかもしれない。
その恐れを住民監査請求として町田市に請求したのでした。

それぞれの自治体がそれぞれの自治体内のごみは自分で処理するという、地方自治法の域を出て
特別によその自治体で処理してよろしいとされた特措法。(東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法)
国が特別に責任を取って、(この地方自治法の定めを超えて)処理できるようにします、という。
収集、運搬にかかる費用も国が持ちます、という。
そのほか、国が講ずべきものとして、災害廃棄物の活用、復興のための施設整備、アスベスト対策、
海に流出した災害廃棄物の処理指針、災害廃棄物処理の統一的指針などなど、書いているけどやってるのかしら。

さてさて、もちろん特措法といえども、各地方自治体がお願いすると言わない限り、国が一方的にやるとは書いていません。

だから引き受け側の自治体も引き受けましょうと言わない限り、引き受けなくていいんです。

ともあれ、町田市長は東京都市長会で引き受ける、と応えてきました。
市長の心意気ですかね。市民の迷惑顧みず、ですよ。
市長のやることはなんの定め(条例とか)もなくて、いいのでしょうね。

そして、4者(宮城県、東京都、女川、東京都市長会)の合意書でこの焼却という自治事務をやろうとしている。
ええっと、市長会って任意団体(ある種、井戸端会議)ですが、契約を結べないと聞いています。
それなのに、この合意書って言うある種の契約ですけど、印鑑押して、成立!なのかしら。
町田市がやりたければ、町田市が直接契約を結ぶのでなければおかしくない?
4者で合意、というのもなにやってるのかわからない。
4者で合意したことがどんな効力を持つのやら。

そのあたりから町田市の行動に疑問があり、そこで住民監査請求をせずにはおられない
町田市民たちだったのでした。

(お)