Since 24/07/2007
まず冒頭にお詫びを。
ひとつは前回の記事の中で『ニュースステーション』と書きましたが、『報道ステーション』の誤りでした。すいません。あと一つは、写真入りにしているにもかかわらず、写真が入っていませんでした。どこでどう間違ったのか、まだだめですね。今回写真を2枚入れているはずなんですが。
少し前ですが、7月8日、白馬村の温泉に行った時のこと。
家からオリンピック道路を使うと約30分で白馬に行けます。で、長野冬季オリンピックのジャンプ台を見たりして、温泉に向かいました、
でもこの道は40年近く前、私のワインディングロードへの助走の道でした。
あまりにも懐かしく、せっかくここまで来たから突き当りの白馬大雪渓の入り口『猿倉』まで行くことになりました。
途中にある今日の目的地『おびなたの湯』を通り越し、渓流沿いで絵を描いていたプロらしき若い絵描きさんと少し話をし、壊れかかった短い吊り橋で遊びながらの道行きです。途中樹木が生い茂って印象も随分変わったような気がします。
着いた猿倉は記憶に残っていたほど広くはなく、周辺を少し歩いていると、20代の好青年の2人連れがちょうど下山してきました。話しかけてみると唐松岳から不帰嶮(かえらずのけん または大キレットともいう)、天狗ノ頭を縦走し、途中の鑓温泉(やりおんせん)にも入ってきたとのこと。
かつて山を少しかじったことのある私と妻の心に俄然火が着いてしまいました。私は友人と二人で白馬大池から逆コースを、妻は小さな子どもたちや近所の友人との白馬三山の縦走を。そして鑓温泉。
「山が好きで、信州が好きで大阪からIターンしてきた」というと「いいなぁ」「いいですねぇ、うらやましいなぁ」と、さらにこちらを喜ばせるような返事。これに舞い上がってしまったのか、こてこての大阪弁で「軽トラの荷台やけど、乗っていきや」「タクシーの拾える所まで? 駅まで行ったる。遠慮せんでええ」。
猿倉からおびなたの湯を通りすごして八方交差点を左折、もう2~3分で白馬駅という直前の交番の前で、路上に立っていた警察官が「はい、こちらへ」「すいませんが免許証を」「昨日、大町で死亡事故があって、きつく取り締まるよう上司から指示されていますので、申し訳ありません」「山からの帰りですか、すいません」「シートベルト、していただけなかったのですね」「お急ぎのところ、ホントにすいません」
「いえいえ、あまりすいませんと言わないで下さい。申し訳ないのはこちらですから」と謝りながらキップをきられている間に、青年たちと別れたのですが、いかにも申し訳なさそうにこちらをふりかえり、ふりかえり駅のほうへ。おかんはこの好青年2人に手を振って。
「住所は大阪ですか?」「ここが好きで転居してきました」「そうなんですか。実は僕も山が好きで他県からこちらの警察に。山岳救助隊に属しているのですが、普段は交番勤務で」「あ、それはそれはご苦労様です。山はいいですね」「いいですね。大好きです。キレット行かれたのですか、僕も行きました…どうも申し訳ありません、3ヶ月経ったら点数が消えますから。気をつけて運転して下さい。申し訳ないです」「こちらこそ。救助気をつけて下さいね。どうもありがとう」なんと気持ちのいいキップの切られかたか。田舎の警察、大好き。
シートベルト、普段から締めているのですが、このときに限ってしていなかったんですね。そういうもんです。やっぱり山好きの青年に会って舞い上がっていたのかな。
さてやっと今日の本題の『おびなたの湯』
ざっと紹介すると、脱衣棚があって扉も仕切りもなく、すぐ露天というか野天の風呂1つのみ。その先は藪で、勢いよく流れる川(松川。白馬大雪渓の融けた水)が藪木立の間から見える。女性用は川に面しているのだけれど、目隠しのため川は見えなかった、とおかんは言ってました。
石鹸・シャンプーはあります。カランはなんと板塀に取り付けられていて、その数3つ。そしてシャワーは1つ(女性用は不明)。
長風呂のおかんを待つ間に話していた風呂番のおじさんの話では、PH(ペーハー)が11テンなんぼで強アルカリ性。「日本一はどこでもあるけれど、ここのは」ということでした。
ここから白馬岳が見えるらしいですが、この日は見えず(晩春から初秋まではどこでもそうです)。雑誌『山と渓谷』のグラビア写真家は、いい写真を撮るために10日間ほどここにいたそうです。それも朝の4時すぎから。「今がいいじゃないか」というと「いや、あの雲が」となかなか納得せず、プロとはそんなもんかいなと思った、とのこと。でも夜明けのアルプス、それはそれはホントにいい。時には朝焼けなんかして、素晴らしいですよ、一度ご覧あれ。
料金は500円。この日は「8のつく日」だったので半額でした。この近辺の土地の名『八方』にちなんでということだそうで、知らずに行ったのですがラッキーでした。
若い頃、この温泉の前をバスで通るたびに「いつか入りたい」との憧れを実現した感激込みで、星5つの最高点。洗い場、脱衣場などにこだわらない僕は、広くはないけれどゆっくり楽しめるいい温泉だと思う。
女性用は、洗い場がぬめっていたこと、目隠しのため眺望がよくなかったこと、湯は良かった、美人になれた気がする、ということで、おかんの評価は星3.5か4。
たしかに湯上りの女性は、誰でもどなた様でも美しくみえま~す。