2010.10.29(金) 記
畑ではずっと、農薬はもちろん化学肥料は使わず、わずかの鶏糞とナタネ油粕、土壌の中和剤として苦土石灰を畑に撒く程度。あとは落ち葉を鋤き込むのみ。草は作物の植わっているところは抜いて、それ以外は放任している。
できた野菜類は大小ばらばら、形も揃わないが、まあ、自家用として不足はなかった。それに買ってきた野菜と比べると、味は濃くうまかったように思う。特にトマトの味の差は歴然だった。
今年は意識的に、市場に出せるような姿かたちのものを作ろうと、大阪に帰った義兄が残してくれた化学肥料を使うことにした。果菜類の中でもナス、ピーマン、シシトウの3種類に限定使用。化学肥料の使いはじめとしては、これでいいだろう。
結果は、農技術は別として、苗を植えた春の天候も原因の一つだと思うが、どういう訳かナスはダメ。ピーマン、シシトウはまあまあの出来。
ところがピーマンの2本が、ある日突然急に元気がなくなったかと思うと写真のようにびっしりと虫がつき、さらに元気がなくなった。他の元気なピーマンには全く虫はついていない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/25/253da81472090789f8b94355d286b56c.jpg)
チッソ過多の作物には病気になりやすく、虫もつきやすい、虫がつくのはチッソの過多分を消費しようとする自然のバランス作用のなせるワザと、ある本には書いてあった。
それが正しいかどうかわからない。あるいは猛暑が原因なのかもしれない。しかし2本だけというのは、不思議だ。こんなことは今まで全くなく、今回が初めてだった。
動物の世界では、肉食動物の犠牲になる草食動物は、子ども、ケガや病気で弱っているもの、老いたものであるという。これは自然界の摂理であるから、この2本のピーマンも何らかの原因で弱者になっていたのだろう。でも、その原因はなんだろう。ちなみにこの虫は、抜いて重ねた草の下、マメ類やサツマイモの根元にいることはいるが、こんなに群れていることはない。
次ぎは、モロッコインゲンを片付けるために切った根元からでてくる水の様子。切るとたちまち根元が濡れてくるほどの勢いだった。
これはすごかった。水がどんどん上がってくる。例えが悪くて申し訳ないが、まるで斬首された首から吹き出てくる血のように思えて、切ったことを後悔した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/85/c2303ed720ade3113348e131b68b5d5d.jpg)
最後に。
今年は何かひとつ、地野菜(伝統野菜)を作ろうと、春先に『善光寺きゅうり』というものを3本、初めて植えた。
苗屋さんで購入の際、たまたま担当者が不在だったので社長に育て方を聞いたが、よく知らなかったようだ。「つる性」と教えられて、普通のきゅうりとゴーヤーの間に網を張ったが、本当は地這い(じばい)。狭い畝での地這いは気の毒だったし、収穫も大変だった。
写真は8月3日のものですが、左のズングリムックリな2本が『善光寺きゅうり』です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/18/4cd80a7090cbe351d055d7a1333e2521.jpg)
若い物でも太いが、キュウリとゴーヤーに隠れて収穫が遅れたものは、直径10cm以上長さは30cmにもなっていて、まるで巨大なウリといってもいいくらいだった。
糠漬けにしたが、キュウリとは違う食感で実にうまい。なぜ忘れかけられているのだろう。
これも流通に乗りにくいためか、収量が少ないためか、料理法を知らないためか。その理由はわからない。
いずれにしろ、畑の中はおもしろい。
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