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『スパイダーマン2』

2007年04月28日 16時45分30秒 | 映画レビュー
原題:SPIDER-MAN 2
製作年度:2004年
上映時間:127分
監督:サム・ライミ
出演:トビー・マグワイア 、キルステン・ダンスト 、アルフレッド・モリナ 、ジェームズ・フランコ 、ローズマリー・ハリス 、J・K・シモンズ
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
あのグリーン・ゴブリンとの死闘から2年、ピーターは新聞社へ写真を売り込みながら大学生活を送る一方、スパイダーマンとしてニューヨークの街を守っていた。しかし、愛するメリー・ジェーンは念願の舞台女優になったことで少しずつ距離ができ、親友のハリーは亡き父の会社の跡を継ぎつつ仇を取るためスパイダーマンへの復讐に燃えていた。複雑な人間関係に悩みが増すばかりのピーター。そんな時、ハリーの会社のもとで研究を続けていたDr.オクタビアスが実験中の事故で怪人ドック・オクとなってしまい、4本の金属製人工アームを自在に操り暴れ回りながらスパイダーマンの前に立ちはだかるのだった…。



コメント:
前作の名場面をアニメ・タッチで描き、ばっちりテーマ曲に合わせてダイジェストのように見せてくれる本作のオープニングはとにかくかっこいい!これがホントよく出来ていてのっけから感動してしまう。ファンとしてはうれしい演出だ。

本作ではとにかくサム・ライミの手腕が発揮された作品だといえよう。元々ホラー映画出身の監督だけに、それを思わせる演出がいくつか見られた。僕が一番恐怖を感じたのは、ドック・オクが病院に運ばれて手術を受けるシーンだ。影の演出や医療器具が凶器なってしまう様、悲鳴を上げまくる看護婦など、このシーンは明らかにホラー色が強く、見ていて思わず力が入るものになっている。

そのままダーク系で進んでいくのかと思いきや、今度は突然『雨に濡れても』が流れて、めちゃくちゃ爽やかなシーンを挿入したりと、とても明暗のはっきりした作品になっている。しかしそんな演出があったからこそ、本作の見所となる人間関係を完璧に描くことができたのではないだろうか。前作で中途半端に終わったピーターとMJの恋、スパイダーマンとハリーの確執(まあこれは3で最終決着となるはず)などストーリーの流れは全て引き継いだものになっている。更にドック・オクの悲哀感溢れるストーリーも絡んでとても内容が濃い。

今回、スパイダーマンことピーターは自分がスパイダーマンであることでMJとの恋を諦めなければならないというとても辛い役どころだ。あまりに辛い恋の悩みのせいで一時的にクモの能力を失ってしまい、本来の生活に戻ろうとする。しかしその間も世の中では犯罪が多発し自分のやるべきことは何なのか悩み続ける。このあたりの複雑な感情がとても丁寧に描かれているためとても感情移入しやすいだろう。スパイダーマンの感情には普通の人間らしさが溢れているため今までのヒーローものよりおもしろさを感じる。やっぱりこのシリーズはストーリーがしっかりしてるなと再確認できた。

もちろん見所であるアクションも前作より遥かに進歩していることに驚かされる。相変わらず高層ビルを使ってのアクションがメインだが、ホントうまいこと利用しているなと。特にあの電車を止めるシーンはスパイダーマンの能力をフルに活かした演出である。その直後に市民にマスクの下の顔を見られてしまうのだが、このシーンはなんだかとても感動してしまった。辛いことをたくさん抱えているピーターだが、この瞬間自分のやるべきことが市民を守ることだということを実感させられたはずだ。

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」

まさにベンおじさんが残したこの言葉の全てが集約されているシーンであると思う。
さあ次はいよいよ『スパイダーマン3』だ!!
きっとすばらしい作品に仕上がっているはず、期待して観よう。


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