原題: THE MIST
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 125分
監督:フランク・ダラボン
製作:
フランク・ダラボン
リズ・グロッツァー
製作総指揮:
リチャード・サパースタイン
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
原作:スティーヴン・キング 『霧』(扶桑社刊『スケルトン・クルー1 骸骨乗組員』所収)
脚本:フランク・ダラボン
撮影:ロン・シュミット
クリーチャーデザイン:
グレゴリー・ニコテロ
ハワード・バーガー
プロダクションデザイン:グレゴリー・メルトン
編集:ハンター・M・ヴィア
音楽:マーク・アイシャム
出演:
トーマス・ジェーン デヴィッド・ドレイトン
マーシャ・ゲイ・ハーデン ミセス・カーモディ
ローリー・ホールデン アマンダ・ダンフリー
アンドレ・ブラウアー ブレント・ノートン
トビー・ジョーンズ オリー・ウィークス
ウィリアム・サドラー ジム・グロンディン
ジェフリー・デマン ダン・ミラー
フランシス・スターンハーゲン アイリーン・レプラー
アレクサ・ダヴァロス サリー
ネイサン・ギャンブル ビリー・ドレイトン
クリス・オーウェン ノーム
サム・ウィットワー ウェイン・ジェサップ
ロバート・トレヴァイラー バド・ブラウン
デヴィッド・ジェンセン マイロン
ケリー・コリンズ・リンツ ステファニー・ドレイトン
オススメ度:★★★★★
ストーリー:
のどかな田舎町を襲った激しい嵐の翌日、デヴィッドは湖の向こう岸に発生した異様に深い霧に懸念を抱きながら息子と共にスーパーマーケットへ買い出しに出掛けた。するとやはり、その濃い霧は間もなく買い物客でごった返すマーケットに迫り、ついには町全体を飲み込むように覆っていく。人々がマーケットに缶詰状態となる中、霧の中に潜む不気味な触手生物を発見するデヴィッド。彼を信じた者たちはただちに店のバリケードを作り始め、武器になる物もかき集める。その一方、骨董品店の女主人カーモディは狂信めいた発言で人々の不安を煽ってしまう。そして夜、突如として霧の中の生物たちが襲撃を開始、店内は大混乱となるのだが…。
コメント:
予告編だけ見ると、よくあるどんでん返し系の映画だと思わされる。
良いようにも悪いようにも裏切られる作品だと覚悟しての鑑賞。
だがこれがまさかまさかの良い裏切られ方で、
ラストまで驚かされっぱなしの映画であったことは否めない。
予想とは大きく違って、意外にも早い段階で謎の生物が姿を現す。
そして物語の舞台となるのが町のスーパーマーケット。
一体やつらは何者で、何が目的なのか?
宇宙生物の襲来、モンスターパニックなど何とでも取れそうな展開だが、
はっきり言って一番恐いのはここに閉じ込められた人間たちの狂信的な姿だ。
それは一人の女性ミセス・カーモディによる演説から始まる。
ミセス・カーモディは狂信的な宗教信者。
”神”の存在が全てで、起こること全てが神の仕業だと言い張る。
そして人間なんて所詮、神の生贄なのだと。
彼女が発言するたびにスーパーの中が凍りつくような感覚に陥る。
だが恐怖に怯える人々は彼女を神の遣いと信じ始め、
次第にこの小さな集団の秩序は乱れることになる。
やがて人を殺めることへの抵抗も失われていってしまうとは…
恐怖に耐えうる人間の負の連鎖がリアルに描かれているのだ。
日本では宗教という概念がそこまで大きくないため、どちらかというと
トーマス・ジェーン演じるデヴィッドの家族思いな行動に同感するはずだ。
だが”神”を信じたくなる心境もわからなくはない。
何を信じるにしても、希望に向かって進む人間の心理は皆同じはずだから。
しかしこの信じる対象の違いにより、
ラストでここまでの衝撃を見せられるとは思いもしなかった。
それはもう”神”がいないことを証明したかのような描写。
霧は人間の目を眩ます自然界。
虫はその自然界で暮らす生き物の象徴。
つまり人間は自己中心的な動物で、普段は目の前にあるものしか信じようとしないのに
自分たちが助かろうとするために都合よく”神”に祈りを捧げる愚か者。
この映画は何か大きなテーマを掲示している作品なのかもしれない。
霧や数多くのクリーチャーなどの映像技術もすごいが、
はっきりと見えない何か普遍的なテーマを、濃いミストの中から探し出すのも
本作を楽しむひとつの方法であるような気がしてならない。
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 125分
監督:フランク・ダラボン
製作:
フランク・ダラボン
リズ・グロッツァー
製作総指揮:
リチャード・サパースタイン
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
原作:スティーヴン・キング 『霧』(扶桑社刊『スケルトン・クルー1 骸骨乗組員』所収)
脚本:フランク・ダラボン
撮影:ロン・シュミット
クリーチャーデザイン:
グレゴリー・ニコテロ
ハワード・バーガー
プロダクションデザイン:グレゴリー・メルトン
編集:ハンター・M・ヴィア
音楽:マーク・アイシャム
出演:
トーマス・ジェーン デヴィッド・ドレイトン
マーシャ・ゲイ・ハーデン ミセス・カーモディ
ローリー・ホールデン アマンダ・ダンフリー
アンドレ・ブラウアー ブレント・ノートン
トビー・ジョーンズ オリー・ウィークス
ウィリアム・サドラー ジム・グロンディン
ジェフリー・デマン ダン・ミラー
フランシス・スターンハーゲン アイリーン・レプラー
アレクサ・ダヴァロス サリー
ネイサン・ギャンブル ビリー・ドレイトン
クリス・オーウェン ノーム
サム・ウィットワー ウェイン・ジェサップ
ロバート・トレヴァイラー バド・ブラウン
デヴィッド・ジェンセン マイロン
ケリー・コリンズ・リンツ ステファニー・ドレイトン
オススメ度:★★★★★
ストーリー:
のどかな田舎町を襲った激しい嵐の翌日、デヴィッドは湖の向こう岸に発生した異様に深い霧に懸念を抱きながら息子と共にスーパーマーケットへ買い出しに出掛けた。するとやはり、その濃い霧は間もなく買い物客でごった返すマーケットに迫り、ついには町全体を飲み込むように覆っていく。人々がマーケットに缶詰状態となる中、霧の中に潜む不気味な触手生物を発見するデヴィッド。彼を信じた者たちはただちに店のバリケードを作り始め、武器になる物もかき集める。その一方、骨董品店の女主人カーモディは狂信めいた発言で人々の不安を煽ってしまう。そして夜、突如として霧の中の生物たちが襲撃を開始、店内は大混乱となるのだが…。
コメント:
予告編だけ見ると、よくあるどんでん返し系の映画だと思わされる。
良いようにも悪いようにも裏切られる作品だと覚悟しての鑑賞。
だがこれがまさかまさかの良い裏切られ方で、
ラストまで驚かされっぱなしの映画であったことは否めない。
予想とは大きく違って、意外にも早い段階で謎の生物が姿を現す。
そして物語の舞台となるのが町のスーパーマーケット。
一体やつらは何者で、何が目的なのか?
宇宙生物の襲来、モンスターパニックなど何とでも取れそうな展開だが、
はっきり言って一番恐いのはここに閉じ込められた人間たちの狂信的な姿だ。
それは一人の女性ミセス・カーモディによる演説から始まる。
ミセス・カーモディは狂信的な宗教信者。
”神”の存在が全てで、起こること全てが神の仕業だと言い張る。
そして人間なんて所詮、神の生贄なのだと。
彼女が発言するたびにスーパーの中が凍りつくような感覚に陥る。
だが恐怖に怯える人々は彼女を神の遣いと信じ始め、
次第にこの小さな集団の秩序は乱れることになる。
やがて人を殺めることへの抵抗も失われていってしまうとは…
恐怖に耐えうる人間の負の連鎖がリアルに描かれているのだ。
日本では宗教という概念がそこまで大きくないため、どちらかというと
トーマス・ジェーン演じるデヴィッドの家族思いな行動に同感するはずだ。
だが”神”を信じたくなる心境もわからなくはない。
何を信じるにしても、希望に向かって進む人間の心理は皆同じはずだから。
しかしこの信じる対象の違いにより、
ラストでここまでの衝撃を見せられるとは思いもしなかった。
それはもう”神”がいないことを証明したかのような描写。
霧は人間の目を眩ます自然界。
虫はその自然界で暮らす生き物の象徴。
つまり人間は自己中心的な動物で、普段は目の前にあるものしか信じようとしないのに
自分たちが助かろうとするために都合よく”神”に祈りを捧げる愚か者。
この映画は何か大きなテーマを掲示している作品なのかもしれない。
霧や数多くのクリーチャーなどの映像技術もすごいが、
はっきりと見えない何か普遍的なテーマを、濃いミストの中から探し出すのも
本作を楽しむひとつの方法であるような気がしてならない。