シネブログ

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『郵便配達は二度ベルを鳴らす』

2007年09月01日 01時06分58秒 | 映画レビュー
原題:THE POSTMAN ALWAYS RINGS TWICE
製作年度:1981年
上映時間:125分
監督:ボブ・ラフェルソン
出演:ジャック・ニコルソン 、ジェシカ・ラング 、ジョン・コリコス 、マイケル・ラーナー 、アンジェリカ・ヒューストン 、クリストファー・ロイド
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
1930 年、ロサンジェルスのハイウェイ沿いにあるガソリンスタンドの安食堂。ここにひとりの流れ者がやって来る。食堂の女房の体に魅せられた男は、そこで働くことにした。やがて二人は情事を重ねるが食堂の主人はまったく気づかない。そして二人はついに、保険金目当てで主人を殺す計画を立てる……。



コメント:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす 』(The Postman Always Rings Twice) は1934年に出版された、ジェームズ・M・ケインの小説で、過激な性の暴力の描写が話題になりこれまで3度映画化されている。

1942年 監督・ルキノ・ヴィスコンティ  主演・マッシモ・ジロッティ  クララ・カラマイ
1946年 監督・テイ・ガーネット     主演・ジョン・ガーフィールド ラナ・ターナー
1981年 監督・ボブ・ラフェルソン    主演・ジャック・ニコルソン  ジェシカ・ラング

これだけ何度も映画化されていれば比べ甲斐があるというものだが、残念ながら僕は今回の1981年版を観るのが初めてである。いろんなサイトで過去の作品について調べてみると、フィルム・ノワール最盛期の傑作と知られているのが1946年版だとか。個人的にはこっちの作品を観たいと思うのだが、先に知ったのがたまたま1981年版だったので、過去の作品についてはいつかの楽しみにしておきたいと思う。

さて本作の感想だが、原作が不倫、殺人、詐欺がテーマの過激な内容という割には、さほど驚くようなシーンは見当たらなかった(単に僕の感覚がマヒしているのかも…)。なぜなら内容よりも主演二人のルックスと演技がすばらしくて、そちらばかりに目移りしてしまったからだ。特にジャック・ニコルソンの眼つき顔つきときたら、人妻を奪ってそのまま旦那を殺してしまうという役にはあまりにもはまり役であった。

そして、おそらく本作の一番の問題シーンは、キッチンで二人の男女が絡み合う過激なシーンだろう。初めはフランク(ジャック・ニコルソン)の欲望によるレイプさながらの絡みで始まるが、その刺激に触発されたコーラ(ジェシカ・ラング)も欲望を抑えられず彼の全てを受け入れる。まさに理性を無くした野獣二人が合いまみれる姿が映し出されるのだ。

確かにこのシーンは過激でインパクトのあるものだ。この先の二人の運命を考えてもなかなかリアルで、本作で描かれる突発的な行動が生んだ情事という流れを考えると、あって当然のシーンだったと言える。だけど宣伝文句にするほどのものではないのでホントあまり期待しない方がいいだろう(笑)

フランクとコーラがニックを殺害してからの展開だが、どのエピソードもあまり重厚感がなく呆気に取られてしまった。これから二人が人生の堕落を味わうという展開なのに、殺人までのシーンが盛り上がりすぎて後半一気に冷めた感じだ。二人の複雑な感情が絞りきれてなくて、いまいち感情移入しにくくなっていたのが残念で仕方がない。まあそれでもラストはアメリカン・ニューシネマを彷彿させるような衝撃の展開で終わるので何かいろいろと考えさせられる作品だと言える。

結果的に本作は興行的にも成功を収めている。僕はいつも思うのだが、どうして人間はこういった情事を描いた作品が好きなのだろうか?やっぱりみんなどこかでこういう出来事を望んでいる?ありそうでない話だから意外とみんな入って行き易いのだろう。僕も鑑賞しながらいろいろ想像してしまう性質なんだけどね…って新婚野郎がこんなこと言ったらダメだな、ヨメに怒られる(笑)


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