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『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』

2009年01月25日 01時50分09秒 | 映画レビュー
原題: REVOLUTIONARY ROAD
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: アメリカ/イギリス 上映時間: 119分
監督:サム・メンデス
製作:
ボビー・コーエン
ジョン・N・ハート
サム・メンデス
スコット・ルーディン
製作総指揮:
ヘンリー・ファーネイン
マリオン・ローゼンバーグ
デヴィッド・M・トンプソン
原作:リチャード・イェーツ 『家族の終わりに』(ヴィレッジブックス刊)
脚本:ジャスティン・ヘイス
撮影:ロジャー・ディーキンス
プロダクションデザイン:クリスティ・ズィー
衣装デザイン:アルバート・ウォルスキー
編集:タリク・アンウォー
音楽:トーマス・ニューマン
音楽監修:ランドール・ポスター
出演:
レオナルド・ディカプリオ フランク・ウィーラー
ケイト・ウィンスレット エイプリル・ウィーラー
キャシー・ベイツ ヘレン・ギヴィングス夫人
マイケル・シャノン ジョン・ギヴィングス
キャスリン・ハーン ミリー・キャンベル
デヴィッド・ハーバー シェップ・キャンベル
ゾーイ・カザン モーリーン・グラブ
ディラン・ベイカー ジャック・オードウェイ
ジェイ・O・サンダース バート・ポラック
リチャード・イーストン ギヴィングス氏
マックス・ベイカー ヴィンス・ラスロップ
マックス・カセラ エド・スモール
ライアン・シンプキンス ジェニファー・ウィーラー
タイ・シンプキンス マイケル・ウィーラー
キース・レディン テッド・バンディ
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
1950年代のコネチカット州。“レボリューショナリー・ロード”と名づけられた閑静な新興住宅街に暮らすフランクとエイプリルのウィーラー夫妻は、二人のかわいい子供にも恵まれた理想のカップル。しかし、その見た目とは裏腹に、彼らはそれぞれ描いていた輝かしい未来と現状のギャップに不満を募らせていた。元陸軍兵のフランクは事務機会社に勤めるもセールスマン人生の我が身を嘆き、かつて女優志願だったエイプリルも大成せずに至っている。するとフランクが30才の誕生日を迎えた夜、エイプリルが、家族一緒にパリで暮らしましょう、と持ちかけ、パリでは自分が秘書として働くからフランクは気ままに暮らせばいい、と言い出すのだった。はじめは妻の突然の提案に戸惑うも希望を膨らませ、ついには移住を決意するフランク。それは間もなく、周囲にも知るところとなるのだが…。

コメント:
テレビの紹介などで独身女性の評論家たちが口を揃えてこう言っていた。

「これを観てから結婚しようとは思わない」

そんな映画を僕らのような新婚夫婦が揃って観てもいいものだろうか?
映画が始まるその時まで悩んでいた。実の嫁さんを隣にしながら。

このレビューでは、僕たち新婚夫婦が目撃した、結婚生活のありのままを描いた『レボリューショナリー・ロード』という衝撃作について、実生活を踏まえながら赤裸々に感想を述べたいと思う。

まず初めにこれだけは言っておきたい。
もし結婚を目前に控えたカップルで本作を鑑賞しようか迷っている人、この映画は観ないほうがいい。今は順調に交際しているから大丈夫とか、自分たちは結婚してもきっと幸せになれるという浅はかな願望なんて、どこまで通用するか誰も想像できるはずがないのだから。

これを観ることできっと結婚に対する何らかの迷いが発生するはずだ。それでも映画ごときで関係に終止符をうたない自信がある人、またこの映画を見て将来の構想を練ってから結婚したいと考えている人たちにとっては、どこか心の支えになる答えを発見することができる映画かもしれない。

既婚者にとってもこの映画はとても重く圧し掛かる課題だ。
もちろん人それぞれ感じ方は違うだろうが、鑑賞後のうちの嫁さんにおいては、

「自分の考えを代弁してくれる、とてもスッキリする映画だった」

というのが、第一声である。

んっ!?
ということは、嫁はすでに体験済み?
それは問題だ!!

ということで、そのまま帰りに焼肉屋で対談をすることで同意を得た。
(話してどうにかなるという考えに達する時点で男の単純さが浮き彫りになっているのかもしれない…)

嫁曰く昨年の夏はウィンスレット演じるエイプリルと同じ感情だったらしい。自分の今の生活を変えて新たなチャンスを手にしたいと。実は昨年、僕の仕事の都合上、半強制的に嫁を僕の地元に連れてきて生活を送ることに決めた。それは二人で話し合った結果だったが、嫁はどこか我慢してついて来ていたのだろう。男からすればやはり第一に仕事を考えなくてはならないし、いずれ子供ができることも考えなくてはならない。お金には全く不自由なく生活を送っていたが、毎日家で家事だけをする生活や、自分の知り合いがいないという孤独感などから、不満が日々溜まっていたのだろう。

だが男からすればそういう話はちゃんと話してくれなければ理解できない。

ディカプリオ演じるフランクは何度も話をしようと持ちかけるが、どことなく誤魔化されている感じが募り自分の在り方に疑問を持ち始める。そしてそのストレスが原因で浮気をしてしまう。

ここまでの内容がうちで起きた構図とよく似ていると嫁は言うのだ。
確かに間違いない(浮気は神に誓ってやってませんけどね!!)。

その後、うちの場合はちゃんと話し合い、子供を作るのは先延ばしにし、嫁も外で働く、そして家事は分担にするということで家庭を持ち直すことができた。

結婚って難しい。

だが今日改めて話し合ったことで、どうやら今は子供が欲しいということがわかった。僕は未だに女の考えることがわからない。実は最近まで子供が欲しくないということで避妊までさせられていた。これは男にとっては屈辱的。だがそれも気持ちの持ちようだと思うのだ。

人生はいつどんなことが起こるなんかわからない。

映画の話で言うと、二人はパリ行きを決定して、舞い上がった勢いで激しい夜を過ごしてしまったことが全ての過ちだったように思う。後先を考えればそれは想像がついていたことだから。

結局、結婚生活なんて二人がどうやって生きていきたいかを考えることなんだと思う。それは子供を含め周りの環境全てが関係してくること。問題が発生したときにどうやって解決することができるか。

僕が最終的に答えとして見出したものは、キャシー・ベイツ演じるヘレンの夫が、愚痴を漏らすヘレンの姿を前に、補聴器の音量を最小にする姿。

女は愚痴を言うもの。
それをどう受け流せるかで男のストレスの溜まり方は違う。
男はその溜まったストレスをどこに対して捌け口とするか。
それを決めることがうまく家庭を回すコツのひとつだと、僕は思うのだ。

こんな大切で簡単なことを教えてくれた映画。
レオとケイトの素晴らしい演技と、この二人の熱演を監督として見守ることができたサム・メンデスに拍手と賞賛を送りたい。

そして出来ることなら、熟年夫婦が一緒に観た感想なども聞いてみたいものだ。


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