原題:Quentin Tarantino's Death Proof
製作年度:2007年
上映時間:113分
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:カート・ラッセル 、ロザリオ・ドーソン 、ローズ・マッゴーワン 、シドニー・ターミア・ポワチエ 、ゾーイ・ベル 、マイケル・パークス
オススメ度:★★★★★
ストーリー:
テキサス州オーステインの人気DJ、ジャングル・ジュリアは気の置けない仲間たちとバーへ繰り出し、女の子だけの会話に花を咲かせていた。そんな彼女たちを、ドクロマークの不気味な車を駆る顔に傷のある謎の中年男、スタントマン・マイクが秘かにつけ回していた…。14ヵ月後、テネシー州で映画の撮影に参加していたスタントウーマンのゾーイ。彼女は空き時間を利用して、仲間たちとある計画を実行する。それは、売りに出されていた憧れの車、映画「バニシング・ポイント」に登場した70年代型ダッジ・チャレンジャーに試乗しスタントライドを楽しむこと。さっそくボンネットに乗り、危険なスタントを始めるゾーイ。やがてそんな彼女たちを、あの男スタントマン・マイクが、新たな獲物に見定め襲いかかるのだったが…。
コメント:
最初に言っておくが、本作は映画として文句なしのおもしろさだ!!
ガーリーな8人のバッドガールズによる”セックス”や”恋愛”に対するどうでもいい無駄話で始まる本作。いきなりタランティーノの得意とするセリフ回しが炸裂。『レザボアドッグス』を彷彿されるそのシーンで一気にタランティーノ・ワールドへと引きずり込まれてしまった。
そんな本作の一番の見所は、8人の女とデス・プルーフ(耐死仕様)の車で襲ってくる殺人鬼スタントマン・マイクが見せる最高にスリリングなカーチェイスだろう。殺人でしか自分の欲望を満たすことができないスタントマン・マイクを演じるカート・ラッセルが、見事役にはまっていて最高に渋い演技を見せている。彼の本性はラストに判明するのだが、そのギャップが実におもしろい設定なのだ。
前半で殺されてしまう4人の女。
後半で復讐に転じる4人の女。
最初は悲惨だが、最期は爽快。
まさに”女の女による女のための映画”がここに集約されているのだ。
恐怖から笑いへと全ての要素が詰め込まれた映画、鑑賞すればその意味はきっとわかるはず。
「悩むならまずは観ろ!!」と言っておきたい。
そして今回のプロジェクトの本髄とも言える「グラインドハウス」。「グラインドハウス」とは60~70年代、B級映画ばかりを2~3本立てで上映していた劇場のことをいう。同プロジェクトとして9月22日に公開されるロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー in グラインドハウス』も楽しみで仕方がない。
とりあえずこのプロジェクトを立ち上げたということが本作の成功に繋がったひとつの要因だと言えるだろう。使い古しのフィルムに付いた傷、リールのダブりや飛びが当時のいい雰囲気を醸し出し自らがタイムスリップしたような感覚に襲われる。タランティーノの映画オタクぶりが功を奏したと言わざるを得ない。こういった試みをしてくれる監督は世界を探してもあまりいない気がするのだ。新感覚な作品に出会わせてくれたタランティーノにここでも感謝。
残念なのが『デス・プルーフ in グラインドハウス』と『プラネット・テラー in グラインドハウス』が2本同時に公開されなかったことだ。アメリカでは本編を短縮して同時に公開したらしい。せっかく「グラインドハウス」と付いているのだから一度に2本立てという贅沢を味わいたかった。
最後に、今日は久々に映画館でイラつく客に遭遇してしまったので愚痴をひとつ。
とにかく鑑賞中によくおしゃべりする女で、しかもその女がしゃべるタイミングが
「なんでこんなに映像が荒れてるの?」と同伴の男に聞いているのだ。
これはグラインドハウスの再現でわざとそういう手法を施しているんですけどね。
しかも映画が始まる前にそれについての説明がちゃんと表示されたんですけどね。
あの女は一体何を観にきたんでしょうか?そう思うのは勝手だけど、上映中にしゃべるのだけはやめて欲しかった…。
これから鑑賞される方はこういう間違いがないように気をつけましょう(笑)
製作年度:2007年
上映時間:113分
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:カート・ラッセル 、ロザリオ・ドーソン 、ローズ・マッゴーワン 、シドニー・ターミア・ポワチエ 、ゾーイ・ベル 、マイケル・パークス
オススメ度:★★★★★
ストーリー:
テキサス州オーステインの人気DJ、ジャングル・ジュリアは気の置けない仲間たちとバーへ繰り出し、女の子だけの会話に花を咲かせていた。そんな彼女たちを、ドクロマークの不気味な車を駆る顔に傷のある謎の中年男、スタントマン・マイクが秘かにつけ回していた…。14ヵ月後、テネシー州で映画の撮影に参加していたスタントウーマンのゾーイ。彼女は空き時間を利用して、仲間たちとある計画を実行する。それは、売りに出されていた憧れの車、映画「バニシング・ポイント」に登場した70年代型ダッジ・チャレンジャーに試乗しスタントライドを楽しむこと。さっそくボンネットに乗り、危険なスタントを始めるゾーイ。やがてそんな彼女たちを、あの男スタントマン・マイクが、新たな獲物に見定め襲いかかるのだったが…。
コメント:
最初に言っておくが、本作は映画として文句なしのおもしろさだ!!
ガーリーな8人のバッドガールズによる”セックス”や”恋愛”に対するどうでもいい無駄話で始まる本作。いきなりタランティーノの得意とするセリフ回しが炸裂。『レザボアドッグス』を彷彿されるそのシーンで一気にタランティーノ・ワールドへと引きずり込まれてしまった。
そんな本作の一番の見所は、8人の女とデス・プルーフ(耐死仕様)の車で襲ってくる殺人鬼スタントマン・マイクが見せる最高にスリリングなカーチェイスだろう。殺人でしか自分の欲望を満たすことができないスタントマン・マイクを演じるカート・ラッセルが、見事役にはまっていて最高に渋い演技を見せている。彼の本性はラストに判明するのだが、そのギャップが実におもしろい設定なのだ。
前半で殺されてしまう4人の女。
後半で復讐に転じる4人の女。
最初は悲惨だが、最期は爽快。
まさに”女の女による女のための映画”がここに集約されているのだ。
恐怖から笑いへと全ての要素が詰め込まれた映画、鑑賞すればその意味はきっとわかるはず。
「悩むならまずは観ろ!!」と言っておきたい。
そして今回のプロジェクトの本髄とも言える「グラインドハウス」。「グラインドハウス」とは60~70年代、B級映画ばかりを2~3本立てで上映していた劇場のことをいう。同プロジェクトとして9月22日に公開されるロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー in グラインドハウス』も楽しみで仕方がない。
とりあえずこのプロジェクトを立ち上げたということが本作の成功に繋がったひとつの要因だと言えるだろう。使い古しのフィルムに付いた傷、リールのダブりや飛びが当時のいい雰囲気を醸し出し自らがタイムスリップしたような感覚に襲われる。タランティーノの映画オタクぶりが功を奏したと言わざるを得ない。こういった試みをしてくれる監督は世界を探してもあまりいない気がするのだ。新感覚な作品に出会わせてくれたタランティーノにここでも感謝。
残念なのが『デス・プルーフ in グラインドハウス』と『プラネット・テラー in グラインドハウス』が2本同時に公開されなかったことだ。アメリカでは本編を短縮して同時に公開したらしい。せっかく「グラインドハウス」と付いているのだから一度に2本立てという贅沢を味わいたかった。
最後に、今日は久々に映画館でイラつく客に遭遇してしまったので愚痴をひとつ。
とにかく鑑賞中によくおしゃべりする女で、しかもその女がしゃべるタイミングが
「なんでこんなに映像が荒れてるの?」と同伴の男に聞いているのだ。
これはグラインドハウスの再現でわざとそういう手法を施しているんですけどね。
しかも映画が始まる前にそれについての説明がちゃんと表示されたんですけどね。
あの女は一体何を観にきたんでしょうか?そう思うのは勝手だけど、上映中にしゃべるのだけはやめて欲しかった…。
これから鑑賞される方はこういう間違いがないように気をつけましょう(笑)