吸血妖魅考(ちくま学芸文庫) モンタギュー・サマーズ著・日夏耿之介著 |
◆「吸血妖魅考」
日夏氏を作者として出したが、正確にはモンタギュー・サマーズが書いた「ヨーロッパに於ける吸血鬼」と「吸血鬼-その同族と血縁」の2巻を元に翻訳された「吸血妖魅考」という本(初版昭和6年)と、日夏氏の「吸血鬼譚」をあわせて採用し編集したものだそうだ。
なので、文庫なのにこの値段もいたしかたないかと…(汗)
しかも、全編ほんど文語で旧仮名遣いである。読みにくいよ。
が、これがロマンなのだ。
世界中いたるところに、吸血鬼の伝説があり、吸血鬼とは彷徨える死者である、っていう共通性には正直寒気がした。それだけ血液っていうものは、大事なのか。で、医学的な根拠もほとんどなかった時代から、それを人間は本能で知っていたのだろうか。いや、吸血鬼が実在したからこそ、そう考えたのか…。
カテゴリーにこまって、一応学術としたが、これほど様々に思いをめぐらせることのできる本はそうそうないだろう。
すごく面白かった。